霞ヶ浦に、手前から深い所は少ない。
1m以上あれば、ウキ釣りに良い釣り場と言える。
先日、よく通るけれど初めての場所で、鯉を釣っていた人がちょうど帰るところだったので入れて貰った。
とりあえず竿を延ばし、仕掛けにタナ取り用のゴム玉を付けて投げ入れると、深さは1.5m程度ある。
上等だ。
前後左右も探って、カケアガリも確認し、ここかなと思うポイントに椅子を移動。
竿を置いて、さぁ今から餌選びやら釣りの準備・・・というところで、目の端でウキが動いたように見えた。
すすす~っと、斜めに水中に入っていく。
「アイツだ!」と思い、慌てて竿を握った。
過去にも一度、タナ取りゴムを投げ入れた途端、大きめのアメナマに咥えられたことがある。
やつらは喰い気が上がっている時、落ちてきた物や口に当たった物をとりあえず口に入れることがあるのだ。
その時は、ギューンと引っ張って行ったと思ったら、すぐにゴムを吐いてくれて、仕掛けがスッポーンと返ってきた。
だから今回も、私は自分の仕掛けを取り戻すべく、なかば強引に引っ張った。
ところが、外れない。
7~8M先で一瞬浮きあがった灰色の頭は相当な大きさで、これは過去に釣ったアメナマ以上のサイズかもしれない、と思われた。
それにしても、吐かない。
もしかして、もう奥まで飲み込んだのか、上針がどこかにスレがかりしてしまったのか・・・
それは勘弁してほしい。
変な所から切れたら、ウキを失うかもしれない。
もうタナ取りゴムはいいから、ヘラ用の電気ウキだけは返して欲しい。
願いは金銭的に切実である。
・・・・吐かない。
スレがかり特有のブレが感じられないので、すっかり飲みこんでいるのかもしれない。
だとすると、タナ取りゴムで針がかりするとは考えにくいから、アメナマのヤスリのような口で擦れ、とっくにハリス切れしていいはずだ。
…なにかおかしい
時折、三角の背びれが見える。
白っぽい尾が見える。
ギャラリーの意見では、80センチ以上あるという・・・
使っている竿は龍王。
大型のナマズとは相性が悪く、60でもかなり走られるし、竿がしなやかなため、重い魚に底を這われるとなかなか浮かせられない。
ところがこの魚は、顔を見せないまでも何度も水面を撫でるし、思い通りの取り回しができる。
フワフワ感がソウギョに似ている。
でも、ソウギョでも鯉でもないのは確かだ。
鱗が見えないなめらかな魚体で、アメナマ以外、ゴム玉に喰いつくような魚が思いつかない。
切れても外れても吐いてもくれないなら上げるしかない。
まだ網も準備していなかったが、そう諦めて手前に寄せた。
引きよせるのも特に難しくない。やはりおかしい。
ラインを掴んだ主人が「あ…」と言った。
声のトーンで、ナマズじゃないという意味だと分かった。
タナ取りゴムではなく、上針にかかっていたそれは、レンギョ(ハクレン)だったそうだ。
そのままお帰りいただいたため、私はその全貌を見ていない。
釣ったことのない魚だったので、感触からは想像できなかった。
食性からも想像できなかった。
しかも餌無しって。。。
おそらく、
今まで釣り人が居た場所で、底には沢山の餌が残っていた。
そこをタナ取りゴムでトントントントン叩きまくっていたので餌が舞い上がった。
レンギョは粉っぽいものをハフハフする魚なので、漂っていた空の上針も吸ってしまった。
そんなところだろう。
呆れた偶然。
釣れてしまったとも言い難い「事故」だった。
このままでは悔しいので、後日レンギョを狙った仕掛けでちゃんと釣ろうと思う。
いつになるかは分からないけれど、レンギョ釣りは延べでやっている人も居るし、へら釣りの外道だそうだから、出来なくはないだろう。
このポイントでは小型の鯉(~45、55)が沢山釣れた。
これはどっちだったか・・・
写真は撮らなかったが、霞ヶ浦では珍しいくらい美しい姿のヘラも釣れた。
(体高があるので大きく見えたが、34cmなのでアベレージ)
もう少し季節が進んだら、サイズアップを期待して、同じ場所で鯉釣りをしたい。