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自然居士の墓

2013-11-28 10:22:26 | 日記
「自然居士」(じねんこじ)で検索すると歌舞伎の世阿弥の名がヒットる。

「自然居士」とは鎌倉後期の禅宗系の修行僧で、全国を行脚する勧進聖のこと。この人たちを、後に世阿弥が歌舞伎の演目に仕立てた。

彼らは簓(ささら)を摺り合わせて音を出しながら歌い舞い、説教して回ったので地方によっては簓太郎などとも呼ばれて、言い伝えが各地に残っている。

中世芸能にとっての始祖的存在やということらしい。いわゆる「旅芸人」の古い形かもしれない。
そこには布教という目的があった。

だから地方によっては、社会福祉に貢献した功労者として語り継がれている。



171号線緑ヶ丘交差点の近くのあぜみちの辺りに「自然居士の墓」という墓碑が残っている。

墓が残っている、ということは、昔伊丹を訪れた自然居士は相当地域に貢献して、住民に尊敬されたんやろう。

その昔、法隆寺と同じ様式の大寺院「伊丹廃寺」が建立された折には、近郊から渡来人技術者が大挙連れて来られた。

その渡来人の末裔が定着していた歴史的背景から、

迫害、疫病、飢餓などに苦しむ渡来人からは救世主のように見えた事やろうと、想像がつく。



地域住民からは尊敬を集め自らも旅に倒れた自然居士を、後生に語り継ぐことで人々は報いた。

正確には「伊丹にも」あった。
というのも、全国各地に伝説とともに散在するからや。


一人ではない、多くの自然居士たちが人々を救って回ったのかも知れんな。

/ 橋本 吉亨

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