三島由紀夫は言う
「人間は、二種類に分けることができる
ひとつは生きている間にインドに行ける者
もうひとつは、インドに行けないまま死んでしまう者
その二種類だ
前者がインドに行く時期は、
その人間の運命的なカルマ(業)によって決定されるのだ」 と
つまり、行きたくても行けない場合と、予定になくても行く場合などがあり、
そのタイミングはあんたではなくインドが決めるのだ、と
ほんまかいな
旅人の間でよく耳にした、
インドに呼ばれるだの呼ばれないだの
天邪鬼のあたしは、
聞くたびに何だかそういうのがいやだったもんだ
何だかね、インドだけを特別視する声に耳を塞いでた、実際に
だけどあの日
日本から初めての連絡が入った
「父ちゃん緊急入院」
2008年2月18日の旅立ちからちょうど丸2年が経った、
2010年2月18日、けたたましいリキシャに乗車中のことだった
あたしは6日後の飛行機で帰国をした
因縁だろか
あの無秩序に、あの雑踏に、あの狂気に、
あの国に、
インドに、
身も骨もしゃぶられようと思っていたその時に
何かが日本へと私を押し戻した
それはインドが決めたのか
やっぱり印度はわからない