オシゴト兼ねて、WPC EXPO(旧、ワールドPCエキスポ)に行ってきました。
COMDEXやCOMPUTEXと並ぶ(並ぶんか・・・?)パソコン関連の見本市です。
昔は幕張メッセを大々的に貸し切ったり、ビックサイトを全て借り切ってやっていたのですが、若干規模も小さくなって、ビックサイトの東ホールだけくらい。就職関連のイベントと規模が変わらなくなってきましたね。
昔はすごい活気で、パソコン関連メーカー、自作も活況だったのですが、土曜日に行ったのに、正月に開催される就職説明会のごとく、人が少ない・・・ブースもいまいち・・・物販も、何かなぁ。
で、今回の所感。滞在、普段は半日がかりなんですが、今回はなんと、1時間半ほど。はやっ・・・なので、ほとんど興味有るものをさくっと見て、資料を貰ってくるだけという状態でした。なので、間違っているかもしれないけど・・・
会場で目立っていたのは、メーカー製パソコン。特に、テレビパソコンという流れを作る一員である会社の一員だった私として(まどろっこしい・・・)感慨深かったのは、家電AVメーカーが始め、メーカー製PCが恐る恐る上位機種に投入し、周辺機器メーカーがローエンドの増設用に伸ばし(この仕事でした。店頭デモでも、これが殺し文句だったし。「パソコン買うときにケチったけれど、パソコンでテレビも見たい、そんなあなたの選択は正解です。はい、これ、安いパソコンもテレビパソコンに早変わり、○○の○○○○5E!」)、自作マニアが煽った、テレビパソコンは、一周して家電メーカーのものになりつつあるんですよね。
結局、ハイビジョンとなれば、汎用システムでは無い専門性が必要になってくるし、デジタル放送を撮影から放送、受像まで一貫している、若しくは、受像に関してテレビというアドバンテージの有る総合電機の強みが出てくるんですよ。で、インタフェースとしての画面も、解像度が高まるハイビジョンテレビであれば、用が足りると。昔は、普通のテレビでは足りなかったんですけどね。
これも、実は、周辺機器メーカーの考え方。
むかーし昔のPC98の頃には、テレビの映るPCディスプレーが有ったんですね。これは、当然で、当時のPCの解像度は640×400。映すものも、文字ベースで解像度は要らなかったんですね。(逆に要るとなると、専用モデルで高かったんだ、これが。解像度が高い=レゾリューションが高い=ハイ・レゾリューション=ハイレゾなんて言ってましたな。H98シリーズなんてね。)
で、テレビとの親和性が高かった時代は、ちょうどWindowsに入るか入らないかくらいのころに変わりました。DOSはVGA、Win起動時には原発が切り替わって、「カッチューン」て音ともに、ハイレゾモードに変わるんですね。このころ、ようやくディスプレーは15から17へ。え?液晶?違います。ブラウン管。CRTです。
この段階に来て、解像度は1024×768。今や、ノートPCでもバカにされる解像度ですが、ながらくこの時期からこの解像度が続くんですね。まぁ、人間工学的にも合っている解像度だと思うんですが。(人間の目ってのは、ある一定度合いの距離を離さないと焦点を合わすのに時間がかかり、目の筋肉に異常が出るし、離すと視点を正確に合わせないとならなくなる(視線の正確性が必要になる)わけです。で、人間の情報処理能力ってのも決まっているので適正解像度ってのが出てくるわけです。テレビでは、漠然とした視線で絵を眺めるようなものなので意識しないのですが、パソコンでは文章を読むのに似た作業になるので意識してしまうわけです。)
そう、その後、プログラマー・SEさんのような方はUXGAに、SXGAが標準となるなど、解像度は上がっていった訳ですよね。ただ、テレビは変わらなかったわけです。で、アンバランスが発生したと。90年代前半もハイビジョンテレビは有りましたが、NHKの1ch、限られたコンテンツ、アホのような値段で、買う人は限られていたのです。(祖母の野球熱に乗じて当時ワイドビジョンテレビとMUSEコンバータを買わせたのは私ですが・・・)
で、解像度が高いPCの画像を解像度の低いテレビに映せばボケボケで見られたものではないと。解像度を下げればPC98なみに作業効率が低い・・・でも、プレゼン用途などで周辺機器メーカーはこーつこつ、「ダウンスキャンコンバータ」(スキャン=走査を減らすって覚えると楽ね。スキャンを下げる=走査を下げる=(走査=走査周波数=解像度)を下げる=周波数を下げる。ただ、これは全くもって正確ではないです。多分、その筋の技術者さんなら卒倒かと)という名前で売ってきてたわけですよ。
それが、数年前、ハイビジョンテレビが段々と安くなってきて、D端子が搭載されてきたと。テレビが解像度を上げることで、パソコンの世界に歩み寄ったんですね。
それでも、まだパソコンの画面は17くらいが良いところ、値段の高い大画面ハイビジョンテレビと組み合わせる考えなんて無かったわけです。
一部のマニヤな方々は、これに対応すべく、D端子に出力出来るビデオカードや、「スキャンコンバータ(もはや「ダウン」ではない。戦後でなくて。(笑))」を使って、パソコンの画面を綺麗なままに大画面テレビで楽しむって事をするようになったんです。最初のウチはこの製品、ビジネスソフトの画像を映したい法人にうけるかなぁだったんですが・・・
この、パソコンの画像を綺麗なままに大画面・高輝度・高彩色のテレビで出す時代が始まったのは、そう、業界の片隅に身を置いた、いまから4年ほど前の話です。
こんな製品でした私も、その後、自宅のテレビが壊れて、D4対応のテレビ(今回、同期のS君にあげたやつ)を導入、このシステムを構成したわけです。
で、その後、液晶業界が、日本→韓国→台湾とシフトする流れ。一番数の出たPC用これが、デスクトップの画面とも使われることで、出荷量が増え、価格が陳腐化し、日本のメーカーは(2~3年前には私も「H立の液晶パネルはイイ!」とか言ってましたが・・・)小さい方向(携帯電話用)か大画面(テレビ用。薄膜ガラスや、トランジスタの品質管理から、かなり難しい)へ移行し、価格・価値を維持したわけですよ。大画面のほうは、プラズマの低価格化と競い、価格が下がってしまったと。
液晶大画面・ハイビジョンテレビの値段が下がり、景気も回復した去年くらいからでしょうか、もともとハイクラス志向の日本人に不治痛や早川電機さんなんかが出したのが、ハイビジョンテレビとパソコンのセット品。で、デジタル放送が綺麗なまま録画されて、あんなア○メや、こんなアニ○がなんとかMXとかで流通される事態をコピーワンスという制御機能が律するに至り、パソコンがハイビジョンテレビ・録画機能を有するようになったわけですよ。
これは、色々波及したり、影響されたりしていると思いますよ。当然、そんなパソコンだとか、パソコンの複数ch録画機が録画を出来るのも、HDDの値段がこなれ、容量が上がったおかげですが、これは、DVDレコーダが爆発的に売れて、HDDメーカーが儲かり、さらなる容量の増加に投資をしているせい。大量生産で一年前からするとアホのような値段で、HDDが売られています。
これも、書き込みDVDをアホみたいな値段で買っていたパソマニアの苦労が有ってこそ。4万も出して、今と互換性のあまりないDVD-RAM(2.6GBタイプ)を買いましたよ・・・DVD-Rが出てきたのはその後。このDVD-RAMも思えば、業務用でバックアップに使っていたMO(光磁気ディスク)の大体が必要だったから走り始めたんですよね。光磁気ディスクなんて、今時のエンジニア分かる人少ないかもですが、昔から有りました。私がPCを使い始めた1990年頃もNECから出てましたから。
そんな事を考えると、この業界はつくづく因果だと・・・