今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが四周目に突入です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。
四周目はお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介していきます。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介していきますのでお付き合いください。
四周目の第八回目は「む」「う」、そして「ゐ」をとばして「の」の三つです。
『む』・・・紫式部
大河ドラマ「光る君へ」ではなく、植物の紫式部です。秋に紫色の小さな実を葉の付け根のあたりにつけます。枝が緩やかなアールを描いて、たおやかな風情を醸し出します。季節の「季」の字をデザインして書き添えました。俳句では紫式部で七音もあるので「実紫」「式部の実」などと五音に言い換えることも多いです。
・紫式部の実を過ぎにける日暮かな 加藤楸邨
・渡されし紫式部淋しき実 星野 立子
・脇床に灯る紫式部の実 ずーみん
・蹲(うずくまる)掛花生の式部の実 ずーみん
『う』・・・ウクレレ
ウクレレを描いて「楽」の字を書き添えました。モンステラの葉の特徴ある形の影が揺れています。夏のけだるい午後です。どこかで遠くラジオが鳴っています。海からの風が心地よいです。うとうとしてしまいます。
ウクレレは俳句の季語になっておらず、他の季語と取り合わせて詠む必要があります。
・あたたかやウクレレ漏るる生花店 はなあかり
・ウクレレに和音三つの端居かな 田中幸雪
・ウクレレの音と薫風が改札を ずーみん
『の』・・・ノコギリザメ
ノコギリザメをマンガチックに描きました。周りの魚たちもかわいく描けました。たまにはこんな画風で描くのも面白かったです。
「ノコギリザメ」は俳句の季語にはなっていないようですが、「鮫」は冬の季語です。「鋸鮫」を「鮫」の傍題に見つけました。冬の季語として扱ってもよさそうです。「鮫」が冬の季語になったのは、鮫が冬期に美味になるから、という説明が載っていました。思えば鮫は年中泳いでいるわけですから、冬以外の季語と取り合わせて句にすることもありといえばありですね。
・竈へ火ハレの日の鮫切り分けて いさな歌鈴
・鉤のんで結びし鮫の巨き口 鈴鹿野風呂
・遠浅に鮫の来てをる祭かな 男波弘志
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