桐野夏生さんの作品は、まったく別世界の話、というところが好きでよく読んでいた。
暗黒街の話、殺人、犯罪・・・。自分とは縁がない(と思っている)ところでの話、だから安心して読んでいたのだが・・・。
『魂萌え!』はえええっ?と思うほどリアル。
それもこれから10年~20年の間にまさに私が遭遇してもおかしくないようなリアルさ。
それでついつい怖い物見たさの好奇心で、やっぱり読んでしまった。
旦那が会社を退職して、ある日突然ぽっくり逝ってしまう。
残されたのは遺産をめぐる息子・娘との話し合い、というか言い争い。
勝手なことばっかり言う子供たち。
旦那の生前の愛人発覚。
自分はいつの間にか世間に取り残されたおばあさんに近いおばさん。
気障な中年のオヤジに言い寄られる、友達ともめる。
なんだかあまりにもあり得そうで切実で、最初は重いなぁ・・・と思ったんだけど、読み進めていくうちにやけに可笑しくなってきた。
小説の中の人間が真剣であればあるほど可笑しいのだ。
やっぱり人生のトラブルっていうのは端から見ているとお笑いなんだなぁと思った。
たぶん、この作品を読むのがあと10年遅かったら切実すぎてお笑いにもならなかっただろうし、あと10年早かったらつまらなくて途中で投げていたかも。
これをお笑いですませてしまうのは不謹慎かもしれないし、
介護の問題とかが全然出てこなかったので、現実はこんなもんじゃなくてもっともっとシビアなんだろう。
でも、図々しいくらいのオバサンパワーを最後には感じたというか、どうにかなるさ的なあまりにも楽観的な大団円にびっくりしたというのはあるが、少なくとも頼れるのは自分だけなんだから、他力本願でなく自分でなんとかやってみよう、という気にさせる小説だったと思う。
これ読んで笑える自分でよかったな、と思ってしまった。
暗黒街の話、殺人、犯罪・・・。自分とは縁がない(と思っている)ところでの話、だから安心して読んでいたのだが・・・。
『魂萌え!』はえええっ?と思うほどリアル。
それもこれから10年~20年の間にまさに私が遭遇してもおかしくないようなリアルさ。
それでついつい怖い物見たさの好奇心で、やっぱり読んでしまった。
旦那が会社を退職して、ある日突然ぽっくり逝ってしまう。
残されたのは遺産をめぐる息子・娘との話し合い、というか言い争い。
勝手なことばっかり言う子供たち。
旦那の生前の愛人発覚。
自分はいつの間にか世間に取り残されたおばあさんに近いおばさん。
気障な中年のオヤジに言い寄られる、友達ともめる。
なんだかあまりにもあり得そうで切実で、最初は重いなぁ・・・と思ったんだけど、読み進めていくうちにやけに可笑しくなってきた。
小説の中の人間が真剣であればあるほど可笑しいのだ。
やっぱり人生のトラブルっていうのは端から見ているとお笑いなんだなぁと思った。
たぶん、この作品を読むのがあと10年遅かったら切実すぎてお笑いにもならなかっただろうし、あと10年早かったらつまらなくて途中で投げていたかも。
これをお笑いですませてしまうのは不謹慎かもしれないし、
介護の問題とかが全然出てこなかったので、現実はこんなもんじゃなくてもっともっとシビアなんだろう。
でも、図々しいくらいのオバサンパワーを最後には感じたというか、どうにかなるさ的なあまりにも楽観的な大団円にびっくりしたというのはあるが、少なくとも頼れるのは自分だけなんだから、他力本願でなく自分でなんとかやってみよう、という気にさせる小説だったと思う。
これ読んで笑える自分でよかったな、と思ってしまった。