超合理的に誕生し、そして他者との共通性によって増えすぎることなく、穏やかに常用が選ばれたカタカナたち。
いやーカタカナは優等生ですね。硯コレクターの恵美です(o`・∀・´)ノ
今回は、最初に私がした質問に戻ってみましょう。
あなたは、カタカナを正しく書くことができますか?
私はこの質問について「正しく書くことができる人は存在しない」と言いました。
むむむ?(ФωФ)
それってどういうことでしょう?
不思議ですよねー。
字って全て「正しい字」っていう
決まりがありそうじゃないですか。
そもそも小学校のドリルとかでカタカナ練習しますよね。あれってじゃあなんだったの?正しくないものを書かされてたの?って感じですよね。
その気持ち、めっちゃわかります。
でもねえねえ聞いてほしい。
ひらがなの成り立ちともう一度比べてみましょう。
ひらがなは、漢字を草書(超省略されたウネウネした字)にしたあと、さらにそれを簡略化したもの、という成り立ちでした。
この草書。
もちろんのことですが、好き放題速く書きゃいいってもんじゃないのです。一定のルールのもとで省略されているのです。
本当にルールに従えているのか、と言うとそうでもない点も多いですが、そんなことを説明しだしたら読んでるみなさまが泡を吹いてしまうと思うので、とりあえずそういうこととして進めていきましょう。
ではカタカナはというと。
漢字の一部を切り取っただけなのです。
ええもうそりゃ、清々しいほどに
スパーーーン(っ`Д´)っ・:∴と。
そうすると、どういうことが起こるかと言うと、
一文字として整って美しく見せる状態ではないのです。
中国語含め、日本語の手書き文字というのは、一文字一文字、その存在だけで整って美しく見せることを開発した言語です。
漢字は一文字だけで、整って美しく見えます。これは偶然ではありません。
全ては必然的に、長い歴史をかけて、「どう書けば整って美しく見えるのか」を研究し続けた、書家から書家へ受け継がれて現代まで通じるバトンの結果なのです。
それを切り取ったカタカナは……?
文字は、必然的に整って美しく書ける方法を「正しい」と呼びます。
カタカナに「正しい」が存在しない理由がつかめてきたでしょうか?
あくまでも漢字の一部という考えの時代が長かったため、
「まだ正しく書く方法が発見されていない」
と言った方が正しいかもしれません。
ところで余談ですが、ちょっと意地悪な話をします。
書道があまりよくわからないという方から、よくこんな質問をされます。
「素人でも、ちゃんとしている書道家かどうか、見分けられる方法はありますか?」
こんなときに使えるのがカタカナだよ!(o≧▽゜)o
「『正しいカタカナを教えてください』と言ってみてください。カタカナの存在認識で見分けられます」
と、めちゃくちゃ意地悪な方法を教えちゃいます。
しかしながら…これは有効な方法だなぁと思っていたのですが、ここ数年私がいろんなところで「正しいカタカナは存在しないよー」って言ってしまったものだから、一部この方法が使えなくなりはじめています。
己に首を絞められる結果に…!Σ( ̄□ ̄;)
さて、話は現代のカタカナに戻って、
「発見されてないってことは、いつか発見されるの?」
と思った方、多いと思います。
さて…
どうだろうねぇ…(´・ω・`)
私の見解としては、発見されないと思います。
なんせ機械化が進みすぎてしまいました。
手書きの機会は減り、文字のバトンを受け継げる人は少なくなるばかりです。
今後、正しいカタカナが発見される可能性は低いと思います。
つまりカタカナは
超ロマンスすぎる
文字なのです(*ノ▽ノ) (違う
え、待って待って!
じゃあ私たちが学んできた、学校のドリルとか、美文字の本に載ってるカタカナってなんなの!?
そんな声が聞こえてきますね(*‘ω‘ *)
あれは、
「正しいカタカナがなかったら、みんな覚えるのに困るじゃろ」σ(*´∀`*)
ということで、書家がとりあえず文字の理論に当てはめて整ったカタカナを書いたもの(教科書など)
もしくは
「正しいカタカナが存在する」( ゚∀゚)
と思っている人がそれらしく語ったもの(美文字本など)
のどちらかです(o≧▽゜)oオモシロイネ!
ちなみにカタカナは基本的に
正しい書き方が発見されていないため
誤読されなきゃいいんです。
ええもう、文字なんてそんなもんです。読めりゃいいんです。
アンパンマンって誤読されずに書けますか?ってだけなんです。
で、ここからが本題なんですけど(遅すぎる…)
じゃあカタカナって練習する意味ないじゃん、勉強する意味ないじゃんってなるじゃないですか。
そこに意味を見出だそうじゃないか!
と思ったわけです。ある日突然。
さんざん申し上げました。
カタカナは漢字の一部を書いている、と。
これを逆方向に考えてみると、
漢字を書くには、カタカナを組み合わせればいいのです。
字の指導をしていると、みんな漢字に苦戦しまくります。
漢字は種類も多く、何を目安に書けばいいのかわからないことが多いのです。
ところで、カタカナはとりあえず誤読されずに読めりゃいいと言いました。
ってことは、誤読されない、そして整った字を作る定義に当てはめた上で、漢字を正しく書くための予習としてカタカナを学ぶのはどうでしょうか?
ないかなーないかなー
そんな効率よくカタカナを使って
漢字が書けるようになっちゃうテキスト
ないかなー( ̄▽ ̄= ̄▽ ̄)
はい、
なかったので作っちゃいました。
その名も
カタカナで漢字を書くテキスト。
とりあえずいつもどおり
「あいうえお順」ではなく
「習得しやすい順」に並べかえます。
ぐっと効率よく学べるようになりました。
ではカタカナの間に漢字をはさんでいきましょう!
カタカナを数文字、習得したら
習得したカタカナを使って書ける漢字を練習します。
漢字が書けるようになったら、また新たにカタカナを習得し
そしてまた漢字を練習する……
まるで
漢字とカタカナの
サンドイッチやー
( ゚∀゚)!!
「カタカナで漢字を書くテキスト」の効果は上々で、漢字とカタカナを単体で教えていたときよりも、私の生徒さん達の上達スピードが爆上がりしています。嬉しい!
さてっ、次はどんな効率重視なものを作ろうかな。
ではまた!(o´▽`o)ノ