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「ムショに入ったらメシが食えた」でいいのか

2007年08月30日 | 時事
「ネットカフェ難民」が強盗 マンガ喫茶の店員脅す(共同通信) - goo ニュース

 「難民強盗」とでも呼ぶべきだろうか。大正時代の演歌師・添田唖蝉坊というヒトの「わからない節」のなかに「♪ハラが減った泥棒した捕まった ムショに入ったらメシが食えた」というのがあったが,まさにそれを地でいったような話ではないか。

 しかもだ。ネットカフェやまんが喫茶の業界団体である日本複合カフェ協会が「お客様を難民と呼ばないでくれ」と異例の訴えを自らのサイトに掲載したというニュースが流れた(掲載自体は7月)昨日の今日の事件なのである。

 「お客様は難民ではない」ネットカフェの業界団体が声明

 もちろん強盗をやった男の肩を持つつもりは毛頭ないんだが,所持金使い果たして仕事もなく2日何も食ってないという,まさに「貧の盗みの出来心」を絵に描いたような事件が起きちゃうと,その罪は罪としてやっぱり世の中どっかおかしいんぢゃないかと思わないではいられない。

 ネットカフェ難民:厚労省調査 日雇いない日は野宿 50代、寝るだけの入店

 この厚労省の推計によれば,住所不定でネットカフェなどに寝泊まりしているヒトの数は全国で約5400人(約にしては結構細かい数字だよな)。50代が23%もおり,その中にはネットにアクセスするわけではなくただ寝るだけのヒトも多いらしい。そしてそのさらに下層にネットカフェにも入れず(?)一晩100円でハンバーガー屋の椅子で眠る若者たちがいるらしいのである。

 彼らがみんな,堪忍袋の緒が切れて「ムショに入ったらメシが食える」と思い切ったらどうなるか。考えるだに恐ろしいが,「美しい国」を目的地にするカーナビは,どうやら相変わらずそっちのルートを勧めているようである。



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