「夜間中学校と教育を語る会」公式ブログ

夜間中学校と取り巻く環境を語る会です!

お礼とご報告

2012年04月29日 23時34分46秒 | 日記
2012年4月30日

ご支援を頂いた皆さま
夜間中学校と教育を語る会会長代行 庄司 匠

お礼とご報告

 新緑の美しい季節となりました。皆さまにはお元気でご活躍の事と存じます。

 さて、2月初旬からの二ヶ月あまりに及んだ東京都教育委員会の公立小中学校日本語学級設置要綱「改正」問題への私たちの取り組みにつきまして、皆さまには力強いご支援をいただき、本当にありがとうございました。
 この間の経過を簡単に振り返ってみますと、まず、2月1日に都内の夜間中学校の日本語学級設置校(5校)の校長が都教委より今回の設置要綱「改正」案の説明を受けたところから始まります。5校の教職員に知らされたのは2月7日でした。なお、後で分かったことですが、「改正」自体は都教委の権限に属するものとして既に2月2日に成立していました。
 今回の「改正」では、夜間中学校の生徒が日本語学級に在籍できる期間を原則として1年間に限定した点が大きな問題でした。このような措置は、年齢、母語、学習歴、学習環境などの点でさまざまに異なっている生徒たち一人ひとりの状況を慎重に考慮して丁寧に指導してきている実態が維持できなくなる点で、なにより生徒の「教育を受ける権利」の侵害をきたすおそれがありますし、日本語学級の生徒数の減少から認可学級数の減少、ひいて配置される教職員数の減少へとつながる可能性が高い点で、東京の夜間中学校全体の教育力を大きく低下させ、夜間中学校の存亡自体にもつながりかねません。 このような重大な変更が年度末のこの時期に伝えられたことも現場に大きな不安を与えました。

 こうした事態は夜間中学校の関係者だけの力ではとうてい取り組みきれないものでした。しかし、現場の先生たちからの訴えを受けて私たちの会がこの問題への取り組みを始めましたところ、幸いにも、緊急集会の呼びかけ人として山田洋次監督をはじめ各界の方々が名乗りを上げて下さいました。おかげさまで2月18日(土)に開かれたつどいには、都議会各会派からご出席(メッセージ含む)頂き、日本語教育の専門家の山本さやかさんのご講演、夜間中学卒業生のお話などに会場いっぱいの70名ほどの参加者の感動をよび大成功しました。
 この集会をきっかけとして署名、要請ハガキ、eメールなどでの都教委、都議会への働きかけが始まりました。要請の中心的な内容は、「改正」要綱を運用するにあたっては夜間学級の現場の実情を十分に考慮してほしいというものでした。そして、短い期間にも関わらず、北は北海道から南は沖縄まで、沢山の方々のご協力で3月16日提出分までに4,000筆にもおよぶ署名を集める事ができました。その後も続々と署名が届きました。(最も遠い方はアトランタから!)。 また、2月22日、23日の2日にわたり、都議会各会派への要請行動も行いました。その中で、全会派の皆さんが夜間中学への応援を表明され、心強く思いました。
 そうした勢いの中、3月1日には、私たちの会と東京都教育委員会との話し合いが行われました。都からは義務教育課園田喜雄課長と義務教育課小中学校係鈴木隆也係長、もうお一人の職員の方を含めて3名が出席、それに対して私たち要請側は、夜間中学の卒業生、元と現役の教員、夜間中学に関心を持つ市民、日本語教育の専門家、地域で外国人の子どもの学習支援をしている方、日本と中国の友好を願う団体の方、など多彩な顔ぶれの22名が出席、計25名で行われました。卒業生の話を皮切りに9名の方からの切実な訴えに熱心に耳を傾けた園田課長からは、在籍期間の原則を機械的に適用するものではないという方向が示されました。

 そして、迎えた3月16日の都議会文教委員会では、四つもの会派から夜間中学の日本語学級の設置要綱「改正」についての質問が出されました。それに対して、都教委(矢島明彦地域教育支援部長)より「日本語習得が困難である原因は年齢、能力、家庭環境など様々であるが、1年間での学習が困難な生徒については、現場の校長の声を聞いている教育委員会から、しっかり聞いて適切に対応していく」との答弁がありました。 これは、2月1日に校長に対して行った説明よりも実情に近い内容であり、多くの方々の声が反映されたものと考えます。
 短期間でしかも年度末の慌ただしい時期にも関わらず、本当に沢山のご支援をいただく事ができました。心より感謝申し上げます。そのお陰で、このような結果にむすびつきました。 しかし、これですべて問題が解決したわけではありません。夜間中学の日本語学級において1年を超える在籍が認められるかどうかが具体的な生徒さんについて現実に問題になるのは来年の春以降です。そして、年月の経過とともに機械的な運用に変質していく可能性もないとはいえません。そういう意味で、私たちは今後も監視の目を緩めることはできないと考えています。
 『温かく見守る沢山の目があってこそ、夜間中学は守られ、発展することができる』 経過の中から見えてきたのはこのことです。 今回、署名に応えて下さったことで、初めて夜間中学の存在を、またその中にある日本語学級を知って下さった方が沢山いらっしゃったとのこと。それがどんなに大きなことか計り知ることができません。 今後とも夜間中学に関心を持ちつづけていただき、ご支援をいただくことができますように、皆様にお願い申し上げます。

 皆様もぜひ、一度、夜間中学校を訪れてみませんか。見学をすると夜間中学校がとても身近なものになります。都内八校の一覧は以下の通りです。各校の学校公開や文化祭など、訪問できる機会は沢山あります。それ以外でも事前に申し込めば見学することが可能です。また、八校全部が加入している東京都夜間中学校研究会では、「夜間学級説明会」を開催します。本年度は10月20日(土)午後に、江戸川区立小松川第二中学校夜間学級で行われます。説明会のあと、開催校の授業見学や個別の入学相談も行われる予定です。これらに関する情報は各校のホームページにも載りますので、ぜひご覧ください。
 私たち「夜間中学校と教育を語る会」でも、今年の夏に、夜間中学在校生・卒業生のスピーチ大会を開こうと企画しています。ナマの声を聞いていただく絶好の機会となります。ぜひ今からご予定に加えておいてご参加ください。8月19日(日)午後 荒川区町屋にて開催の予定です。詳細は決まり次第、当会のブログに掲載いたします。
 4月末日を一応の締め切りとした署名は、5月の連休明けには都教委と都議会にお届けいたします。
 以上心より感謝を込めてご報告といたします。

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東京都内公立中学校夜間学級一覧

★印の学校には夜間日本語学級もあります。

★足立区立第四中学校
足立区梅島1-2-33 電話 03-3887-1466
http://www.adachi.ne.jp/users/adac4y-j/
 
八王子市立第五中学校
八王子市明神町4-19-1 電話 042-642-1635
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/pickup/p_gakko/yakan/hatiouji.htm

★葛飾区立双葉中学校
葛飾区お花茶屋1-10-1 電話 03-3602-7979
http://www.katsushika.ed.jp/jfutaba/yakan/index.htm
  
★墨田区立文花中学校
墨田区文花1-22-7 電話 03-3617-1562
http://www.sumida.ed.jp/bunkachuyakan/index.html

大田区立糀谷中学校
大田区西糀谷3-6-23 電話 03-3741-4340
http://academic2.plala.or.jp/kjyj/yaflame.html

★世田谷区立三宿中学校
世田谷区太子堂1-3-43 電話 03-3424-5255
http://school.setagaya.ed.jp/tmiku/

荒川区立第九中学校
荒川区東尾久2-23-5 電話 03-3892-4177
http://www.aen.arakawa.tokyo.jp/ARAKAWA-9-J/夜間学級/

★江戸川区立小松川第二中学校
江戸川区平井3-20-1 電話 03-3684-0745
http://www.edogawaku.ed.jp/komatsugawa2nc/
 

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感謝の報告と映画のつどい

2012年04月18日 11時40分15秒 | 上映会
皆様の温かいご支援によって、東京の夜間中学の日本語学級は生徒の在籍期間について、「画一的に新要綱が適用されることは回避された」と言ってよい状況になっています。心から感謝申し上げます。
そこで、この間の感謝の報告と、あわせて夜間中学のドキュメンタリー映画「こんばんは」の上映を行うつどいを、来る5月26日(土)午後2時より、荒川区町屋のアクロスあらかわのホールで行います。(入場無料)
チラシは次の通りです。お誘い合わせの上ご参加くださいますよう、お知らせいたします。



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署名の締め切りは4月末日に 

2012年04月02日 11時09分18秒 | 要望書・署名
署名の締め切りを4月いっぱいとして、一応の区切りとすることになりました。

春休み中にもあちこちにお声をかけて署名を集めて下さっている方が沢山おありです。
ありがとうございます。

署名を通して、初めて夜間中学の存在を知り、また東京独自の施策である「日本語学級」の存在を知って下さった方も数多くいらっしゃる事を思うと、
単に東京都教育委員会教育長と都議会議長にお届けするのみならず、
この署名の意義がどんなに深いかを感じます。
ひきつづきこの期間中、署名を広めて下さいますようにお願い申し上げます。

なお、4月1日現在、当会にお寄せいただいた署名は1500筆にとどく勢いです。
4月末に締め切って、5月の連休明けには第3次分として提出する予定でおります。


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