僕の細道

バイタルサイン

身支度を整えていたら、突如、表から呼ぶ声が聞こえた。

近所で人が倒れているとの事。

私に応急処置の心得があるので、呼ばれたようだ。

いつも持ち歩いているショルダーバッグを引っつかみ駆けつけてみると、女性が意識無く倒れていた。

横断歩道上で倒れていて、通勤の人たちで日陰へ運んだとのこと。
119番への通報は済ませたとのこと。
誰も、倒れる瞬間は見ていないとのこと。

呼吸、脈拍、心拍、外傷などをチェックしていく。

意識が無いようだ。

朝のラッシュ時間ゆえ、救急車がなかなか到着しない。

地元消防署へ直接、問い合わせする。
状況を説明し、指示を仰ぐ。

女性を介抱している輪の中に、病院へ通勤中の医師が居たので、より心強かった。

直に、救急車が到着。
消防車まで到着した。
この消防車は、近隣にある消防署の所属のものだ。
たぶん、救急車が出払っていて、応援で駆けつけたのだろう。

パトカーが数台、到着した。
そして、車線を封鎖し、事故検分を始めた。

私の初見の状況を報告していると、顔見知りのハコ長が近づいてくる。
救急、警察の仕事を見ながら、ちょいと世間話。

先日の爆弾騒ぎの愚痴を聞く羽目になってしまった。
24時間一週間貼り付けだったらしい。
ご苦労様である。

「今回は、えらい賑やかになったね。」と、問うと。

倒れた女性の位置が横断歩道だったので、『ひき逃げ』の疑いがあるとのこと。
「歩道上だったら、これほどしないよ。」と、傍に居た課長が教えてくれた。

携帯電話のカメラで撮影していると、他の警察官が、「初動の画像があるか?」と尋ねてきた。

「そんなもん、救護で両手がふさがっているのに、撮影できるわけないでしょ」
「それに、目の前で倒れている人をほっておいて、撮影していたら報道と違うから、しあとで近所から恨まれるよ」

警察官は、「そうか~、残念」

(そういうもんかい・・・。)

横に居たハコ長が苦笑いしていた。

救急車が過ぎ去り、警察の仕事が一段落すると、報告が入った。

病院にて、女性が意識を取り戻したとのこと。
原因は「貧血」だったとのこと。

倒れた状況が不明で、女性の状態で気になった部分があり、皆がアレヤコレヤと推理していたが、これで、一安心。

私も急いで、出かけなくては・・・。



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