余命が少ない家族に何かがあったとして、財産のことから住まいのこと、はたまた葬式のスタイルまで元気なうちに決めておくことは何も悪いことではない。むしろやっていて当り前のことだと思う。
ただ、今回はその表現方法に疑問が残る。
鼻に管をつながれ、最後のコメントといった感じで「あれやっておけばよかったーこれやっとけばよかったー」的な文章が並ぶこのポスター。病院の待合室に貼られるのには正直かなりの違和感を感じる。
これに違和感を感じない人は普段から病院の世話になることがない人ではないかと。
このポスターは厚生労働省から吉本興業に発注して出来上がったものとのこと。
一応局長クラスは出来上がりを目にしたようだが、特に疑問点を感じなかったようだ。
政府とのつながりをいろいろ言われる吉本興業。
ポスターを発注する側に「吉本だからいいや」「吉本だからそれなりのものを作ってくれるだろう」的感覚はなかったか。
他の会社とのコンペみたいなものはなかったのだろうか。
そして大阪での文化のあくまでも一部を担っているに過ぎなかった吉本が全国規模で、しかもお笑いの枠を飛び越えて、そして政府と癒着しながらあらゆる分野に進出していることに違和感を感じる。
表現の多様性が失われていると思うのは考えすぎだろうか。