練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『終末のフール』 伊坂幸太郎

2006-12-11 | 読書
『週末のフール』だと思い込んでいたんだけれど、違った・・・。
そんな暢気な話ではなく、「終末」、世界のおわり、というような意味だった。

あなたの寿命はあと3年です、と言われたら、まずほとんどの人はパニックに陥るだろう。
それでは、惑星が衝突するという観測結果が出たので、地球の滅亡まであと3年です、と言われたら・・・?

ほぼ地球上のすべての人間がパニックに陥り、極限状態となり、そして残されたものは・・・というようなお話。

でも、どこか平和で静かな感じの話だった。パニック、極限、混沌、無秩序、そんなものが通り過ぎたあとに大事なものだけが残った、ということなんだろう。

それぞれの話にそれぞれ思うことがあるのだけれど、印象に残ったのは、障害がある子供を持った親が、「今までは自分たち親がこの子を残して先に死ぬのが怖かったけれど、あと3年でみんなで一緒に死ねると思ったらとても幸せな気持ちになった」というエピソードだ。

とても「悲しい幸せ」ではあるが、親としては共感できるような気持ちにもなった。