魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

老子『道徳経』を翻訳してみました。32

2017年09月17日 | 老子『道徳経』
英語と中国語を学ぶため 
老子『道徳経』を 翻訳してみました。
訳に間違いが有りましたら御教示下さい。


老子『道徳経』
Laozi『Tao Te Ching』


第三十二章
原文

道常無名樸。雖小、天下莫能臣也。侯王若能守之、萬物將自賓。天地相合、以降甘露、民莫之令、而自均。始制有名。名亦既有、夫亦將知止。知止所以不殆。譬道之在天下、猶川谷之於江海。

英訳文
"The way" is always like a nameless raw wood. Nobody can handle it even if it is small. If a monarch follows "the way", all things will obey him readily, then heaven and earth will be harmonized and rain love, and people will unite without an order. If you cut a raw wood into pieces and make tools with them, those tools have names. Those names make distinction and distinction makes discrimination. If you abstain from distinguishing moderately, you will not face any danger. The aspect of "the way" like this, so to speak, is like "the ocean is in lower place than rivers and gathering them."

書き下し文
道は常に無名の樸(ぼく)なり。小なりと雖(いえど)も、天下に能(よ)く臣とするもの莫(な)きなり。侯王(こうおう)若(も)し能くこれを守らば、万物は将(まさ)に自ら賓(ひん)せんとす。天地は相い合して、以(も)って甘露(かんろ)を降し、民はこれに令する莫くして、自ら均(ひと)し。始めて制して名有り。名亦た既に有れば、それ亦た将に止まることを知らんとす。止まることを知るは殆(あや)うからざる所以(ゆえん)なり。道の天下に在(お)けるを譬(たと)うれば、猶(な)お川谷(せんこく)の江海(こうかい)に於(お)けるがごとし。

現代語訳
「道」とは名の無い切り出したばかりの丸太の様なものだ。この丸太はたとえ小さな物でも思い通りに使いこなせる者などいない。人の上に立つ君主がこの事を弁えていれば、この世の全てが喜んで従うだろう。そして天地が豊かになりその恩恵は人民の上に慈愛の雨を降らせて、わざわざ命令などしなくても人々は統一される。丸太を切り分けて道具を作れば名前を持った物となる。名前がつくと他の物との区別が生じてそれが行き着くと差別となる。だから物事の区別は程ほどにしなければならない。程ほどにしておけば危険が生じる心配が無い。この様な「道」の在り方は例えるなら大きな海が数々の川の流れを集めながら最も低い位置に存在しているかの様である。

老子『道徳経』を翻訳してみました。33 へ続く。




ビジネスリーダーのための老子「道徳経」講義
田口佳史
致知出版社



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