おおたかの森と流山カナル物語

流山に住む主婦&薬剤師lalaの気紛れな日記
実は「福の神」らしいので、ゆったりまったり、周りを幸せにしていきます

放射線の胎児への影響 心配しすぎる必要はない

2012-04-17 11:45:33 | 震災・放射線関係・環境
震災後の中絶数が増えていないということでホッとした私ですが

同じ今日の朝日新聞、社説「記者有論」を読んで
今回の原発事故の放射線を心配して
「将来、結婚出来ないんじゃないか」
と不安に思う福島の女性が多くいるとわかりました

そんな女性に対して、編集委員高橋真理子さんは
過去のデータや現在の科学的見地から
そんな心配は無用だ、と述べています

ホント、そうですね

今回の原発事故で「将来奇形児が産まれる」と脅かしている人は
胎児の催奇性に対して、あまりにも無知だと思います

催奇性に関しては、サリドマイドが有名ですが
何故サリドマイドで手足の短い子が生まれたのかというと
あれは悪阻(つわり)のお薬で
悪阻の起きる妊娠1-2ヶ月というのは
ちょうど胎児の手足が形成される時期だから
その時にサリドマイドを服用した人のお子さんの手足に
奇形が生じてしまったのです

そのため、その時期以外に飲んだ人のお子さんには
奇形は発生していないんですよね

サリドマイドで手足の奇形が生じるメカニズム
サリドマイドが奇形を引き起こす機構を発見

つまり、いわゆる多くの人が心配する奇形というのは
胎児が受精から成長していく過程で
内臓や様々な器官が形成される時期に
栄養を送る血管の形成が妨げられること等によって起こるので
それ以外の時期は心配しなくて大丈夫、ということなのです

放射線に関しても同じですね
なんというか、放射線によって
胎児の手足が切り取られるようなイメージを持ってる人がいたり
DNAが傷つけられて、手足を作る遺伝子のメカニズムが異常をきたす
と思ってる人がいるみたいですが
放射線は手足を切り取らないし、人間のDNAはそんなおバカさんじゃありません

それに突然変異というのは、生きていく上で便利な方向に変化して行くことで
生きていく上で不便な方向に変化はしないし
万が一、不便な方向に変化した場合は受精卵の着床の段階で淘汰されるのです

だから妊娠していれば、
いつでもひどい奇形が生じる可能性がある、というのは間違い
ましてや妊娠もしていない女性が、なんらかの影響を受けたとしても
奇形児が生まれるなんてことはないのです

こういうことが広く理解されて、
福島の女性達が安心して子供を産める環境が整っていくといいですね

妊娠初期に薬を飲んだ・X線を浴びたけれど大丈夫?


余談ですが、このサリドマイド

上のリンク先にも書かれていますが
今はハンセン病や多発性骨髄腫の治療に使われているんですよね

私が学生だった時、薬理の先生がサリドマイドの話をしてくれて
「サリドマイドは催奇性さえなければ、とても良い薬だったんですよね」
と仰っていたことをよく覚えています

そんな何十年も前に使用を禁止された薬であるにもかかわらず
その後もサリドマイドの研究を続け、
新たな薬理作用を見つけた研究者には頭が下がります

怖い怖い、というだけで捨て去ってしまう素人との違いは
こういうところなんでしょうね

ということで、放射線の研究者にも頑張って欲しいな、と思う私です
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