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まるでメデューサの目のロシアンルーレットではないか

2007年07月23日 | 時事
[WSJ] ウイルス攻撃の手段になるWeb広告

 こりゃえらいことである。今までなら怪しいリンクをクリックしないとか,メールで届いた正体不明の添付ファイルを開かないとかすればウィルス対策ソフトを入れていなくても(もちろん入れてる方がいいに決まってるが只ぢゃないし,それにあれの定義ファイルとかをキチンと更新し続けるというのはけっこうホネだ)ある程度はなんとかなった。

 それが「見るだけで感染する」というのである。まるで目を見ると石にされちゃうというギリシャ神話のメデューサである。しかも我々は当のページを開いてみるまでそこに広告があるかどうかわからない……どころか今どき広告のないページ自体がすげえ稀だぞ,考えてみたら。

 しかもだ,記事中に出てくる McAfeeの調べによれば,スポンサーリンクの6.9%が不正ソフトを自動的にダウンロードする可能性がある不審なサイトにつながっているというんだから,ロシアンルーレットの1/2より少しましだってな確率ぢゃないか(まぁこの調査,分母がよくわからんけどね。日本のサイトとかも対象に入っているのかしら)。

 そしてこれはオレ達ユーザよりも広告業界にとっての死活問題である。広告を見てウィルスに感染するということが増えれば,ユーザはそういう点で信用のおける,たいがいの場合は既知のサイトにしかアクセスしなくなるだろう。ちょうど今,新潟で起きた地震で問題になっているように,風評被害みたいなものが発生することも予想できる。

 効果に疑問があるとかストレートに商売に繋がらないと悪口を言われながらも,実質インターネットを普及させてきたのは広告業界からの資本である。広告が見られなくなればその資本は引き上げられる。現在無料で,あるいは廉価で提供されているサービスの多くがお金を取らないと立ち行かなくなる。あなたが無料で利用しているサービスのうち,金を払っても続けたいものがどれほどあるだろうか?


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