長谷川嘉一の仕事

美術家長谷川嘉一の作品を掲載

長谷川嘉一と仲間たち

2019-04-14 14:56:39 | 日記

会場の最初のコーナーに入ると、綺麗な色彩にこころが和む、色彩が絵画の重要な要素であることを再確認する。これらの作品に特別な構想やドローイング・下描きは存在せず、絵の具が作者のアクションにより白いキャンバスに踏み込んだときにその物語が始まると作者は言う。森の中に迷い込んでしまったり、大海を彷徨ったり、大空から街を見下ろしたりする。それらの物語は永遠に終わることがなく筆を止めた作者から私たちに引き継がれ、私たちがその物語の中を楽しむことが出来る。

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墨絵、墨の黒と紙の白との間に幅広いグレーで表現されている。鑑賞者はモノトーンの中に作者の意図を読み取り碧い苔生した墓石の横に座った坊主頭の少年を見つける。そして何処かで出会ったことのある人々を探す。

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このところゲツテン鈴木は銀座教文で行われる展示販売会のファツション創りに追われている。短期間に何十着ものファツションを創らなければならない、手を抜くことができない作者は自身の身を削り作品を仕上げる。その様なファツション創りに没頭する作者の心象風景をしてインスタレーションとして表現されたのではないか。

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のびやかな曲線で描かれたお洒落なモノクロの作品は、その曲線が微細で流麗であるが故に、切り絵とは気が付かない。コーナのシンボルとして歌舞伎の隈取の存在で「もしかして…」やっと切り絵と気が付く。

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屍に支えられて骸骨が日の丸をもって立つ、その背景に、原発による汚染。爆撃機が飛ぶ基地、抗議する人々の前に機動隊が立つ…。

絵画の役割は「自分の思いを人に伝える事…」 世界中に在る戦争による悲しみや理不尽な社会をストレートに描き上げる。

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嘉一ヘッダー

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