ある日道に迷ってしまった。
しばらくして、通行人のおじいさんに道を尋ねた。おじいさんはぼくを一目見ると、自分の耳を指さした。表情はあまりうれしそうではなかった。
そうだ、ぼくが耳にはさんでいる煙草がほしいんだと思って言った。
「これは失礼しました。
面目ないといった様子で彼に煙草を渡した。彼は驚いた様子だったが、煙草を受けとり、二口ほど吸った。
それから、また自分の耳を指さした。口は何か言いたそうにしていたが、何も声が出ない。この時、ぼくは悟った。彼は耳が不自由なのだと。
《開心笑吧2016-10-08「問路」》
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