この条例は、市が行う契約において労働者の適正な労働環境及び公共事業の品質を確保し、市民サービスの向上及び地域経済の活性化を図ることを目的とする「公契約条例」の制定について調査検討を行うための検討委員会を設置しようとするものです。
平成21年に野田市で条例制定されたことを皮切りに、各地で同様の条例が制定されることとなり、今年7月1日時点で、全国88自治体で公契約条例が制定されています。政令市では川崎市、相模原市、京都市が制定しており、熊本市が他の政令市等の条例制定後の状況を調べた結果、労働者の賃金上昇に効果があったとして、事業者や労働者の団体などで構成する検討委員会を設け、令和8年度の条例施行をめざしているとのことです。
条例制定の必要性は、令和4年度の契約件数59,099件で、このうち中小企業との契約件数が52,006件で約88%。従業員300人未満の中小企業の平均の賃上げ率は4.66%と全体の平均を下回っており、大企業と中小企業との間で賃上げの状況に格差が出ています。物価高騰の影響を強く受ける中で、中小企業では人件費などの価格転嫁が進んでいないことを考えると、市が発注する多くの事業において下請け事業者、中小企業における適正な労働条件の確保と賃金の上昇に向けて、行政側が積極的に取り組むことが求められます。
千葉市においても、指定管理事業者が入札競争で人件費を抑えることにより事業を受注している可能性は排除できず、現に労働者からは人材不足やサービス低下の相談を日本共産党市議団は受けています。労働者の適正な労働環境を守ることは、市民サービス向上、地域経済活性化にも確実につながっていく施策です。
かばさわ市議は最後に、「先進主要国で唯一賃金水準が上がらない国は日本だけ。失われた30年を断ち切るためには、物価高騰に負けない労働者への適正な賃金の支払いが必要不可欠であり、まずは千葉市公契約条例の制定に向けて検討委員会を立ち上げようではありませんか」と、先輩・同僚議員に賛同を呼びかけました。
この条例提案(発議)は、9月10日(火)の総務委員会で審議されます。