今日の本紹介

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本紹介44「アルジャーノンに花束を」

2021-01-14 09:51:00 | 日記

32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。これにとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に検査を受ける。やがて手術によりチャーリイの知能は向上していく…天才に変貌した青年が愛や憎しみ、喜びや孤独を通して知る人の心の真実とは?全世界が涙した不朽の名作。著者追悼の訳者あとがきを付した新版。 


世界中が涙した不朽の名作。60年前に発表された小説が現在も語り継がれているのは、この一冊に大切な何かが全て詰まっているからだろう。


何が人を幸福たらしめるのか。人と人との断絶はなぜ起こるのか。誠の愛とは何か。


幸福や愛とは何かを軸に、人々の持つ差別意識や選民思想の哀しさを極限まで追求した哲学ストーリー。


この小説はドラマ化もされている。映像からでもいいので是非触れてほしい。あなたの中できっと何かが変わるはずである。


   『アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)』の感想

「ついしん。どーかついでがあったらうらのにわにアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやてください」

作者はこの台詞について、この一言に全てを集約させている。
「他人に対して思いやりをもつ能力がなければ、そんな知能など空しいものです」

この一冊に人間として大切なことが全て詰まっている。



#ブクログ




本紹介43「蛍」

2021-01-12 14:27:00 | 日記
オカルトスポット探険サークルの学生六人は京都山間部の黒いレンガ屋敷ファイアフライ館に肝試しに来た。ここは十年前、作曲家の加賀螢司が演奏家六人を殺した場所だ。そして半年前、一人の女子メンバーが未逮捕の殺人鬼ジョージに惨殺されている。そんな中での四日間の合宿。ふざけ合う仲間たち。嵐の山荘での第一の殺人は、すぐに起こった。

王道ミステリー小説。二つの謎や過去が交わり悲劇を生み出す閉鎖された屋敷。終盤から明かされる大どんでん返しに騙されない者はきっといない。
一人一人のキャラクターのバックボーンを想像しながら読むとより面白味が増すだろう。
『螢 (幻冬舎文庫)』の感想

会話のくだりがフィクション的すぎるところが気になったが、次々起こる出来事に戸惑いっぱなしで面白かった。ミスリードがこの上なく鮮やかだった。

#ブクログ




本紹介42「サイレンス」

2021-01-11 22:34:00 | 日記
深雪は婚約者の俊亜貴を連れ故郷の雪之島を訪れる。結婚をしてありふれた幸せを手にいれるはずだった。ところが祝宴の席で深雪は思いもよらないことを島民たちから知らされ、状況は一変する。やがて俊亜貴は行方不明に…。この島、何かがおかしい―。人間の奥底にある執着心と狂気を描いた傑作サスペンス。

秋吉理香子の書いたヒューマンホラーサスペンス。
感想にも書いたことだけど、人間の持つ狂気ほど恐ろしいものはないのだと思った。
また、地方特有の雰囲気を忠実に描いていたため、他人事ではない身近な問題として読めたことが面白かった。

追伸 最後のシーンは誰もがゾッとするでしょう。

ゆーすけさんのアーカイブ




本紹介41「また君と出会う未来のために」

2021-01-09 17:11:00 | 日記

仙台の大学に通う青年・支倉爽太は、人には秘密にしている過去があった。 
失意の底にいた小学校三年生の頃、幽霊が出ると噂のある海で溺れたことをきっかけに、遠い未来――2070年――へと時間を超えたことがあったのだ。 
そして現代に戻れたあとも、未来で出会った年上の女性を忘れられずにいた。再会する方法など分かるはずもなく、気持ちを押し殺して大学とアルバイトに明け暮れていた爽太。 
しかし、大学の室内楽サークルに入っている友人達の揉め事に関わる中で親しくなった八宮和希という青年に「おれは、過去から来た人に会ったことがある」と告げられて…? 

大好評を博した『どこよりも遠い場所にいる君へ』に続く、様々な「出会い」の物語! 


以前紹介した「どこよりも遠い場所にいる君へ」と同じ世界線を共有する作品。時系列的には本作は数年後の世界である。

ブクログの感想にも書いたことだけど、人と人は見えない何かで繋がっている。空間や時間を超えて。それは以前からなんとなく思っていたことだった。

本作は自分にとってそれが証明された小説だった。世界は素晴らしいと思わせてくれる小説です。


   『また君と出会う未来のために (集英社オレンジ文庫)』の感想

運命とは常に無情。しかしそれをこじ開けていく者は常に有情。人はどこかで繋がっている。空間を超え、目には見えない線で繋がっている。それが形を成した時奇跡は必然的に起こりうる。そんな哲学を感じてしまった。

#ブクログ




本紹介40「果つる底なき」

2021-01-08 17:41:00 | 日記
半沢直樹で有名、池井戸潤さん著であり、江戸川乱歩賞を取った不朽の名作!
謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。死因はアレルギー性ショック。彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった……。坂本のため、曜子のため、そして何かを失いかけている自分のため、伊木はただ1人、銀行の暗闇に立ち向かう!

この話も池井戸潤さん特有の企業系であり、多くのビジネスマンが登場するが、皆欲望の塊である。その中でいかに潔く生きられるか、社会とは俗に言われる「戦場」だと改めて思った。是非読んで見てください。
『果つる底なき (講談社文庫)』 池井戸潤 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4062731797