13月32日25時(ブログ版)

私の記憶チップと君の記憶チップを、交換しないか…?

ロジャー・ウィリアムズ(Roger Williams)

2006-01-03 13:28:33 | Cthulhu
Donovan K. Loucks氏が作成した "Lovecraft's College Hill" は、ロジャー・ウィリアムズ・ナショナル・メモリアル・パーク(Roger Williams National Memorial Park)から始まる。ロジャー・ウィリアムズは、プロヴィデンスの創設者(founder)である。

短編集『黄衣の王(The King in Yellow)』の作者ロバート・ウィリアム・チェンバース(Robert William Chambers)は、このロジャー・ウィリアムズの直系の子孫とのこと。

ロジャー・ウィリアムズについては、奇妙な話がある。ロジャー・ウィリアムズの埋葬された場所のそばにあったリンゴの木が彼の遺体を養分として吸収していた、というのである。しかも、そのリンゴの木の根は彼の遺体に沿うようにて成長し人間の形をしていたらしい。ラヴクラフトがこの話を知っていたかどうかはわからないが、ラヴクラフトの小説の舞台となったプロヴィデンスにふさわしい奇妙な話である。

私がこのリンゴの木の話を知ったのは、今回のプロヴィデンス訪問のあとのことである。事前に知っていたならば、そのリンゴの木の根が保存されているというロードアイランド歴史協会へ足を向けたことだろう。まことに残念である。


<参考>
井上篤夫の眼 - ロジャー・ウイリアムズを食べた木
The Resurrection From The Dead(死者の中からの復活 by デイヴィッド・カーティス)
長文なので、該当箇所のみを読みたい場合は、ブラウザの検索機能を使って"ロジャー・ウィリアムス"で検索してみて下さい


<後日のためのキー・ワード>
M・C・テニーの『復活の事実』


ヘンリー・L・P・ベックウィズ(Henry L.P. Beckwith)

2005-12-21 13:31:19 | Cthulhu
Donovan K. Loucks氏が作成した "Lovecraft's College Hill" を見るとつぎのような記述がある。

In Lovecraft's Providence & Adjacent Parts, Henry L.P. Beckwith comments that this building was Lovecraft's basis for the home of Dr. Elihu Whipple in “The Shunned House” although the Benjamin Cushing house (see number 9) is a much more likely candidate.

たしかに外観からすれば the Benjamin Cushing house のほうがウィップル医師の家だと思えるのだが、これ以上のことは"Lovecraft's Providence & Adjacent Parts"を読んでみないとわからないだろう。

"Lovecraft's Providence & Adjacent Parts"は、古本で手に入りそうだ。

Title: Lovecraft's Providence and Adjacent Parts
Author: Henry L.P. Beckwith
Publisher: Donald M. Grant Publisher, Inc.
Edition Description: 2nd edition
Format: Hardcover, 94 pages
Publication Date: June, 1986
ISBN: 0937986844

"Lovecraft's Providence & Adjacent Parts"の初版は1979年発行で、限定1,000部、89ページである。


<参考>
"Lovecraft's Providence & Adjacent Parts"を原作にした、ドキュメンタリー映像もある。
Favorite Haunts A Journey Thro' H.P. Lovecraft's Providence


ラヴクラフトと彼の伯母・叔母(Lovecraft and his aunts)

2005-12-19 21:20:51 | Cthulhu
Donovan K. Loucks氏が作成した "Lovecraft's College Hill" を見ると、Providence Art Club, 10 and 11 Thomas Street の項に "Lovecraft and his aunts attended art shows here." と記載されている。

この aunts が、伯母達なのか叔母達なのか、はたまた伯母と叔母なのかがわからなかった。

H.P. Lovecraft - Wikipedia, the free encyclopedia によれば、
Lovecraft was thereafter raised by his mother, two aunts (Lillian Delora Phillips and Annie Emeline Phillips), and his grandfather, Whipple Van Buren Phillips, with whom they lived until his death.
とある。

また、ラヴクラフトの家系図(HPLA - H.P. Lovecraft's Family)によると、ラヴクラフトの母方の祖父 Whipple Van Buren Phillips (1833-1904) には、5人の子供がいた。

長女 Lillian Delora Phillips (1856-1932), Franklin Chase Clark (1847-1915)と結婚
次女 Sarah Susan Phillips (1857-1921), Winfield Scott Lovecraft (1853-1898)と結婚
三女 Emeline E. Phillips (1859-1865)
長男 Edwin Everett Phillips (1864-1918), Martha Helen Mathews (1868-1916)と結婚
四女 Annie Emeline Phillips (1866-1941), Edward F. Gantwell (1869-1936)と結婚

つまり、リリアン・デローラ・フィリップス(クラーク)はラヴクラフトの伯母、アニー・エムリン・フィリップス(ガントウェル)は彼の叔母ということになる。


コロニイ・ハウス(Colony House)

2005-12-15 10:00:26 | Cthulhu
Donovan K. Loucks氏が作成した "Lovecraft's College Hill" を見ると、The Old State House, 150 Benefit Street の項に(CDW)と記載されている。つまり The Old State House(旧州議事堂)が "The Case of Charles Dexter Ward"(「チャールズ・デクスター・ウォード事件」「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」)に関係がある、ということである。

しかし、青心社版の「チャールズ・デクスター・ウォード事件」を読んでみたものの、その関係がどのようなものかがわからなかった(見落しているのかもしれないが)。

インターネット上で情報をあさってみたところ、ベネフィット・ストリート 150番地のジョージ王朝様式の煉瓦造りの建物が The Old State House と呼ばれるようになったのは、現在の The State House(州議事堂)が完成した1901年からであることがわかった。1901年より昔は、The Providence Colony House(プロビデンス・コロニイ・ハウス)、次に The Providence Court House(プロヴィデンス郡庁舎)そして The State House と呼ばれていたのである。

ラヴクラフトは、「チャールズ・デクスター・ウォード事件」のなかでこのコロニイ・ハウスの完成を1761年としている。が、史実では1762年である。


<参考>
The Banner Trail - A Walking Tour Around Providence, Rhode Island

RIHP&HC: Old State House
木造のコロニイ・ハウスが火災にあったため新しい煉瓦造りのコロニイ・ハウスを建てたことが、記されている。


忌まれた家(The Shunned House)

2005-12-13 17:33:28 | Cthulhu
『クトゥルー神話大全』(*1)の資料アルバム(*2)の写真⑥の説明には、「不遇のうちに若くして亡くなったラヴクラフトが、晩年に住んでいた家。」とある。

しかし「カレッジ・ヒル・ウォーキング・ツアー」の写真を整理していて気づいたのだが、写真⑥の家はラヴクラフトが住んでいた家ではなく、「忌まれた家」のモデルとなった Stephen Harris House, 135 Benefit Street である。



(*1)
書名:ムー特別編集 GAKKEN MOOK 暗黒の邪神世界 『クトゥルー神話大全』
著者:協力/東雅夫、大瀧啓裕、那智史郎ほか
出版社:学習研究社
出版:1990年8月1日第1刷発行


(*2)
pp. 16-18
資料アルバム
H.P.ラヴクラフトの時間と空間
『クトゥルー神話』発祥の地を訪ねて
写真協力/菊地秀行


カテゴリ Cthulhu

2005-12-13 17:27:38 | Cthulhu
このカテゴリ(Cthulhu)では、13月32日25時(ジオシティーズ版)関連の覚え書きを扱います。


ジョン・マネー博士はマッド・サイエンティストである

2005-10-04 10:27:31 | Weblog
書名;『ブレンダと呼ばれた少年』ジョンズ・ホプキンス病院で何が起きたのか
著者:ジョン・コラピント(John Colapinto)
訳者:村井智之

出版社:無名舎
出版:2000/10
ISBN:4895859371

出版社:扶桑社
出版:2005/05/24
ISBN:4594049583


マッド・サイエンティストによる人体実験(*1)

女性解放思想に取り憑かれた吉外科学者による恐怖の人体実験(*1)

ジョン・マネー博士は、異常な思想と性癖を持つマッド・サイエンティストである(*2)



(*1)ジェンダーフリー論者の錦の御旗「後天説万能論」に近代という時代の暗部を見た
著者:呉智英
『SAPIO』2005年3月25日発行 第17巻第3号通巻361号 掲載

(*2)■嘘つきはジェンダーフリーのはじまり~『ブレンダと呼ばれた少年』を読む


blogってどうよ?

2005-08-23 18:01:10 | Weblog
今のところは、もっぱら深夜の受話器や同好会のサークルノートにたたきつけられている、青春の情熱や個人的な愚痴や妄想や表現欲求が、大量に出版され、あるいは通信回線を通じて不特定多数の読者に向かってバラまかれるのだとしたら、これは相当に鬱陶しいことになるに違いない。(*1)

小田嶋さん、いまのブログってどうですか?


(*1)『我が心はICにあらず』の「回線上のはあはあ電話」から。
書名:テクニカル・エッセイ『我が心はICにあらず』
著者:小田嶋隆
出版社:光文社
備考:光文社文庫 1989年8月20日 初版1刷発行

はじめに、そして、役に立たないことを考える時間について

2005-08-22 15:25:49 | Weblog
大人になると役に立たないことを考える時間も能力もなくなってくる。(*1)

わたしも、そう思います。


(*1) コミック教養講座(朝日新聞2005年07月24日掲載)評者:南信長

書評の対象は、
書名:サナギさん 1
著者:施川ユウキ
出版社:秋田書店
です。