おおたかの森と流山カナル物語

流山に住む主婦&薬剤師lalaの気紛れな日記
実は「福の神」らしいので、ゆったりまったり、周りを幸せにしていきます

鬱病に効く漢方薬 及び アミノ酸製剤

2010-07-20 21:33:19 | 漢方・生薬

昨日遅くに友達からメイル

朝起きて見てみたら、鬱病の治療を受けているけど症状が良くならず
「とっても苦しい。こんな私なんか、生きていていいのかしら」
なんてことが書いてあったので、びっくり

鬱病の治療薬には自殺願望という副作用があるからです

慌てて漢方薬を送ることにしたんだけど
郵便では送れない大きさなので速達では無理、と思い
急遽友達のうちに漢方薬を持っていくことにして
成田空港まで車で行く夫に頼んで、遠回りしてもらうことにしました

幸いおうちはすぐに見つかって
多分人には会いたくないだろうと思い、ドアの取っ手にかけて
携帯メイルでお知らせしたら、とっても喜んでくれて
今日から試してみるとのこと


漢方薬はいつものこれ、帰脾湯(キヒトウ)

「心(シン)」という身体の部位の状態を良くする働きがあります

中医学では「五臓六腑」と言って、身体の色々な部位を分類するのですが
鬱病に関係するのが「五臓」の中の「心」

「心」とは心臓のことではあるけれど、心臓が血液を送り出していることから
「心」の働きが悪くなった時に、血液の栄養が充分行き渡らず、影響を受ける場所として
中医学では「中枢神経」や「大脳皮質」のことを「心」と言います

まあ、よく考えるとわかることだけど、血液内の栄養分が足りなかったり
頭に充分行き渡らないと、セロトニンやアドレナリンなどの神経伝達物質が減り
これによって不安、不眠、猜疑心など、心が安定しなくなり不眠になります
この状態が続くと鬱状態になるわけです

これを「心」の栄養が足りない状態、ということで「心血虚(シンケッキョ)」と言い
帰脾湯は「心血(シンケツ)」を補う処方なのです

これは不眠でも、重い不眠
夜中に目が覚めて、なかなか眠れない、と言うような状態
特に自分自身を責め、なんともいえない不安や、苦しさが襲ってきて
夜中に目覚めたまま、夜が明けるまで眠れない、と言うような状態に効果があります

不思議ですが帰脾湯を飲むと
くよくよ悩んでいたことが嘘のように晴れやかになってきます


そしてもう一つがこれ

大正製薬のアニマリンL錠

こちらは必須アミノ酸といって、
人間が作り出すことが出来ない9種類のアミノ酸とビタミン類を含む製剤です

この必須アミノ酸の一つ、トリプトファンは
心を癒すセロトニンや、睡眠に必要なメラトニンの原料

一般的にはセロトニンもメラトニンも、肝臓でタンパク質から作られるのですが
ストレスがかかると「肝(カン)」というこれまた五臓の一つがダメージを受けるため
十分な働きが出来ず、アミノ酸が十分に作り出せないため
自律神経系に影響が出て、それが長期間続くと、不安、不眠の状態が出る
と考えられます

そのため、セロトニン、メラトニンの原料となるトリプトファンを摂ることによって
肝臓に負担をかけずに、セロトニン、メラトニンを作り出すことが出来ます

以上のこの二つの処方を渡して、
1回帰脾湯1包(食前)、アニマリンL2錠(食後)、1日3回
2-3日試しに飲んでもらうことにしました
うまく効いてくれるといいなと思います

鬱病に効く漢方薬

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
教えてください (miki)
2014-08-30 13:21:15
こんにちは。以前抑肝散のアドバイスいただいたものです。50歳女性です。
服用しだして2ヶ月です。甘いし不味くはないのですが、だんだん前のような実感がなくなってきて、心が低空飛行な感じで、やる気が起こりません。
そこで、こちらのページを拝見させていただいたのですが、心の病気には、帰脾湯の方が、やる気もアップさせてくれるのでしょうか。内臓を温める効果もありますか?
あと、抑肝散と2種類の服用は避けた方がいいのでしょうか。
西洋薬は副作用で断念しています。
漢方でどうにか治していきたいと思っています。

こちらで教わったアニマリンは一昨日から、早速服用しだしています!
返信する
mikiさんへ (lala)
2014-08-30 17:27:15
漢方薬は長く飲んでも二ヶ月ですから
そろそろ止め時かもしれませんね
特に抑肝散は柴胡を含む処方なので
長期の服用で間質性肺炎のリスクがあがります
咳が出るようならすぐに止めてください
また以前のような効果を実感できないようであれば
処方を変えた方がいいと思います

抑肝散は脳の「血(栄養)」の流れを良くして
記憶障害などを改善し
「気」の流れも良くして自律神経系の働きを改善する処方ですが
「栄養」や「気」が足りない状態の人は
流れるもの自体が足りないので
効果が薄いと思います

帰脾湯は「血(栄養分)」を補う効果と
精神状態を安定させる効果がありますので
体力が落ちたり、気分が落ち込んだり
抑うつ的な症状の方に向いている処方です

味を見て、甘ければしばらく飲んでみてください

アニマリンはオススメのアミノ酸製剤ですが
アミノバイタルpro3600mgもトリプトファンが含まれていて
アミノ酸の含有量も多いので、急激な回復を望むなら
アミノバイタルpro3600mgの方がいいと思います
お試しください
http://blog.goo.ne.jp/1320akko/e/4e23cd26a569e035ae9805b5e6c65871
返信する
ありがとうございます (miki)
2014-08-30 18:00:26
ありがとうございます!
早速、来週処方してもらいに行ってきます。

アミノバイタルproにもトリプトファンが含まれているんですね。バリバリ運動するアスリート用なんだと思っていましたが、そういう効果を求めて服用するのも良いんですね。
家族が使っていたので、ちょうど家にあるので、早速飲んでみます。

色々教えていただけて、助かりました。
ありがとうございました。

返信する
mikiさんへ (lala)
2014-08-31 09:17:36
はぁい、結構アミノバイタルproは優れもので
筋肉痛だけでなく、疲労回復や倦怠感にも有効です
ちょっと疲れた時に飲むといいですよ
お試しください
返信する
教えてください (miki)
2014-12-05 14:22:55
あれから、先生の意向で、抑肝散から抑肝散加陳皮半夏を処方され飲み続けていましたが、感情がなくなってきているのが怖くなり、漢方薬局で11月にコタローの帰脾湯を自分で購入して飲み出したところ、すぐに気分がよくなり、元気も出てきたので、自信をもって1週間後先生に強くお願いして、ツムラのを処方してもらいました。
が、喜んで飲んでみてもコタローのような効き目が感じられないのです。味もコタローの方は甘くておいしいのですが、ツムラの方は辛いような味でした。
仕方がないので漢方薬局でまたコタローのを購入してコタローを基本に、たまにツムラ飲んだりしています。
こういう場合、コタローの方を選択した方がいいのでしょうか。
それとも、ツムラのでも、そのうちに効いてくるのでしょうか。
飲み出して1ヶ月ほどたち、コタローの方も当初のような感動はないのですが、甘いです。
先生から抑肝散加陳皮半夏のも止めないよう言われ、3回の指示のところ、1,2回服用しています。
でも飲むとボーッとしてしまいます。抑える力が進みすぎることはないのでしょうか。

色々お聞きして申し訳ありません。どうしたらいいのかわからなくなってしまって。。
ご意見いただきたくよろしくお願いします。
返信する
mikiさんへ (lala)
2014-12-09 16:56:50
お返事遅くなってごめんなさい

抑肝散は脳の血流量を増やしたり
「気」の流れを良くして自律神経系の症状を改善する効果があります
陳皮や半夏も「気」の流を良くする生薬なので
「気」が充実していて、「気」の流れが悪く
「イライラ」するタイプの方に向く処方かと思います

一方、帰脾湯は体の栄養が足りなくなった状態で
その結果、「クヨクヨ」する、というタイプに効く処方です

もしmikiさんが、イライラというより、クヨクヨして
帰脾湯の方が美味しいのであれば
抑肝散や抑肝散加陳皮半夏はしばらく止めて
帰脾湯だけで様子を観ていいと思います

また同じ処方でもメーカーで味が違う、という話はよく聞くことで
同じ生薬でも、土によって内容成分が変わると思うので
生薬の産地で構成成分が微妙に違うのでは、と推測されます

お医者様には、「抑肝散加陳皮半夏を飲むと調子が悪く
帰脾湯だけを飲んでいた方が体調がいい」と話し
「帰脾湯だけの処方で1-2週間様子を観たい」
とお願いしてみてはいかがでしょう
返信する

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