保険商品の販売はネットワークビジネスではない

2021年10月12日 | 社労士
生命保険の代理店を始めたので、法事の時にさっそく親戚に声がけをしてみた。
世間一般で言われていることが見事に親戚の人たちにも当てはまり、あわよくば契約の1件でもという甘い考えは打ち砕かれた。

保険商品の販売はネットワークビジネスではない。
保険商品は月々の保険料を見るとそうでもないが、年間料金を何十年かでかけると高額である。

月5000円でも30年間払い続ければ180万円。
1万円なら360万円。
2万円なら720万円。

こんな高額な商品なのに、みんな見事に、じいちゃんの農協関係とか、知り合いに頼まれてとか、漢字系の有名生保会社だったり、外資系以外ぼったくりだよね…とか、好き勝手なことを言って、たいして損もないような口ぶりだった…

自分が代理店を始めてみて、なぜママ友たちが変わってしまったのかよくわかる…

なぜ近所の人からあれほどまでに悪しざまに陰口を言われるのか、ようやくわかった。

自分も代理店契約継続のためにはマストの契約件数がある。

気持ちは痛いほどわかる。

しかし、それでも親戚や知人友人など当てにしたら、それは人間関係を売ると言われているネットワークビジネスになってしまう。

親戚や知人友人にピッタリな保険商品を自分が持ち合わせているならいいのだが、親戚や知人友人みんなに合うものはない。

広い世間には自分の商品を必要とする人が多くいる。

営業というのはこういうことか…

がんについての研修会に参加して、すごく気分は上がっているが、世間の壁の高さに唸った。

だがしかし。

社会保険しか知らず、国民皆医療保険でよしとしていた自分にとって、がんの世界はあまりにも別世界だった。

社会保険が自分の領域であるとはいっても、そうではない世界が社会保険の周りを取り囲み、入り組んだ模様を見せているのである。

知らぬ存ぜぬ、では済まぬ。

保険代理店を始めたからには、社会保険で対応できますよ、高額療養費もありますからね~と鼻歌を歌っているわけにはいかない。

そんなもん、末期がんの患者さんには風の前の塵にもならないのである。

混合診療という壁も、社会保険しか相手にしていなければ知らぬ存ぜぬですむが、がん患者さんの現状を知れば、知らぬ存ぜぬが職業倫理に反することは明らかである。

保険代理店の職業倫理ではない。

社会保険労務士の職業倫理である。

保険診療以外は門外ですので、とは言えない。

でも言ってる…

保険の代理店やってよかった…

だからこそ

ネットワークビジネスに成り下がるわけにはいかない。

初めて直面した厳しい現実…






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