年末だし、ゲームネタいっちゃっていいかな。
今年の秋口からかなり長期間ハマッていたのは『DEFCON』という名のPCゲーム。イギリスのIntroversion社の作品です。ハマッていた、と過去形なのは、没頭しすぎて他のことをする時間がない状況に危機感を持ったので、心を鬼にしてアンインストールしてしまったからです。毎晩5時間くらいやってたからなー。
そんなに面白いの? ときかれたら返答に窮します。たぶん、ほとんどの方にはつまらないはず。ていうか、受け入れられない気がする。でも、ハマる人はハマるでしょうな。ぼくはハマッた。カンタンに内容を説明しましょう。
テーマは世界熱核戦争。最大6人のプレイヤーがインターネットを介して対戦します。地球は6つのテリトリーに分割され、プレイヤーはそのひとつを受け持って、自領土を守り、他国を攻撃します。分割のされかたはちょっと強引で、アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、アジア、アフリカの6つ。日本はアジアに組み込まれてます。人口や戦力はどのテリトリーも同じですが、現実の地形と国境線をもとにしているので地政学的な特徴は異なります。このあたりがゲーム性のキモですな。
各プレイヤーはICBM、戦闘機、爆撃機、空母、戦艦、潜水艦といったユニットをコントロールします。各ユニットの機能は単純化されていて、プレイヤーは移動先と攻撃目標の設定のみできます。あとは勝手に動いてくれる。数百のユニットが画面上をリアルタイムに飛び交う姿は壮観ですが、その無機的な描写は薄ら寒さも感じさせます。全般的に薄ら寒いゲームなんですけど、それが意図されたデザイン。貴重なテイスト。
まずは通常兵力で相手の力を減じ、機を見て核兵器を投入します。サイロから放ったICBMは地球の裏側まで飛んでいきます。潜水艦と爆撃機から発射するミサイルは射程が短いので、目標に接近してからの発射となります。弧を描いて飛ぶミサイルが目標の都市に達すると白い球が生じ、その都市の人口の半数程度が失われます。
得点は減った人口をもとに計算します。デフォルトのルールでは、「敵国の損害×2-自国の損害=得点(単位百万)」。たとえば1億KILLして、5000万KILLされると、150ポイントとなります。実力が伯仲したプレイでは1位のプレイヤーの点数がそのくらいになることが多い。200ポイントくらい行くと、「うまくできた」と感じます。
ここまで読んで、ドン引きしてる方もいるでしょうね。ワタクシも「ヤバイよなー、これ」と思いながら書いてます。でもね、真剣にやると勉強になるゲームなんです。それは間違いない。なんの勉強? 国際政治と人間心理かな。骨身に染みる感じ。
DEFCONはひとりでプレイしても退屈で、実質的には人間との対戦が前提のゲームといっていいでしょう。インターネットで相手を見つけ、最大6人でプレイします。イギリスのメーカーの作品だからか、参加者は欧州人が多い。チャットで「どこから来てるの?」みたいな会話が生じると、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアといった答えをよく目にします。日本人はごく少数と思われます。
共通言語は英語ですが、たまに英語以外の言語でチャットしてる人がいます。そういうときは「英語でやれ!」とチェックが入ったりする。たしかに、わからない言語でなにやら相談してるのを聞くと、不安になります。そういった「人間の怖さ」みたいなものが表面化するゲームです。
DEFCONには同盟(alliance)という概念があります。プレイ中に同盟関係を結ぶと、情報が共有され同盟国の行動も見えるようになります(潜水艦を除く)。当然、同盟国同士は相手を攻撃できなくなります。6人プレイの場合、3対3や2対2対2の同盟関係が自然に生じることが多いようです。
同盟は2正面作戦を避けるために重要で、これは実際の歴史にもよく出てくるパターンです(たとえば独ソ不可侵条約)。そして、この手の同盟がカンタンに破棄されることがあるのも史実どおり。
ワタクシがDEFCON初心者の頃、同盟を結んだ相手が、突然、無警戒な我が国に向かってミサイルを撃ってきたことがあります。当然、コテンパにやられました。仲間だと思った相手がシラッと攻めてきたわけです。あれはショックだった。強烈に学習しました。国際社会においては口先だけの同盟なんて無意味だ、と。やつらは平気で背中を撃ってくる、と。
その後、ワタクシも同盟破りを適宜利用するようになりました。タイミングを掴むとすこぶる効果的な手段です。そして、同盟相手の裏切りに備えて行動することも覚えました。味方との国境に、多すぎず少なすぎない量の兵器を配置しておく。抑止力ですな。それと、国際関係の維持にはコミュニケーションが大事です。チャットで「次は○○を攻めるよ」とか「○○方面で困ってるなら艦隊送ろうか?」とかやるんですね。意味のある会話をしている間は裏切りも起きにくい。もちろん、仲良くやっていた相手が最後の最後に撃ってくることもあるので、鵜呑みにしちゃいけません。とくに饒舌なヤツは要注意。不穏な行動を隠すためにしゃべりまくってる場合があります。いろんな人間がいます。社会勉強になる。
ただ、このように疑心暗鬼なプレイをしてると、ゲームを楽しんでるって感覚は薄くなってきます。冷たいスリルを味わうためにプレイする感じ。そして、人間のダークサイドをのぞき見ることが目的になってくる。それが安全かつ低コストにできるのがこのゲームの最大の長所といえるでしょうが、同時にこのゲームをオススメできない理由でもあります。
DEFCONは久しぶりの「語れる」ゲームでした。ちょうどハマりはじめの頃、北朝鮮の核実験騒動があったんですけど、DEFCONから得た知見をもとに極東の核戦略について一説ぶつことも可能だな、と思ったりしました。ここに書くのはやめておきますけどネ。
DEFCONオフィシャルサイト= http://everybody-dies.com/ (ドメイン名からしてヤバイ!)
今年の秋口からかなり長期間ハマッていたのは『DEFCON』という名のPCゲーム。イギリスのIntroversion社の作品です。ハマッていた、と過去形なのは、没頭しすぎて他のことをする時間がない状況に危機感を持ったので、心を鬼にしてアンインストールしてしまったからです。毎晩5時間くらいやってたからなー。
そんなに面白いの? ときかれたら返答に窮します。たぶん、ほとんどの方にはつまらないはず。ていうか、受け入れられない気がする。でも、ハマる人はハマるでしょうな。ぼくはハマッた。カンタンに内容を説明しましょう。
テーマは世界熱核戦争。最大6人のプレイヤーがインターネットを介して対戦します。地球は6つのテリトリーに分割され、プレイヤーはそのひとつを受け持って、自領土を守り、他国を攻撃します。分割のされかたはちょっと強引で、アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、アジア、アフリカの6つ。日本はアジアに組み込まれてます。人口や戦力はどのテリトリーも同じですが、現実の地形と国境線をもとにしているので地政学的な特徴は異なります。このあたりがゲーム性のキモですな。
各プレイヤーはICBM、戦闘機、爆撃機、空母、戦艦、潜水艦といったユニットをコントロールします。各ユニットの機能は単純化されていて、プレイヤーは移動先と攻撃目標の設定のみできます。あとは勝手に動いてくれる。数百のユニットが画面上をリアルタイムに飛び交う姿は壮観ですが、その無機的な描写は薄ら寒さも感じさせます。全般的に薄ら寒いゲームなんですけど、それが意図されたデザイン。貴重なテイスト。
まずは通常兵力で相手の力を減じ、機を見て核兵器を投入します。サイロから放ったICBMは地球の裏側まで飛んでいきます。潜水艦と爆撃機から発射するミサイルは射程が短いので、目標に接近してからの発射となります。弧を描いて飛ぶミサイルが目標の都市に達すると白い球が生じ、その都市の人口の半数程度が失われます。
得点は減った人口をもとに計算します。デフォルトのルールでは、「敵国の損害×2-自国の損害=得点(単位百万)」。たとえば1億KILLして、5000万KILLされると、150ポイントとなります。実力が伯仲したプレイでは1位のプレイヤーの点数がそのくらいになることが多い。200ポイントくらい行くと、「うまくできた」と感じます。
ここまで読んで、ドン引きしてる方もいるでしょうね。ワタクシも「ヤバイよなー、これ」と思いながら書いてます。でもね、真剣にやると勉強になるゲームなんです。それは間違いない。なんの勉強? 国際政治と人間心理かな。骨身に染みる感じ。
DEFCONはひとりでプレイしても退屈で、実質的には人間との対戦が前提のゲームといっていいでしょう。インターネットで相手を見つけ、最大6人でプレイします。イギリスのメーカーの作品だからか、参加者は欧州人が多い。チャットで「どこから来てるの?」みたいな会話が生じると、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアといった答えをよく目にします。日本人はごく少数と思われます。
共通言語は英語ですが、たまに英語以外の言語でチャットしてる人がいます。そういうときは「英語でやれ!」とチェックが入ったりする。たしかに、わからない言語でなにやら相談してるのを聞くと、不安になります。そういった「人間の怖さ」みたいなものが表面化するゲームです。
DEFCONには同盟(alliance)という概念があります。プレイ中に同盟関係を結ぶと、情報が共有され同盟国の行動も見えるようになります(潜水艦を除く)。当然、同盟国同士は相手を攻撃できなくなります。6人プレイの場合、3対3や2対2対2の同盟関係が自然に生じることが多いようです。
同盟は2正面作戦を避けるために重要で、これは実際の歴史にもよく出てくるパターンです(たとえば独ソ不可侵条約)。そして、この手の同盟がカンタンに破棄されることがあるのも史実どおり。
ワタクシがDEFCON初心者の頃、同盟を結んだ相手が、突然、無警戒な我が国に向かってミサイルを撃ってきたことがあります。当然、コテンパにやられました。仲間だと思った相手がシラッと攻めてきたわけです。あれはショックだった。強烈に学習しました。国際社会においては口先だけの同盟なんて無意味だ、と。やつらは平気で背中を撃ってくる、と。
その後、ワタクシも同盟破りを適宜利用するようになりました。タイミングを掴むとすこぶる効果的な手段です。そして、同盟相手の裏切りに備えて行動することも覚えました。味方との国境に、多すぎず少なすぎない量の兵器を配置しておく。抑止力ですな。それと、国際関係の維持にはコミュニケーションが大事です。チャットで「次は○○を攻めるよ」とか「○○方面で困ってるなら艦隊送ろうか?」とかやるんですね。意味のある会話をしている間は裏切りも起きにくい。もちろん、仲良くやっていた相手が最後の最後に撃ってくることもあるので、鵜呑みにしちゃいけません。とくに饒舌なヤツは要注意。不穏な行動を隠すためにしゃべりまくってる場合があります。いろんな人間がいます。社会勉強になる。
ただ、このように疑心暗鬼なプレイをしてると、ゲームを楽しんでるって感覚は薄くなってきます。冷たいスリルを味わうためにプレイする感じ。そして、人間のダークサイドをのぞき見ることが目的になってくる。それが安全かつ低コストにできるのがこのゲームの最大の長所といえるでしょうが、同時にこのゲームをオススメできない理由でもあります。
DEFCONは久しぶりの「語れる」ゲームでした。ちょうどハマりはじめの頃、北朝鮮の核実験騒動があったんですけど、DEFCONから得た知見をもとに極東の核戦略について一説ぶつことも可能だな、と思ったりしました。ここに書くのはやめておきますけどネ。
DEFCONオフィシャルサイト= http://everybody-dies.com/ (ドメイン名からしてヤバイ!)