TaizanのWhite Mountain

北部白山管理人&中宮温泉くろゆり館主がお届けする白山情報満載!

台風20号の被害

2018-08-26 | 白山情報

健脚の持ち主、岩間正樹君は一日で中宮道~七倉辻~楽々新道を点検してくれた。彼からの情報によると

中宮道、シナノキ、ゴマ平避難小屋共に全く被害なし。ゴマの頭~三俣峠前後のオオシラビソ帯でやや倒木有り。応急処置済みである。

    

楽々新道は、小桜平避難小屋 異常なし 標高1687m~1776m付近のオオシラビソ帯で倒木無数(10本以上) 登山者は自力突破すべし。これも北部白山の醍醐味。小桜平から上部七倉辻まで(上部岩間道区間)は異常無し。先日の草刈のお蔭で快適に歩けたが、視界無し、非常に風雨が強く寒かった。この時期でも留まれば低体温症を招く恐れありという。今後は防寒装備も必要。

     

昨今北部に入り込む初心者を続けて見かけたが、下調べ不足と体力に見合わない行程を組んでいる。登山地図に掲載されている所要時間はメインルートと違い、かなり辛口で表示されている。健脚者でないとこの時間での歩行は困難。北部白山に立ち入るなら、それなりのトレーニングと情報収集、撤退は早期判断を。

今後も台風はいくつか来るだろうから、避難小屋退出時は清掃はもちろん、雨戸を閉めて頂くよう願う。使いさしのろうそく、ガスボンベ、水の入ったペットボトル。それらは全てゴミとなるので、持ち込んだ物は全て持ち帰るべし。北部に立ち入る登山者は、他人のゴミでも持ち帰る気概の有る者であることを願う。


岩間道上部

2018-08-23 | 白山情報

小桜平分岐から下の岩間道は現在通行止め。七倉辻から楽々新道経由で新岩間まで通行可。このコースは上部は清浄ヶ原の雄大な眺望を楽しめる。地獄谷の方には荒々しい火の御子峰、谷筋にはまだまだ雪渓が残る厳しい北部白山の様子がうかがえる。

    

樅ヶ丘あたりからゴマ平方面に目をやると2~3年前手取川が濁ると大騒ぎした原因となった崩落箇所が見える。

現在は濁りの原因となる粒子の細かい土は流れ落ちている。あの時この斜面を覆い尽くすまで、ひと夏掛かって凝固剤と言う名のコンクリートをヘリで投棄し続けたが、それも全部流れ落ちた。お蔭で手取川の濁りは一年長引いた。天に唾という愚行はまさにこの事である。人間の手で自然をコントロールしようなどと言うおごりは、必ずしっぺ返しを喰らう。火の御子を見れば分かるように北部は崩落の歴史が刻まれている。そのお蔭で千里浜が形成されたのだ。


楽々新道 小桜平

2018-08-17 | 白山情報

小桜平までの草刈を行った。6/17に外壁を塗装した。皆で作業したのでまだら模様になっているが、これで小屋も長持ちするのでありがたい。酷暑で干上がっていた水場にも湧水が復活していた。小桜から上部は来週作業の予定。

   


スウェーデン最高峰陥落か? 氷河融ける

2018-08-06 | 北欧情報

スウェーデン最高峰ケブネカイセ山に登頂したのは10年前の2008年8月。この頃からずっと心配されて来た事が間違いなく今年起きるだろう。氷河で覆われた山頂は温暖化と共に毎年融けてその標高が隣りの北峰より低くなるだろう。その事をAFP通信は伝えている。10年前の写真と、AFP記事の写真を比べても一目瞭然、山頂付近の氷河は僅かしか残っていない事が分かる。計測はストックホルム大学の現地タルファラリサーチステーションが毎年8月下旬にGPSを使って計測している。日本も酷暑に見舞われているが、ヨーロッパもそれを上回る熱波で、スウェーデン国内でも多数の森林火災が起きているという。地球の温暖化暴走のトリガーは落ちてしまったのか?

http://www.afpbb.com/articles/-/3184786?act=all


お花松原

2018-08-04 | 白山情報

今年の高山植物は猛暑の影響で10日ぐらい早まっている。お花松原でも現在が最盛期となっている。しかし異例の水不足で全面一挙に開花とは成らず、例年のような圧倒的な雰囲気にはなっていない。日の出前から空気がどんよりして、北アまで見通す事が出来ず、ご来光も遮られていた。今年の猛暑は高山植物にもダメージを与えている。名古屋では39℃だというが、室堂では13℃だった。十分涼しいと思うかも知れないが、ここで暮らす植物には日照りと渇水の影響は深刻だ。そう言えば今年はオコジョを見ない。動物たちもダメージを受けているのだろうか?

    

お花松原ではひと際ハクサンコザクラの群落が目を引いたが、残念なことに踏み跡がお花畑の真ん中まで続いていた。自分だけ綺麗な写真を撮りたいという心理は誰にでも有る。ハクサンコザクラを撮るためには足元のクロユリは踏み潰しても仕方ないという心理。人の心には鬼も仏も両方が宿っている。己の仏心を自覚し極める事、これ修行。草刈その物は修行の連続であるが、こうやって無残な姿を見て己の心を清める事もまた修行。山は修行の修羅場である。

場所を移して、室堂平の雪渓の周りにも浄土の世界が広がっていた。雪田の周りに咲き乱れる花と融けて流れる水は生命の源。夏の青空に吸い込まれていた。