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舌がだらんと出ている以外は寝顔のまま。
ひょっとしたら目を開けるかも…と思ったがダメだった。
頭と体を撫ぜてやると、もう、冷たくて硬直が起こっていた。
庭に1メートル以上の深い穴を掘った。
頭や足を無理やり曲げるのもかわいそうで、横幅もゆったりめに掘った。
寝かせて、大好物の大きないりこ、ふかしたサツマイモ、パン、ドッグフードを添えた。
顔に白い布をかけて、土をかぶせる時には、もう涙ポロポロで…。
最後に「ナツ、ほれ、お散歩行くよ」と、土をある程度踏み固めた時には、もう…。
結局、母は最後、見に来なかった。
「危篤と聞いた先月に一度顔を見たから、もういい。昨夜、亡くなったと聞いて、夜中に眠れなかった。顔を見たら辛いだけだから。焼いてやらんでいいの? 思い出が残るだけやで…」と、電話で話していた。
あんな…一瞬にして煙が立ち上がって消えてしまうのは嫌だ。
焼かれた後の骨は一部はもらえるらしいが、残りは廃棄物で処理されるのも嫌だ。
大好きな庭に戻してやりたい。
自然の摂理でいずれは土となり、栄養分となって、また別の形で蘇る。
輪廻転生で、どこかでまたきっと会える。
ナツの亡骸の上に、あまり大きくならない木でも一本植えようかと思っている。