その日は、ボーイとママちゃんが娘の誕生会に来てくれていました。
ボーイの右手には花束が、左手にはこの近所で拾ったと思われる大きな落ち葉が握られていました。
花束が生き生きとしていたのに対し、大きな落ち葉はすっかり乾ききっていて、一部葉脈だけになっています。
ボーイはいつもと変わらず、元気一杯に階段を昇ってきて、大きな声で「おめでとう!」と言ってくれました。
僕がシフォンケーキを焼く横で、食事の準備が着々と進みます。
・牛肩ロースのステーキ
・にんじんのポタージュ
・かぶの酢漬け
食事が済み、ボーイはいつものサッカーレゴを出して遊んでいます。
ただ、娘が手を出してくるので、ちょっとイライラ。
結局ゴールも組み立てられないまま、ボーイは諦めてしまった様子。誕生日ということで、ご勘弁を。
ボーイの小さな体が、小さな6畳間に飽き足らず、大きな空の下を欲していたので、娘にプレゼントしたバギーを試乗するため、みんな揃って公園へ散歩に出かけました。
サッカーボールを蹴る僕とボーイ。
その傍らで、ご機嫌にバギーを押す娘と、それを見守る妻とママちゃん。
秋暮れがやや墨っぽく霞んできたところで、公園の柵を乗り越え崖線緑地へ潜入。
ここは、たまに市民団体が豊かな自然を利用してワークショップやイベントなどをしています。一列に隊を組み、ふかふかの落ち葉の上を歩いて渡ります。
最後にみんなで記念撮影をして、機動隊口の階段を潜り抜け崖線緑地を出ました。
階段で下校中の小学生に会いました。
ボーイが階段の上から長靴を飛ばすと、踊り場でスクッと屹立し、その瞬間小学生ギャラリーから大きなどよめきが上がりました。
「立った!」
黄色い長靴の効果がどれだけのものだったのか、ボーイと小学生の間にやさしい絆が生まれたのが分かりました。
部屋に戻り、シフォンケーキに1本ローソクを立て、お祝いをしました。
ボーイはハーモニカを吹いてくれました。鉄琴の音に合わせ、ボーイは体を前後左右に大きく揺すります。小さな体ながら、ボーイは大きな演奏家です。
ケーキを食べひと段落したところで、僕はボーイに聞きました。
「幼虫の名前だけど、考えてくれたかい?」
ボーイは一瞬びっくりした顔をしましたが、小さな声でそっと僕に聞かせてくれました。
あきやまかんたろ
ゴブオト
なんて素敵な名前なんでしょう。
僕らの名前をつけようと思っていた自分が恥ずかしくなるくらいです。
飼育箱のほうが「あきやまかんたろう」で、ペットボトルが「ゴブオト」だそうです。
そう!ボーイは先日の電話から、ずっと名前を考えていてくれたのです。
今日は娘の誕生日であると同時に、僕らの(本当はボーイの)幼虫の名前が決まった日にもなりました。
ありがとう、ボーイ。(ビー アンビシャス!)
ボーイの右手には花束が、左手にはこの近所で拾ったと思われる大きな落ち葉が握られていました。
花束が生き生きとしていたのに対し、大きな落ち葉はすっかり乾ききっていて、一部葉脈だけになっています。
ボーイはいつもと変わらず、元気一杯に階段を昇ってきて、大きな声で「おめでとう!」と言ってくれました。
僕がシフォンケーキを焼く横で、食事の準備が着々と進みます。
・牛肩ロースのステーキ
・にんじんのポタージュ
・かぶの酢漬け
食事が済み、ボーイはいつものサッカーレゴを出して遊んでいます。
ただ、娘が手を出してくるので、ちょっとイライラ。
結局ゴールも組み立てられないまま、ボーイは諦めてしまった様子。誕生日ということで、ご勘弁を。
ボーイの小さな体が、小さな6畳間に飽き足らず、大きな空の下を欲していたので、娘にプレゼントしたバギーを試乗するため、みんな揃って公園へ散歩に出かけました。
サッカーボールを蹴る僕とボーイ。
その傍らで、ご機嫌にバギーを押す娘と、それを見守る妻とママちゃん。
秋暮れがやや墨っぽく霞んできたところで、公園の柵を乗り越え崖線緑地へ潜入。
ここは、たまに市民団体が豊かな自然を利用してワークショップやイベントなどをしています。一列に隊を組み、ふかふかの落ち葉の上を歩いて渡ります。
最後にみんなで記念撮影をして、機動隊口の階段を潜り抜け崖線緑地を出ました。
階段で下校中の小学生に会いました。
ボーイが階段の上から長靴を飛ばすと、踊り場でスクッと屹立し、その瞬間小学生ギャラリーから大きなどよめきが上がりました。
「立った!」
黄色い長靴の効果がどれだけのものだったのか、ボーイと小学生の間にやさしい絆が生まれたのが分かりました。
部屋に戻り、シフォンケーキに1本ローソクを立て、お祝いをしました。
ボーイはハーモニカを吹いてくれました。鉄琴の音に合わせ、ボーイは体を前後左右に大きく揺すります。小さな体ながら、ボーイは大きな演奏家です。
ケーキを食べひと段落したところで、僕はボーイに聞きました。
「幼虫の名前だけど、考えてくれたかい?」
ボーイは一瞬びっくりした顔をしましたが、小さな声でそっと僕に聞かせてくれました。
あきやまかんたろ
ゴブオト
なんて素敵な名前なんでしょう。
僕らの名前をつけようと思っていた自分が恥ずかしくなるくらいです。
飼育箱のほうが「あきやまかんたろう」で、ペットボトルが「ゴブオト」だそうです。
そう!ボーイは先日の電話から、ずっと名前を考えていてくれたのです。
今日は娘の誕生日であると同時に、僕らの(本当はボーイの)幼虫の名前が決まった日にもなりました。
ありがとう、ボーイ。(ビー アンビシャス!)