唐突だが。
アルフォンソ・ジョンソン繋がりと言う事で。
チェスター・トンプソンというドラマーの知名度は
いかほどのものだろう?
(同姓同名のハモンド奏者もいるしなぁ・・・)
もし音楽通を気取りたいなら、是非とも知っておきたい、
凄腕ドラマーの一人だ。
ウェザー・リポートでのアルフォンソ・ジョンソンの相方で、
ジェネシスでのフィル・コリンズの影武者として有名。
コアな音楽&ドラムマニアには、フランク・ザッパのドラマー
としても知られている。
いや、今知られているチェスターへの高評価は、間違いなく
ザッパ&マザーズ在籍時が、原点のはずなのだ。
そんなチェスターのドラミングの凄さが分かる一枚。
『ロキシー&エルスウェア』フランク・ザッパ&マザーズ
1974年のライヴ盤。ザッパのアルバムは何十枚と出ているが、
数が多いくせに、駄作が無い事でも知られている。
こういう人(マイルス・デイヴィスもそうだよな・・)は、何から
聴いたら良いのか分からないので、非常に困ってしまう。
とりあえず、ここではチェスターのドラミングを考えて、
このアルバムを取り上げる。
けど、このアルバムもファンの間では人気が高い。
そもそもザッパのバンドは、どの時代もドラマーが凄い。
テリー・ボジオ、ヴィニー・カリウタ、チャド・ワッカーマンや
古くはアインズレー・ダンバーなど、ホントの凄腕ばかりが在籍。
そんな中でも、チェスターは充分に存在感を発揮。
辛口のザッパのマニアからも支持されている。
ザッパは黒人音楽にも造詣が深く、このアルバムの時期は
チェスターやジョージ・デューク先生などの黒人メンバーの
参加もあって、特にクロい音になっている。
また、ザッパにしては珍しく録音がチープ。少ないマイクで
一発録りのような、エフェクト感の少ないデッドな音像と
なっている。(とはいえ、ブートレグのような悪い音ではない)
それが逆に、ロックとしての演奏の生々しさを伝えることとなり、
ファンから支持される要因にもなっていると思うのだが。
全10曲のうち、前半4曲はクローい曲が続くのだが、
5曲目と6曲目にインスト曲がメドレーであり、ここでの
バンド全体の演奏が凄い。
時代的には、プログレッシヴロックも全盛なので、YESやEL&P、
はたまたクリムゾンなど、テクニカルなバンドは珍しくないが、
これらのバンドは基本的に個人のインタープレイが主流。
ここで聴けるザッパバンドは、バンド全体によるユニゾンや
複雑なリズムチェンジの妙に、ポイントを置いている。
(更に凄いのは、全てザッパ一人のアレンジによるところなの
だが、ここでは割愛)
私はあくまでチェスターのドラムのみに絞りたいのだが、
実はここではドラムがツイン。もう一人はジャズ畑出身である
ラルフ・ハンフリー。この人について私は詳しく無いのだが、
ドン・エリス楽団出身で、デューク先生のお誘いで参加らしい。
そのデューク先生のテクニカルなシンセといい、紅一点で
マリンバ担当のルス・アンダーウッドのバカテクプレイといい、
変拍子炸裂の細かなブラスのリフといい、驚くポイントが有り過ぎ!!
もちろんザッパのギターも、彼なりにいい味を出している。
(でも、一番のウリはやっぱり曲だったという点も、改めて凄い)
特に6曲目の『Don't You Ever Wash That Thing?』のドラムが
圧巻。リズムキープの為のドラムと、リズムのアクセントの為の
ドラミングが交互に出てくるこの難曲。チェスターとラルフは
実に見事にドラムを叩きまくっている。
因みに5分20秒あたりから始まるドラムの掛け合いのソロが
凄い。とにかく音のスピードが(当時としては)尋常ではない程速い。
フィル・コリンズが、このアルバムを聴いて、チェスターの
ドラミングにひっくり返って驚いて、ジェネシスに引き抜く
事になる。そのフィル・コリンズ自身も実は凄腕のバカテク
ドラマーであるのだが、そんな人が驚く程のドラムのレベル
らしい。(しかも、やっぱりラルフよりチェスターの方が
巧かったのであろう。)
最後に余談ながら。
このあとのアルバムでは、ドラムはチェスター1人に。
しかしパーカッション(マリンバ)担当のルス・アンダーウッド
とのリズム隊コンビはバカテク全開で、そのコンビネーションの
良さから、ザッパバンド歴代最高との声も高い。
(チェスターの後任はあの超人テリー・ボジオ。そのボジオですら
一部のザッパマニアからは、物足りない・・と言われている。
どんなレベルなんだ、こいつらは!!)
確かにブートレグビデオなどで、ルスのプレイを見ると、
とんでもなく器用なプレイをしていて、とても驚かされる。
後年、悲しいことにこのルス・アンダーウッドが引退するのを
きっかけに、この時のマザーズは解散となってしまうのでした。
では、ドラム小僧必見。ドラムを叩くチェスター。
フィル・コリンズとのツインドラムの時の写真らしい。
あまりにもカッコイイので写真を大きく。
タイコの数は、タムが向こう側までズラリのはず。ツーバスなのはお約束。
横には、フィル・コリンズのセットが組んであるはずだ!!
尚、ツインドラムのバンドはいくつか有るが、プレイヤーの微妙な
違いによるリズムのウネリを狙ってのツインドラムは多いものの、
超テクニカルな二人が、演奏を完全にシンクロさせる、という芸当は
このコンビが最初ではなかろうか?!
(そういえば、再再再結成クリムゾンもツインドラムでした・・)
続いて、2007年の再結成ジェネシスのメンバーショット。
左端がチェスター。因みに右端がダリル・スチューマー。
二人ともサポートメンバーながら、この写真では正式メンバー
みたいな待遇だ。
というか、いい加減に正式メンバーにしてあげればよかったのに。
二人の貢献度、めちゃめちゃ高いと思うぞ。
因みに私は自分も同じギタリストとして、ダリル、けっこう好きだぞ。
スゴーク地味だが、良い仕事してる。
(ダリルって、ジェネシスの音楽性に合った艶やかな音が絶品だ。)
しかし、笑えるのがトニー・バンクス。(右から二人目)
昔から、どの写真を見てもいつもこんな表情。
さすが英国紳士。変わりませんなぁ・・・
でも、なかなか貫禄のある、良いショットである。
これでピーター・ガブリエルが復帰してたら、ホントに
凄かったんだけど・・・
最後にザッパ&マザーズ在籍時の写真を。
おお、メンバー全員、すごく怪しい。インチキ臭さがプンプン。
しかし、ザッパマニアに言わせると、ザッパの音楽活動中で、
最強のメンツとの噂・・・
けれども、やっぱり怪しすぎ・・・
因みにチェスター、ジェネシスと同じ立ち位置にいる。
(右隣の女性がルス・アンダーウッド)
チェスターさん、それって、風水?!
アルフォンソ・ジョンソン繋がりと言う事で。
チェスター・トンプソンというドラマーの知名度は
いかほどのものだろう?
(同姓同名のハモンド奏者もいるしなぁ・・・)
もし音楽通を気取りたいなら、是非とも知っておきたい、
凄腕ドラマーの一人だ。
ウェザー・リポートでのアルフォンソ・ジョンソンの相方で、
ジェネシスでのフィル・コリンズの影武者として有名。
コアな音楽&ドラムマニアには、フランク・ザッパのドラマー
としても知られている。
いや、今知られているチェスターへの高評価は、間違いなく
ザッパ&マザーズ在籍時が、原点のはずなのだ。
そんなチェスターのドラミングの凄さが分かる一枚。
『ロキシー&エルスウェア』フランク・ザッパ&マザーズ
1974年のライヴ盤。ザッパのアルバムは何十枚と出ているが、
数が多いくせに、駄作が無い事でも知られている。
こういう人(マイルス・デイヴィスもそうだよな・・)は、何から
聴いたら良いのか分からないので、非常に困ってしまう。
とりあえず、ここではチェスターのドラミングを考えて、
このアルバムを取り上げる。
けど、このアルバムもファンの間では人気が高い。
そもそもザッパのバンドは、どの時代もドラマーが凄い。
テリー・ボジオ、ヴィニー・カリウタ、チャド・ワッカーマンや
古くはアインズレー・ダンバーなど、ホントの凄腕ばかりが在籍。
そんな中でも、チェスターは充分に存在感を発揮。
辛口のザッパのマニアからも支持されている。
ザッパは黒人音楽にも造詣が深く、このアルバムの時期は
チェスターやジョージ・デューク先生などの黒人メンバーの
参加もあって、特にクロい音になっている。
また、ザッパにしては珍しく録音がチープ。少ないマイクで
一発録りのような、エフェクト感の少ないデッドな音像と
なっている。(とはいえ、ブートレグのような悪い音ではない)
それが逆に、ロックとしての演奏の生々しさを伝えることとなり、
ファンから支持される要因にもなっていると思うのだが。
全10曲のうち、前半4曲はクローい曲が続くのだが、
5曲目と6曲目にインスト曲がメドレーであり、ここでの
バンド全体の演奏が凄い。
時代的には、プログレッシヴロックも全盛なので、YESやEL&P、
はたまたクリムゾンなど、テクニカルなバンドは珍しくないが、
これらのバンドは基本的に個人のインタープレイが主流。
ここで聴けるザッパバンドは、バンド全体によるユニゾンや
複雑なリズムチェンジの妙に、ポイントを置いている。
(更に凄いのは、全てザッパ一人のアレンジによるところなの
だが、ここでは割愛)
私はあくまでチェスターのドラムのみに絞りたいのだが、
実はここではドラムがツイン。もう一人はジャズ畑出身である
ラルフ・ハンフリー。この人について私は詳しく無いのだが、
ドン・エリス楽団出身で、デューク先生のお誘いで参加らしい。
そのデューク先生のテクニカルなシンセといい、紅一点で
マリンバ担当のルス・アンダーウッドのバカテクプレイといい、
変拍子炸裂の細かなブラスのリフといい、驚くポイントが有り過ぎ!!
もちろんザッパのギターも、彼なりにいい味を出している。
(でも、一番のウリはやっぱり曲だったという点も、改めて凄い)
特に6曲目の『Don't You Ever Wash That Thing?』のドラムが
圧巻。リズムキープの為のドラムと、リズムのアクセントの為の
ドラミングが交互に出てくるこの難曲。チェスターとラルフは
実に見事にドラムを叩きまくっている。
因みに5分20秒あたりから始まるドラムの掛け合いのソロが
凄い。とにかく音のスピードが(当時としては)尋常ではない程速い。
フィル・コリンズが、このアルバムを聴いて、チェスターの
ドラミングにひっくり返って驚いて、ジェネシスに引き抜く
事になる。そのフィル・コリンズ自身も実は凄腕のバカテク
ドラマーであるのだが、そんな人が驚く程のドラムのレベル
らしい。(しかも、やっぱりラルフよりチェスターの方が
巧かったのであろう。)
最後に余談ながら。
このあとのアルバムでは、ドラムはチェスター1人に。
しかしパーカッション(マリンバ)担当のルス・アンダーウッド
とのリズム隊コンビはバカテク全開で、そのコンビネーションの
良さから、ザッパバンド歴代最高との声も高い。
(チェスターの後任はあの超人テリー・ボジオ。そのボジオですら
一部のザッパマニアからは、物足りない・・と言われている。
どんなレベルなんだ、こいつらは!!)
確かにブートレグビデオなどで、ルスのプレイを見ると、
とんでもなく器用なプレイをしていて、とても驚かされる。
後年、悲しいことにこのルス・アンダーウッドが引退するのを
きっかけに、この時のマザーズは解散となってしまうのでした。
では、ドラム小僧必見。ドラムを叩くチェスター。
フィル・コリンズとのツインドラムの時の写真らしい。
あまりにもカッコイイので写真を大きく。
タイコの数は、タムが向こう側までズラリのはず。ツーバスなのはお約束。
横には、フィル・コリンズのセットが組んであるはずだ!!
尚、ツインドラムのバンドはいくつか有るが、プレイヤーの微妙な
違いによるリズムのウネリを狙ってのツインドラムは多いものの、
超テクニカルな二人が、演奏を完全にシンクロさせる、という芸当は
このコンビが最初ではなかろうか?!
(そういえば、再再再結成クリムゾンもツインドラムでした・・)
続いて、2007年の再結成ジェネシスのメンバーショット。
左端がチェスター。因みに右端がダリル・スチューマー。
二人ともサポートメンバーながら、この写真では正式メンバー
みたいな待遇だ。
というか、いい加減に正式メンバーにしてあげればよかったのに。
二人の貢献度、めちゃめちゃ高いと思うぞ。
因みに私は自分も同じギタリストとして、ダリル、けっこう好きだぞ。
スゴーク地味だが、良い仕事してる。
(ダリルって、ジェネシスの音楽性に合った艶やかな音が絶品だ。)
しかし、笑えるのがトニー・バンクス。(右から二人目)
昔から、どの写真を見てもいつもこんな表情。
さすが英国紳士。変わりませんなぁ・・・
でも、なかなか貫禄のある、良いショットである。
これでピーター・ガブリエルが復帰してたら、ホントに
凄かったんだけど・・・
最後にザッパ&マザーズ在籍時の写真を。
おお、メンバー全員、すごく怪しい。インチキ臭さがプンプン。
しかし、ザッパマニアに言わせると、ザッパの音楽活動中で、
最強のメンツとの噂・・・
けれども、やっぱり怪しすぎ・・・
因みにチェスター、ジェネシスと同じ立ち位置にいる。
(右隣の女性がルス・アンダーウッド)
チェスターさん、それって、風水?!