瞬間。万象が急に静止し、底の知れない沈黙が横たわった。何事かわからなかった。だが次の瞬間には、何人にも想像されない、世にも奇怪な、恐ろしい異変事が現象した。見れば町の街路に充満して、猫の大集団がうようよと歩いているのだ。猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫。どこを見ても猫ばかりだ。そして家々の窓口からは、髭の生えた猫の顔が、額縁の中の絵のようにして、大きく浮き出して現れていた。
戦慄から、私は殆ど息が止まり、正に昏倒するところであった。これは人間の住む世界でなくて、猫ばかり住んでる町ではないのか。一体どうしたと言うのだろう。こんな現象が信じられるものか。たしかに今、私の頭脳はどうかしている。自分は幻影を見ているのだ。さもなければ狂気したのだ。私自身の宇宙が、意識のバランスを失って崩壊したのだ。
――萩原朔太郎「猫町」より
最近なんとなく読んだ萩原朔太郎の「猫町」。
“動物のお医者さん”の猫をぬぐう回のもとになっているのってこの小説よね。（読んだ人にしかわからない話でスミマセン
）最近激しくモフモフ欠乏症
こんなまちにわたしは住みたい。このまちは触れない猫ばかり
 | 猫町 萩原朔太郎＋心象（いめーぢ）写真 (image travel series 1) |
| 萩原 朔太郎,心象写真制作スタッフ | |
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pさん、自分がなんかモフモフになるって言う手もありますよ。なんかモフモフのもの着るとか～
自分がモフモフか～。
それはいいかも、あったかそうだし（笑）