順番的には次と逆なのですが、コチラは試射ができた兼ね合いで先に。
誰もが知っている特異なシルエットと特殊な構造、撃ち出す弾種にこのサイズで、実銃も発売から今日まで各国でいまだ使われている名銃です。
ベルギーの、通称『FN社』と呼ばれる“半国営企業”が1988年に発表したP90は、PDW(Personal Defense Weapon)=個人防衛火器というカテゴライズで登場しました。個人的印象としては、前線組が積極的に攻撃に使う、というより通常は戦闘に巻き込まれないエリアや役割、パイロットなどがいざ自衛する時用に携行する、というイメージの銃です。
それを裏付けるように、実銃は利き手を選ばない左右対称の作りで排莢は下部から。緊急用のアイアンサイトも設けられています。
もっとも、当時では特殊な部類であったたいへんに実戦的な弾を使うため、特殊部隊などで好まれる傾向が強かったようです。真っ黒、小さい、貫通力の強い弾、ブルパップ式なのにノイズが小さい、サプレッサーが使える、など、瞬時に鎮圧が必要な彼らには好適だったのです。
ただ、排莢が下部からおこなわれるため、自弾の空薬莢を踏んで足元が怪しくなる、なんて癖もあったようです。まあ、これは慣れでしょうか。狭小の立て籠もり案件などで、一般的な右側排莢であるがために周囲を気にし発砲できないよりかはよいかと思います。
それを電動ガンとしてモデルアップしたのが、P-90で(何故かハイフンが入る)、オリジナル同様かなり以前から発売されていたそのスタンダードラインに現在の技術を投入してリファインされたのが、この『P-90+(プラス)』です。
「何が大きく違うの?」と言うと、昨今注目株の『Li-Poバッテリー対応』につい目が行きがちですが、従来のアナログ(機械式)に対し“FET”を代表とする電子回路(基板)を組み込んだことで、トリガースイッチに起きがちだった“焼け”(耐久性)トラブルや、発射しない状態だとピストンが常に後退したままになりスプリングのヘタリがどうしても早い。また、電子制御されていないので、どこかの部品に異変や耐久限界が来ても動き続け、結果、大きな破損に繋がる、などの従来品で問題になっていた点が多くクリアされています。
ちなみに、FETというのは<Field Effect Transistor>の略で『電界効果トランジスタ』と言い、名前の通りトランジスタの一種になります。種類は違いますが、オーディオ勢には耳馴染みの部品ですし、半導体素子としては超ベーシックなモノになります。
Li-Poバッテリー対応も関係しているのでしょうが、電子回路を組ませたことでピストンが無発射状態だとフリーになりスプリングが常に圧縮される状態でなくなったことでか、『強化ピストン』や『メッキコーティングセクターギア』と、従来メカも一部リファインされています。
▲バッテリーは2WAY方式。どちらも使えます。
▲ド素人なのでLi-Poバッテリーに詳しくないのですが、よく聞くのが「爆発する可能性がある」というものです。右手前の『セーフティバック』は、必須のようで。充電器なども専用品が用意されます。
▲散々苦しめられた、『マイクロプロサイト』も付けられます。そういう意味では実銃で言うところの、“タクティカルモデル”?
▲実銃同様のリアルなシースルーマガジン。装弾数は68発。フルオート可能なので心もとないと思いますが、実銃でも50発ですからね。なお、この『5.7mm×28 NATO弾』というのが例の特殊弾で、小口径でパワーが大きく貫通力が高いという、FN社開発品です。
なお、本モデルは発売済みです。2023年5月17日だったそうです。本体のみで、お値段は4万480円(10%税込み)。従来品は、税別2万9,800円。半導体は高騰どころか種類によっては入手不能なので、妥当な価格UPかと。
ちなみに、冒頭で述べましたが、本来は紹介順が逆な商品でもあります。何せとっくに発売されていますからね。でも、イベント当日シューティングレンジに用意されていたので、こちらを優先しました。
▲銃もマガジンもBB弾もいっぱい! ちなみに、コーナー自体も長蛇の列。おまけに、ウルトラ寒かった。
撃った感想は、というか、そもそもP90を持つこと自体が初めてだったので、その独特のフォルム状、どこを持って構えればいいか解らず、教えてもらいながら試射。この時はまだ、マイクロプロサイトは利き目で見ないとダメ、が解っておらずそれにも四苦八苦。冷静な感想どころではありません。『次世代』ではないのでリコイルショックは皆無で、サイトもきちっと調整されていれば面白いように的に当たる、というのは覚えています。あと、軽い。
発売中ですし、あの行列の中、果敢にも動画撮影に挑んでいるひともいたので、当日の様子などは探せば出てくると思います。
新基軸、というよりかは「壊れにくくなった」というのが一番のポイントでしょうか。
蛇足ですが、ベルギーはチョコが有名ですが、こちらの業界的にはテロ組織の温床としても有名です。悲しいですね。
※追加画像が出てきたので、貼り付けておきます。
ぺた。
次回は、この+(プラス)シリーズの新ネタを投入する予定でいます。
やかん