おおたかの森と流山カナル物語

流山に住む主婦&薬剤師lalaの気紛れな日記
実は「福の神」らしいので、ゆったりまったり、周りを幸せにしていきます

放射線のリスクを理解するということ

2011-11-09 10:13:08 | 震災・放射線関係・環境

昨日は久しぶりに理科大薬学部に行って
小島周二先生とお話してきました

「その後の流山はどうですか?」と聞かれて
「(低線量被曝の安全性を)理解してる人は増えて来ていますが
いまだに怖いと思ってる人は怖がってます」と答えました

「でも世田谷で発見された高線量物質事件で
数100μシーベルトの放射性物質が存在しても
住民や近隣住民は何十年も死なずに元気に生きてる
ということがわかってから
『安全だ』という意見にも耳を傾けよう、
という気持ちになった人が増えたような気がします」
世田谷の放射線、床下のラジウムから 原発は無関係
と話したら、先生もそれを実感してらっしゃるようで

先月、野田市内の自治会の集会に呼ばれ、放射線の話をしたら
みなさんとてもよく理解していて、特に住民の中に広島の被爆者がいて
その方が実体験として安全性を話してくれてこともあり
非常に話しやすかったそうです

実は広島や長崎の原爆で、亡くなった人達の被害を調査していくと
亡くなった原因は、爆風やそれによって崩壊した建物
そして原爆から発生した高熱、エネルギーの高い中性子線ということで
α線、β線、γ線などの放射線で亡くなったわけではなく
また被曝10年後から増加した癌患者にしても
200mシーベルト以上の急性(短時間、短期間)被曝者のみで
低線量の被曝者は、被曝していない一般人と比べても
癌患者が増えていないとのことでした

このように、広島・長崎の被爆者の調査やチェルノブイリの調査
またマウスやラットを使った動物実験から
放射線の人体に対する安全性は確定していて

大人は1時間当たり1000μシーベルト、つまり1mシーベルト/h
子供はその5分の1の200μシーベルト/hまで安全である
と言えるのだそうです

この子供の200μシーベルトと言うのも、
「子供は大人より5倍感受性が高い」という理論から
大人の5分の1ということではじき出した数値で
実際はそれよりもっと高い数値でも問題無い
という結果も出ているそうです

だから現在の流山や柏はもちろんのこと
福島のほとんどの地域でも何の心配もないとのことで
それを聞いて、改めて安心しました


そんな中、小島先生は流山市のことを非常に心配していて
「0.6だの0.7だのの、1μシーベルト/hにも満たない
広い地域を除染してるらしいけど、
そんな無駄なことに税金を使って
市の財政に負担にならないの?」と言っていました

「そうですねぇ、でも小さい子供を持つ親御さん達の声に押されて
不本意ではあるけどやってくれてるみたいです
親御さん達の心配な気持ちを取り除くためには
仕方ない面はあると思います」と答えましたが…

「そんなことに何千万円も使うことによって
教育や福祉へのサービスや、インフラ整備が縮小したりカットされるようじゃ
結局市民のためにならないからね」と言ってくださって
『確かにそうだなぁ…』と思ってしまいました

「こんなμシーベルトレベルの放射線より
タバコの方がよっぽど発ガン率が高いのにね」と笑っておっしゃるので
なるほどねぇ、と思いながら私も笑ってしまいました

確かに、喫煙は2000mシーベルト、
受動喫煙は100~200mシーベルトの放射線量と同等のリスクがある
と言われていますからね

分煙しても、室外で吸っていても
空気の流れでいくらでも発癌物質は飛んで来るわけで
それだったら除染なんかするより、タバコを無くした方が
発ガン率はよっぽど下がるわけですからね

結局、バランスのあるリスク管理ということですよね

地球上には様々なリスクがあるから
一つのことだけに突出して過剰に反応するのではなく
他のリスクもきちんと理解した上で
バランスの取れたリスク対策をすることが大切なんじゃないかな
と思いました


小島先生は私が色々調べたり、
質問したりしに来ることが結構嬉しいようで(笑)
「よく勉強してるねぇ」とか「君は偉いねぇ」とか言っては
色々な資料をくださいます

ということで、今回も
「放射線の被ばく線量と人体障害発生の可能性」と
「放射能汚染と食品の安全」という論文資料をくださいました

ちょっと読んだけど、結構専門用語だらけ、数字だらけで…ムズイ

何とか読まなきゃなぁ、と思いながら帰ってきました
小島先生、ありがとうございました

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 初石のリエゾン | トップ | ただいま柏 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ろーむ)
2011-11-11 00:47:12
すごくわかりやすいと思います。
大変勉強になりました。
返信する
Unknown (たんたん)
2011-11-11 09:24:49
 人って不安になればなる程、自分の考えに近い意見ばかり求めがちになるように思います。で、「やっぱり私の不安は正しい」と思って心の安定を図って、逆にもっと不安に陥るという・・・悪循環ですよね。lalaさんがよく言われている事ですが、結局リスクは当然あるものとして、どう自分の不安と折り合いをつけていくかなんだろうと思います。
 私の周りで移住した人を知っていますが、正直言うとその考えには共感できません。だけどその人やご家族の心や体の安定が保たれるならそれを否定するものでもないと思っています。「大丈夫だと安心できたらいつでも帰ってきて下さい」と言うのが精一杯で、それ以上の良い言葉が私には浮かびませんでした。lalaさんのようにもっと安定した豊富な知識があれば違ったかなと思いますが・・・。
 ところで、女性に限っての話ですが、長生きしている女性では、体脂肪率30パーセントくらいあるメタボな人が多いって統計があるそうですよ。無理なダイエットをしてストレス溜めるよりは・・・って事のようですが、なんだか放射能ストレスとの付き合い方に似てますね。でも自分的にはこっちの方が美味しい物も食べれちゃう言い訳にできるので、とても有り難い朗報でした~^^。 
 
返信する
ろーむさんへ (lala )
2011-11-11 10:35:39
まあ、お褒めの言葉、ありがとうございます
ホントはもっともっと、詳しい説明が可能かと思うんですが
私の知識の量がイマイチですし
資料を見せて話さないと難しいところがありますね
でもこうやって少しずつ少しずつ理解して
みなさんにお伝えして行こうと思っています
返信する
たんたんさんへ (lala)
2011-11-11 10:56:46
放射線にしろ、体脂肪と寿命との関係にしろ
結局人間がわかっていることってほんの一部分で
年月が経つうちに分かってくることが増える
ってことだと思います
私が生きてきた人生の10年くらいの間だけ取り出しても
子育てや食の常識などもどんどん変わってきて
「あの時はそうじゃなかったのに
ってことがいっぱいありますよ

そして放射線のことに関して言えば
昔はちょっとでも浴びれば死んだりガンになるのかと思ってたけど
意外とそうじゃない、ってことがわかってきた
ってことでしょうね
この知識を増やすためにはもっともっと多方面での研究が必要だと思います
今後に期待したいですね
返信する

コメントを投稿