僕の細道

マニュアル

自動車学校の二輪指導員達の勉強会があり、その勉強会用に原稿を依頼され、書いたりしています。その書き上げた中で、転載してもいいかな~っていう原稿をここにUPしてみます。

ーーーーーーーー<転載開始>ーーーーーーーーー
『マニュアル』

四輪車のハンドルは欧米では右側通行なので、左ハンドル。日本では左側通行なので、右ハンドルとなっている。さて、二輪車にもそういった違いはあるのだろうか?

スロットルとFブレーキは右ハンドルに、クラッチは左ハンドル、右足でRブレーキ、左足でシフトチェンジと、どこで生産された各国仕様も同じ様式である。

そして、サイドスタンドが車体の左側に取り付けられているのも同じである。左側通行の国、右側通行の国の仕様も車体の左側となっている。何故だろう?

これは二輪車より遥か昔、馬の時代に由来している。大昔、サーベルや剣は腰の左側の挿していた。日本でも時代劇を見ると欧米と同様に腰の左側に挿している。これは利き手が右の人が多かったようで、長物を抜く際に腰の右側から抜くより、左側の方が抜き易かったから、そのようになっていったようです。そして、馬に乗る時、腰の左側に重い物を身に付けているので、まず右足を蹴上げて乗るようになり、馬の左側から乗馬すると定着していったようだ。

時が経ち、銃の時代になり、ライフルなどの長物を腰に挿す場合は左側、鉄砲などの小型の銃等の場合は右側と変化していったが、腰の右側に掲げるようになっても、左側乗馬が定着していったようだ。

私の友人が乗っている1942年式のハーレーはハンドルの右側にはスロットルしかない、
シフトは四輪車同様、エンジンから生えていて、左手で操作する。現代では他の二輪車達も同様の様式に落ち着いている。各社、先人達が長い時間を掛けて試行錯誤し、今の車体様式に落ち着いたようだ。

その二輪車の扱い方も時代とともに一つの流れが出来、諸動作の形が出来てきた。今、私達の目の前にある二輪車の乗り方、交通法規はこうして形作られてきた。その諸動作の本来の意味を考えてみるのも秋の夜長を過ごすには面白いのでは?
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【解説】
普段、目にしている道具の相違に視点をおき、その本来の意味を考えたり、先人達の創意工夫した『モノ作り』の歴史認識とその進歩、『モノの扱い方』の意味とその本質を思考する事により、教習の為の教習にならぬよう、それぞれを考えてみませんか?

ーーーーーーーー<転載終了>ーーーーーーーーー
これを依頼した某自動車学校の課長はこれを読み、ニヤッとしていました。実際はBMWだってウィンカースウィッチだって違うし、光軸だって左側通行、右側通行で違うのだけど、その相違も含めてのネタ振り。
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