喜怒哀楽 書く・撮る・描く

これまでの(76歳)、これからの今の想いを綴る

みくじ石

2022-01-14 13:21:21 | 日記

思い出

仲良し3人はいつもいっしょ

がっしりしたやっさん

ほっそり体重の軽い かるお

小柄なおもしろい とっしゃん

 

神社の境内でほかの子供たちと かくれんぼに

戦争ごっこ 鬼ごっこ と毎日遊んでいます

 

ある日 さあ もう帰ろうとなったとき

かるおが 靴が無い といいだした

探したけれど見当たりません

誰かが隠した とか 盗んだのでは と言い出す始末

 

そこで 又誰かが 大人たちのまねをして

みくじ石にお伺いをしようといった

みくじ石は本殿の裏側の暗い木の陰のほこらにあります

 

さっそく やっさんが1番に 俺は盗んでいませんといいながら

みくじ石を持ち上げます 力持ちのやっさんにしても 少ししか

持ち上げられません まあでもセーフです

かるおが 次は自分がするといったのですが

本人の靴の事だからだめ ということで とっしゃんに順番が

まわります 俺も盗んでいません と大きな声で言いながら持上げます

が びくともしない

 

おれはなにもしらん とべそをかきながらとっしゃんは

走って帰った

みんなも気まずくなって かえってしまった

 

さて

次の日も学校から帰ってきて 

みんな何事もなかったように遊んでいます

かるおは ちゃんと靴をはいています

おそらくあの後 母親が神社にきて探したのだろうという事です

 

そんな話を やっさん こと主人がなつかしそうに言います

去年の暮の29日 かるおの息子さんから3日前に父親が亡くなって

コロナの時節柄 家族だけで見送ったと電話があったのです

とっしゃんの奥様からの年賀状には 去年の暮に13回忌を済ませた

との追伸が書き記されていました

 

哀しいことなのに 面白そうにやがて80年昔の事を話すやっさんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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