朝にアイシャの小学校に行く予定でしたが、
まだ自分の中で答えが見つかっていなかった。
これ以上足を踏み入れるべきか、引くべきか。
とりあえず校長に今朝はいけないことを伝え、
ペーパーワークをしていた。
そしてまたUPAメンバーとアイシャの話をしていると、
彼も
「この国は嘘をつくのは当たり前でそれはもう文化なんだよ。
だからいいことをしてもだまされる、まさに
恩を仇で返すような国だよ。僕も嫌な経験をたくさんした。
その文化を覆すのは不可能だし、
彼女をカウンセリングする必要があるんじゃなくて、
それは君自信の願いじゃない?」
と厳しくコメントされる。
そしてクロも昨日私が母子手帳を確認したことに対して
君の役割はなんだと思ってるんだ?
その行動はすごい間違っているよと
厳しく言われた。
これ以上君が足を踏み入れたところで何ができる?
彼女を変えることは不可能だよ。
と言われ、私は黙るしかできなかった。
分かったと言って部屋に入り
涙が流れた。
彼らの言うことも分かるけど、
なんとなく私は諦めがつかなかった。
アイシャはまだ12歳。
校長もアイシャが彼女の将来を無駄にしないように
私たちがしっかりとしたケアーをしようという彼の熱意
も侮辱されたようですごく悔しくなった。
そして嘘がどんなにこの国の発展を遅らせているかを
改めて感じ、このままでは何も変わらないと感じた。
私はどうしたらいいか分からなくなって
私のことを良く知っている日本の友達に
電話をして相談にのって貰った。
私の気持ちを理解してくれたので
少し気持が楽になった。
そして同時に私はマザーテレサでない現実も
受け止めなくてはいけない。
今の私には全ての助けを受け入れるキャパはない。
長い目でみてBetterな答えを出していかなくては
いけないことを学びました。
気持が楽になったところで
校長から電話があった。
近くまで来ているから少し話そうと。
心配してくれていたみたいですね。
今日の他のボランティアスタッフからの
厳しいコメントの話をし、正直悩んでいていたことを話すと
校長は、
「彼らはアイシャのこの問題の一面も見ていないんだよ。
私はこの国で生まれ育ち、4校もの学校を建て、
生徒たちを見てきた。そして君は私と一緒に活動をして
たくさんの問題を一緒に見てきたはずだよ。
彼らよりも私たちの方がこの問題に関して
いい対処を出来ると思わないかい?」と自信を持って
言った校長。
そして母子手帳を見せて欲しいと言った事は
私は間違っていたかと聞くと
「君ははあの時真実を知る権利があった。
ここまでアイシャが君を騙そうとしたわけだから、
君の目で本当のことを確かめる必要があったはずだ」
と言ってくれた。
「この国は偽りだらけで政府はもっとひどい嘘をついているから
この国は発展していかないんだよ。
自国の政府は私の学校に1000シリング(50円)
も寄付しないけど、日本から来たあなたはこんなにムヨンジョを考え
寄付までしてくれる、それがこの国の現状だよ。
けれど私は本当のことしか言わないし、
真実と向き合う大切さを知っている。
アイシャにもそれを気付いて欲しい。
時間はもちろんかかるけど、少しずつこの国を
変えていきたいんだ。それには真実を伝え合うことが
必要なんだ。」
と、またもや感心というか感動するような言葉ばかり。
彼もたくさん騙されてきたという。
でもそこから目をそらしていたら何も進まないという校長。
一旦アイシャの問題から身を引こうと思ったけれど
校長と話をしてもう少し様子を見ることにしました。
彼の熱意も応援したい。
今回の件は私にとってとても重いできごとだけど
いい面でも悪い面でもこの国の人たちの
理解が深まってきている証拠だと
思います。
そしてこういった経験をできることに感謝をしたいと思います。