ライブドア フジMHDと和解 市場原理主義の終焉(産経新聞) - goo ニュース
べつにこの記事に報道されている事実関係に疑義があるわけぢゃない。ああそうですか,リーマンブラザーズの破綻はなんつかバック・トゥ・ザ・フューチャー的にライブドア事件にも影響したんですか,ニンゲン欲の皮つっぱらかすとシワは消えるけど醜いですな,と……そんなわかったような感想を申し述べたいわけでもない(もう述べてるか)。
そーぢゃなくてわがアンテナに引っかかったというか琴線に触れたというか,違和感を持ったのはシメの文章。「堀江被告らが喧伝したネット中心のメディア支配が泡と消えた今,消費者に支持される実業としてのメディア像が求められている」という,どっかの文例集から持ってきて名詞だけ変えたような納まりかえった結論なんだけど,では訊く,「実業」って何だね?
この言葉を見聞するたびにオレが思い出すのが80年代始め頃のかわぐちかいじの漫画「プロ 雀界の光と影」の1シーンである。
……麻雀雑誌の出版社が主催した新人王戦で優勝,大学を中退し麻雀のプロとして食っていく決意を固めた主人公・羽根満男(ハネミツオ……つまりハネマンオトコなんだけどね)は,ある日突然,恋人ミキの父親の訪問を受ける。この父親がナントカ物産という商社の代表取締役で,娘との結婚を真剣に考えているのなら麻雀打ちなどやめて「実業」につけ,と言うんですな。で,以下のような会話が(記憶で書いてるから正確ではないかも)。
「実業ってなんですか?」
「月々決まった固定収入がある仕事だ。モノを作ったり売ったり」
「それなら麻雀プロも実業だと思いますよ。僕たちは麻雀が好きで興味のあるヒトに,僕たちの打つ麻雀の面白さを買ってもらっているんです。欲しいヒトに肉や野菜を売っているのと同じです」
「詭弁だな」
「どーしてです?」
「ヒトは麻雀がなくても生きて行ける。が,肉や野菜がなくて生きて行けるかね?」
……別にオレ,この代表取締役の意見に賛成するわけぢゃない。ただこのクダリを思い出すにつけ,ホントにちゃんと働いてるヒトは「自分がやってることが実業か虚業かなんて考えない」んぢゃないかと思うのね。そんなのスイカに「お前は野菜か,果物か」って訊くようなもんやんけ。
べつにこの記事に報道されている事実関係に疑義があるわけぢゃない。ああそうですか,リーマンブラザーズの破綻はなんつかバック・トゥ・ザ・フューチャー的にライブドア事件にも影響したんですか,ニンゲン欲の皮つっぱらかすとシワは消えるけど醜いですな,と……そんなわかったような感想を申し述べたいわけでもない(もう述べてるか)。
そーぢゃなくてわがアンテナに引っかかったというか琴線に触れたというか,違和感を持ったのはシメの文章。「堀江被告らが喧伝したネット中心のメディア支配が泡と消えた今,消費者に支持される実業としてのメディア像が求められている」という,どっかの文例集から持ってきて名詞だけ変えたような納まりかえった結論なんだけど,では訊く,「実業」って何だね?
この言葉を見聞するたびにオレが思い出すのが80年代始め頃のかわぐちかいじの漫画「プロ 雀界の光と影」の1シーンである。
……麻雀雑誌の出版社が主催した新人王戦で優勝,大学を中退し麻雀のプロとして食っていく決意を固めた主人公・羽根満男(ハネミツオ……つまりハネマンオトコなんだけどね)は,ある日突然,恋人ミキの父親の訪問を受ける。この父親がナントカ物産という商社の代表取締役で,娘との結婚を真剣に考えているのなら麻雀打ちなどやめて「実業」につけ,と言うんですな。で,以下のような会話が(記憶で書いてるから正確ではないかも)。
「実業ってなんですか?」
「月々決まった固定収入がある仕事だ。モノを作ったり売ったり」
「それなら麻雀プロも実業だと思いますよ。僕たちは麻雀が好きで興味のあるヒトに,僕たちの打つ麻雀の面白さを買ってもらっているんです。欲しいヒトに肉や野菜を売っているのと同じです」
「詭弁だな」
「どーしてです?」
「ヒトは麻雀がなくても生きて行ける。が,肉や野菜がなくて生きて行けるかね?」
……別にオレ,この代表取締役の意見に賛成するわけぢゃない。ただこのクダリを思い出すにつけ,ホントにちゃんと働いてるヒトは「自分がやってることが実業か虚業かなんて考えない」んぢゃないかと思うのね。そんなのスイカに「お前は野菜か,果物か」って訊くようなもんやんけ。
ネットは「実業」たる既存メディアが支配させていただく、それこそを消費者が支持しているのだ、と読めますが、こういう奢りというか、まあ遠吠えとも言えますけど、こんなこと言ってるうちは全然ダメですな。言わなくても全然ダメになってきてるってのに。
あのね「消費者に支持されるメディア」って(それが「実業」だとかそういうチャチャは置くとして)コワイよ。戦争中の朝日新聞,ブッシュ政権下のウォールストリート・ジャーナル,みんな「消費者に支持」されてたんだよね。
関連して思い出したけど,数年前に読んだ「メディア・リテラシーの方法」(アート・シルバーブラット他著)って本が面白かったです。
それと、「みんなが一斉に支持する」という状況がコワい。様々な立場の市民とか消費者がいて、様々な立場で支持する様々なメディアがある分にはいいですよね。
「メディア・リテラシーの方法」って読んでなかったです。買ってみます。いつもながらご案内ありがとうございます。
だいたいこっちの表記なので、こちらで今後書くようにさせていただきます _o_