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石油は本当に枯渇するのか?

2017年03月11日 | 外国

50年近く前から「石油の資源は残り約40年」といわれ、今も「石油の資源は残り約40年」とされていることに、疑問を持ち始めている人が増えているかと思います。

 

石油の埋蔵量予測は、石油業界では昔から疑問に思われていたようで、信用出来る情報では無いというのが石油業界では一般的であるようです。

 

日本人であれば誰もが知っている「石油は化石燃料で、近い将来枯渇する」という説は、1949年にアメリカのキング・ハーバード博士が発表した「化石燃料から得られるエネルギー」という論文が元になっているようです。

 

このキング・ハーバード博士は、1943年から1964年にかけてシェル石油で働いていた地質学者です。つまり石油メジャー側の学者です。

 

1956年には更に「原子力と化石燃料」という論文を発表し、その中で「アメリカにおける石油生産のピークは1960年代の半ばから1970年代の初頭」としており、この内容が政治利用もされ、私たちにも刷り込まれたのです。

 

実際に1970年初頭にアメリカの産出量が減少したため、1973年にオイルショックが発生し、日本だけで無く世界中でとてつもなく大きな痛みを一般市民が受けました。

 

しかし、今でも、インドの全国民がアメリカと同じような消費を始めればあと10年で、さらに世界人口の70億人に拡大すればあと5年で、原油はスッカラカンになると、2014年にNHKは放送したのです(「NHKスペシャル シリーズエネルギーの奔流(第1回)」より)。

 

これは、エネルギー資源危機を煽り、温暖化危機を煽る巧妙な洗脳番組です。

実は、石油は無尽蔵にあることがわかっていながら、ロスチャイルド系のシンクタンクであるローマ倶楽部は、「石油は枯渇する」という説を立て、1970年初頭に石油ショックを演出したと言われている。

 

その結果、石油価格は5倍に跳ね上がり、世界中の経済を混乱させ、日本でも庶民の生活を圧迫させたのでした。石油価格は石油メジャーと投機筋が高騰させているというのです。

 

ロシアでは1951年にニコライ・クルリャーツェフ博士が「原油無限説」を発表しています。これがロシアではずっと定説です。

「原油は地球のマグマに近い超深度地帯で地球に含まれる無尽蔵の炭化水素が石油の起源であるというのだ。これを有機物と捉えるという発想は、資源有限説を理由に原油の価格を高くしようとする西側諸国の陰謀としか思えない」とまで言い切っています。

 

その根拠は、石油の分布が生物の分布と明らかに異なっていること。現在産出している石油は6000メートル以上の深度まで掘削して汲み上げており、その深さに動植物の死骸がある筈が無いこと。そして、一度採掘しつくした油田の石油埋蔵量がピークまで回復することがあるなどです。「化石燃料説はあり得ない」の証拠が多く出てきているのです。

 

原油はダイヤモンドと同様に希少であるとされて来たため高騰して来ましたが、ご紹介した通り、「化石燃料説」では無く、「無機起源説」が正しいのであれば、投機するような価値のあるものでは全く無いと言えるのです。

 

現在は世界的に原油価格が下落しています。以前は「石油が枯渇する!」と叫ばれていましたが、『ロシア政治経済ジャーナル』の著者である北野幸伯さんは、「資源は枯渇するどころか余っている」と指摘。この事実が、日本に、そして世界情勢に大きな変化をもたらす、と明かしています。

 

以下は北野さんのメルマガより転載します。

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原油価格が下がっている理由は、「供給過剰」になっているからです。その一番の理由が「シェール革命」です。

 

では、「シェール革命とはなんぞや?」というお話から。

「シェール革命」は、「シェールガス」と「シェールオイル」に分けられます。

シェールガスとは、従来のガス田よりもずっと地下深く(地下2~3km)にある、「シェール層」(頁岩(けつがん)層)に閉じ込められている天然ガスのことです。

 

同じ層からとれる石油を「シェールオイル」といいます。

その存在は以前から知られていましたが、取出しが技術的に困難だったため、長い間手つかずのまま放置されていました。

 

しかし、21世紀になってから一気に技術革新が進み、採算のあう商業生産が可能になってきたのです。

EIA(米エネルギー情報局)のデータによると、2013年、シェールガスの世界総埋蔵量は7299兆立方フィートです。

 

アメリカは埋蔵量が665兆立方フィートと世界4位ですが、技術的理由で、シェールガス生産の99%は、北米(アメリカ、カナダ)で行われています。(2014年時点)

 

ちなみに、シェール革命によってアメリカは2009年、それまで長年トップだったロシアを抜き、天然ガス生産で世界一に躍り出ました。ロシアは大きな衝撃を受けたことでしょう。

 

シェールガスの世界総埋蔵量は7299兆立方フィート。

これまでの、いわゆる在来型天然ガスの埋蔵量が6600兆立方フィート。

ということは、シェールガス生産が可能になったことで、世界の天然ガスの埋蔵量が、一気に「倍以上」増えたことになる。

 

これで、天然ガスは「今後少なくとも150年以上枯渇する問題はない」といわれるようになりました。

ちなみに「シェールオイル」のおかげで、アメリカは近々世界一の産油国になると予想されています。アメリカはなんと、世界一の石油・ガス生産国になる見通しなのです。

 

ブッシュ(子)が大統領になった時、「アメリカの石油は、2016年までに枯渇する!」と予測されていました。

 

フセインが原油の決済通貨をドルからユーロにかえたこともありますが、「石油利権確保」も、不可解な「イラク戦争」の理由だったのです。(グリーンスパンが、自著の中で暴露している)しかし、2000年代と2010年代で、まったく違う世界に突入していることを、私たちは知っておく必要があります。

 

2000年代=来るべき石油の枯渇におびえる時代

2010年代=石油もガスもありあまっている時代

このことは、必然的に「世界情勢」に大きな変化を起こすことになりました。

 

「シェール革命」で、アメリカにとっての「中東の重要度」は下がる。

「シェール革命」のインパクトの本質とは何か?

「2000年代と、2010年代では、まったく違う時代、違う世界になっている」ということです。

 

「なに」が違うのか?

2000年代、世界はまだ、「来るべきエネルギー不足」に恐怖していた。

それで、「資源確保のための革命や戦争」が頻繁に起きていた。

 

ところが、2010年代に入り、「シェール革命」が起こったことで、人類は、「エネルギーがありあまる時代」に突入したのです。

 

とすると、いったいどんな変化が起こるのか?

まず、現在「シェール革命」を主導しているアメリカに、シェールガスもシェールオイルも「たっぷりある」ことが重要です。

 

アメリカはなぜ、これまで「中東」にこだわってきたのか?

そう、「そこに石油、ガスがあるから」でした。

しかし、「自国にありあまるエネルギーがあり、石油もガスも全部自給できるばかりか、輸出もできる」となったらどうでしょうか?

 

当然、アメリカにとって、中東の重要度が下がることでしょう。

オバマ大統領は2011年11月17日、オーストラリア議会で演説しました。

この演説の要点は、ブッシュ政権から引き継いだアフガン、イラク戦争にケリをつけ、戦略の重点を「アジアにシフトする」ということでした。

 

これはもちろん、ライバル中国が台頭してきたこともあるでしょう。

しかし、「シェール革命」で「中東の重要性が減りつつあること」とも関係しているでしょう。

オバマは2013年8月、シリア軍が反体制派に「化学兵器を使った」ことを理由に、同国を「攻撃する!」と宣言しました。

 

ところが翌月、戦争を「ドタキャン」し、世界を仰天させます。

そればかりか、オバマ政権は、シリアの背後にいるイランとの和解に動きはじめました。

ブッシュは、原油埋蔵量世界4位、天然ガス埋蔵量世界1位のイランを、常にバッシングし、何度も戦争一歩手前までいった。

 

ところが、今回アメリカは、本格的に和解に動き出したようです。

これも、シェール革命で、「中東の重要性が減りつつあること」と関係あるのでしょう。

「シェール革命」でアメリカには、石油もガスもたっぷりある。

だから、「中東は重要ではない」。

 

このことは、今起こっている多くの不可解な出来事の理由を教えてくれます。

なぜ、アメリカは「イスラム国」空爆に熱心ではないのか?

(もちろん、ISがアサドと戦っていることも、その理由ですが)

なぜ、アメリカとサウジアラビアの仲は険悪になっているのか?

なぜ、アメリカとイスラエルの関係が悪化しているのか?

なぜ、アメリカは、イランと和解したのか?

これらすべては、「アメリカ国内に資源がたっぷりあることがわかったこと」が理由です。

 

さて、次に、「シェール革命が世界に与える影響」を解説します。

シェール革命、世界への影響について考えてみましょう。

「エネルギーがありあまるほどあるようになる」、つまり供給量が激増する。

すると、何が起こるか?

 

常識的に考えると、「エネルギー価格が下がる」ことが予想されます。

「シェール革命」の中心地アメリカでは、すでにガスが欧州の3分の1、日本の5分の1という激安水準になっています。

アメリカは今後、シェールガスをどんどん輸出するでしょうから、ガス価格が世界的に下がっていく可能性が高い。

 

さらに、ガス価格の下落にひきずられて、原油価格も下がっていくと予想されます。

すると、何が起こるか?

これまで原油輸出で潤(うるお)ってきた「産油国」の経済が厳しくなります。

 

主なところでいえば、中東諸国(サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、イラク、クウェートなど)、ロシア、ベネズエラなど。

ロシアに関しては、すでに「シェール革命」の「悪影響」が出はじめています。

 

ロシアの天然ガス輸出の約7割は、欧州むけ。

しかし、世界的にガス価格が下がったので、欧州は中東カタールからの輸出を増やしました。

それを盾に、欧州はロシアに、さらなるガス価格の値下げを要求しています。

困ったロシアは、中国をはじめとするアジア諸国への輸出を増やそうとしている。

 

ここ数年、プーチンが日本との友好を強調しているのは、そんな裏事情もあるのです。

つまり、日本に「ロシア産ガス」をもっと買ってほしい。

ロシア経済は、ますます厳しくなっていく予想です。

「永遠に上がりつづける」と思われていたモスクワの不動産も下がりはじめました。

 

そして、「日本はどうなるの?」というお話です。

日本は現在、原発停止と円安でエネルギー輸入費が増え、「貿易赤字」が深刻な問題です。

しかし、エネルギー価格は今後下がっていくでしょうから、政府がしっかりガス輸出国と交渉すれば、今より何割か安い価格で輸入することが可能になるでしょう。

 

そうなると、日本国内の電気・ガス料金やガソリン代が安くなると予想されます。

実際、「原油価格暴落」は、日本に大きな恩恵をもたらしています。

 

「東日本大震災」で全原発が停止した。

それで、火力発電を動かすために原油、天然ガスの輸入量が激増しました。

しかも、原油価格(1バレル)は100ドル以上だった。

 

そこに、アベノミクスの「円安政策」が加わり、日本は「貿易赤字」が膨大になっていたのです。

しかし、原油価格下落で、この問題は解消されつつあります。

2015年上半期の貿易収支は、1兆3086億円の赤字。

前年同期比で76%も赤字が減っています。

 

そして、単月では黒字も出るようになってきました(例、昨年10月は1115億円の黒字)。

実際、日本は、「原油価格下落」で「もっとも恩恵を受ける国」の一つです。

その日本でも、もっとも恩恵を受けるのが安倍総理です。

というのも、「原油価格下落」のおかげで、愚策「消費税増税」の悪影響が、かなりやわらげられている。

 

もちろん、「嗚呼、消費税をあげなければ、日本はかなりの好景気だったであろう」と残念ではありますが……。

もちろん人の決定がかかわることですから、「全部わかる」とはいいません。

しかし、かなり未来を見通せるようになります。

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以上が『ロシア政治経済ジャーナル』の著者である北野さんのご見解です。

 

万が一、石油資源が「無機起源説」ではなく、「化石燃料説」だったとしても、天然ガスは今後少なくとも150年以上枯渇することはないのです。それまでに人類は新しいエネルギー資源を見つけると思いますので、安心してよいのではないでしょうか。

 

---owari---

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