32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。これにとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に検査を受ける。やがて手術によりチャーリイの知能は向上していく…天才に変貌した青年が愛や憎しみ、喜びや孤独を通して知る人の心の真実とは?全世界が涙した不朽の名作。著者追悼の訳者あとがきを付した新版。
世界中が涙した不朽の名作。60年前に発表された小説が現在も語り継がれているのは、この一冊に大切な何かが全て詰まっているからだろう。
何が人を幸福たらしめるのか。人と人との断絶はなぜ起こるのか。誠の愛とは何か。
幸福や愛とは何かを軸に、人々の持つ差別意識や選民思想の哀しさを極限まで追求した哲学ストーリー。
この小説はドラマ化もされている。映像からでもいいので是非触れてほしい。あなたの中できっと何かが変わるはずである。
『アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)』の感想
「ついしん。どーかついでがあったらうらのにわにアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやてください」
作者はこの台詞について、この一言に全てを集約させている。
「他人に対して思いやりをもつ能力がなければ、そんな知能など空しいものです」
この一冊に人間として大切なことが全て詰まっている。
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