Notes from TINA

つれづれTinaのやれやれ

緑の国 砂漠の国 

2010-05-23 | ねぱーる
トレッキング前半は緑豊かな国であった

まだまだ世界の壁は遥か遠い


photo by UMA



Tadapani 2590m 
Lodgeからの朝の光景





Ghorepani 2750m ドンキーとおりゃんせ






Poon Hill 3210m








Tatopani 1200m


photo by UMA


ノスタルジックな光景
狭い狭い路地
ボブ・マーリーとヒンドゥの神々のレゲエバー
シヴァのポスター 真っ赤なティカ






痛めた足を温泉でマッサージし、
遥か向こう雪化粧のNilgiriを視野に歩を進める

何人ものクライマー達がそのピークを目指し、
無残に大敗した全人未踏峰のなんとも格好のよい山











後半は砂漠の国だった


photo by UMA





ドンキーのキャラバン
やさしいやさしい音の時間

カラカラカラ、ポロロンポロロン
谷にこだまする風の音、ベルの音
時間を忘れるほど美しい音のシンクロ



Marpha 2670m






photo by UMA



ここは風の谷 
生ぬるいあたしにはちょっぴり厳しい風が吹き抜ける
乾いた山にへばりつく家々

朝から牛たちがベルの音をぽろぽろたてながら
途方に暮れている そんな村

何か奇妙な、それでいて心地のよい魔物が住んでいる
まるで阿片窟にいるかのよう



Jomsom 2720m





Kagbeni 2800m






photo by UMA







どこか異世界に迷い込んだかのような錯覚
ここは どこ ?

香の匂いと釜戸からのぼるススの匂い

砂漠のオアシス
泥壁の村並
狭く暗い路地
迷宮へのエントランス カグベニ


そしてまた歩き始める

ゴールまであと少し







山時間

2010-05-18 | ねぱーる
アンナプルナ
8000mを超える神の山々

チャンドラと日本人バックパッカーUMA、
そしてあたしの3人4脚、
11日間のヒマラヤトレッキング

いくつもの峰が重なるようになっていて、
7時間もかけて登った山を翌日には下り、
また別の峰を登る
悔しさすら沸き起こる

それでも毎日そんなことを繰り返す
山あり、谷あり
人生もまた然り

足があがらない日もあった
ふくらはぎが悲鳴をあげる

登っても登っても頂の見えない絶望感
もはや意思の力だけ

すすめ
すすめ

まるで呪文
進みたくなければ「やーめた」と言って投げ出せばいい
怒り出したっていい
なのに、だれもそんなことを口にしなかった

不思議と心だけは静かで
自分が洗われていくような奇妙な感覚





聞こえるのはただ、

自分の息遣いと、衣擦れの音
鳥のさえずり、水牛のため息


静かな静かな山の時間
そんな時間が心地よく、足を前へ進める

二年ぶりの日本
そんな山時間を想ってばかりいる



チャンドラ

2010-04-30 | ねぱーる
ガイドのこと

名をチャンドラ 
ヒンドゥー語で月の神
33歳 4人の子どものパパである

アンナプルナでは11日間、彼のうしろを歩いた




Photo by UMA


チャンドラはいつもうしろを振り返った
ちゃんとついてきているかどうか

少しでも険しい顔をしていると、
片言の日本語で「そろそろ きゅうけぇい とりまぁす」
と言って私の眉間の皺をとかしてくれた

太ももの筋を痛めた私に、
どこからか竹の杖を持ってきてくれた

水ぶくれがどうしようもなくなった時、
絆創膏まで貼ってくれた

高山病に苦しむひ弱な日本人に
毎晩生ニンニクを食え!と強要した

気遣いは誰でもできるし、
そんなに大変なことではないのかもしれない

だけどチャンドラは
肌触りのよい優しさを持った男だった

すべての思いやりが自然で、何しろタイミングがよい
いいリズムなんだ




Photo by UMA



ある日聞いてみた
「チャンドラ、どの山が一番好きなの?」
そしたら恥ずかしそうに
「私はどの山も本当に好きなのです」

毎日日焼け止めも塗らずに歩いたおかげで
真っ黒に日焼けしたチャンドラ

格好の良い山男である

Pilgrim終焉

2010-04-30 | ねぱーる
ゴールMuktinathを目指す
最後ののぼり
一日で一気に1000mをかけ登る






少しずつやっぱり頭が痛くなったけど
生にんにくパワーで乗り切った

よう頑張った、
などと思う

富士より高く標高4000m
サンセットには更にのぼって、Muktinath templeへ
ここもまたヒンドゥーの聖地である



目に鮮やかなインドからの巡礼者









さっきまでごぉごぉ唸っていた風もやみ、
恐ろしく静か 時が止まったかのよう
しなやかな神秘のパワー Om Shanti


この場所で
何かがはじけた、自分の奥で




翌日

昨日Finishしたはずが、600円のバス代が惜しく、
みんなでまた歩いた6時間半

ずっとずっと自分の足で歩いたJomsom Trek
その距離100キロ以上







そして確かな最終日
毎日歩いた山道もバスだとわずか7時間

砂埃を撒き散らしながら、
バスは一気に文明社会へと下山した

小国ネパール

2010-04-23 | ねぱーる
でっかいインドとでっかい中国に挟まれた、
でっかい山のたくさんある小さな国










エベレスト(チベット名チョモランマ:世界の母なる女神)を含め、
世界で10番以内の高い山のうち、8つもがその国内にある

いろんな民族が共存してて、
ときどきすごい美男美女がいたりする
もしも国民“気質”というものがあるのなら、
彼らはたいがいにして礼儀正しく、
はにかみ屋が多い
そして歩くのが遅い
私みたく

ヒンディー語でなく、ネパーリ語を話したときの
彼らの嬉しそうな顔ったらない

ヒンドゥーのなまめかしさと
チベット仏教の清清さ





世界の壁のふもと、である

カトマンズブルース 1

2010-01-20 | ねぱーる
最近できたインドの新しい法律
「一度出国したものは、最低2ヶ月はインド再入国が出来ない」
マルチビザもしかり

Shivaにお願いにいった
どうかまた一刻もはやく行きたいのだ、インドに、と





photo@pashupatinath

そして帰り道はパニープーリーをほお張る
おやじがきったねぇ手で、手づかみで作ってくれる
激うまの軽食

茹でたじゃがいもにいろんなスパイスを加えてぐにゃぐにゃ混ぜ、
それをふくれっ面煎餅みたいな揚げ菓子に詰め、しょっぱいスープを加える



うまく説明できないが、とにかくうまいのだ

カトマンズブルース 2

2010-01-20 | ねぱーる
相変わらず穏やかで埃っぽい世界の壁の麓


photo@durbar square

発給されるかわからないビザを待つあいだ
みんなで歌ったカトマンズBlues
歌の合間にりんごの形のスイーツを食らう



直径たった3センチほどのりんご野郎
これが、、、めちゃうまい

1月20日吉日
新しいパスポート(即ちインドビザのスタンプが押されていない)を作ったことが幸いし
予定よりもだいぶ早くビザが発給された

二度目のいんどぅ行き
クンブメラのハリドワール目指して



快適な「住」と「楽」を提供してくれたNirvana

Days in Pokhara

2010-01-01 | ねぱーる
インドビザ取得のためまたネパールへ


美味しい食べ物屋いっぱいのポカラ、レイクサイド
今日はあそこでサンドイッチ
明日はあそこでテントゥク
モモもうまか




気が付いたら、年越してた
ボートに乗り込み、湖の真ん中におわします神様に新年のご挨拶

そんなこんなで結局二週間も
だらだらぐでんぐでん


ハッとするくらい、きれいでしょ?


私はここにいる

2009-06-23 | ねぱーる
ゆるやかな時間の流れるBandipurで
久しぶりにした山歩き

へっこらへっこら
大汗をかきながら

本格的に雨季の始まったポカラでは
日毎に見えなくなっていった山

それは夕陽のころ突然姿を現した

ふと思い出したかのように、
ずっとずっと遥か彼方上の方の雲の切れ間から、
ピンクに染まったヒマールが顔をのぞかせた







富士しか知らないあたしにとって、
8000mを超える山を見上げる、
その目線の角度がとんでもなく、
常軌を逸している、というか、
何度見ても一瞬ドキリとしてしまう

慣れないのだ いつまでたっても

畏怖と畏敬の念



言っている

私はいつだってここにいるのだ、と