先日、
『ハッピーフライト』
を鑑賞してきたことは書きました。
今回は、
急な思いつきで、
覚えている限りで、
『ハッピーフライト』に出てくる航空用語を、
簡単にご説明したいと思います。
専門的には間違っているかもしれませんが、
参考にはなると思います。
もちろん、
内容は書きませんのでご安心ください。
操縦編
・『コーパイ』
-副操縦士(Co-Pilot)のこと。
機長(キャプテン)の補佐と思われがちですが、
操縦資格を持っていますので、
機長の指示で操縦をすることもあります。
機長になるために訓練中の副操縦士は、
機長として操縦することがあります。
通常は副操縦士が右席、
機長が左席に座ります。
ちなみに、
一定以上の高度を飛行しているときに、
片方のパイロットが席を外すときには、
残るパイロットは、
酸素マスクをする決まりになっています。
例えば、トイレに行く場合でも、
一定以上の高度の場合は、
残るパイロットは酸素マスクをします。
これは、
万が一故障や破損が発生して、
機内の気圧が急に低くなったとしても、
残ったパイロットが意識を失わないようにするためです。
・『OJT』
-『On The Job Training』の略で、
「実地訓練」というような意味です。
それまでの訓練を踏まえて、
実際の現場で学ぶということです
・『ディスパッチャー』
-運行管理者のことで、
機体の重さから予想される重量、積み込む燃料の量、
これから飛ぶルートの天候や各地の空港の情報を打ち合わせます。
機長とディスパッチャーが同意した場合に限り出発することができ、
どちらか片方が反対した場合はフライトがキャンセルになります。
・『コックピット』
-飛行機の操縦室のことです。
『ニワトリのオリ』という意味で、
その狭さから命名されたといわれています。
・『ギア』
-飛行機の車輪のことです。
小さなレバーでアップ、ダウンします。
・『フラップ』
-風をたくさんつかまえて、離着陸しやすいようにする装置です。
翼の後ろ側から出てきます。
フラップの角度が大きいほど、
遅い速度で着陸することができます。
・『数字』
-コックピットの中での数字には、
いろいろな意味があります。
『ヘディング310(スリーワンゼロ)』の場合は、
『飛行機の向きを磁方位で310度に向ける』ということになります。
(0度・360度で真北、180度で真南です。)
-離陸時の『エイティ(80)』は速度(単位はノット)のことです。
加速の具合を知るためにも、
通常は副操縦士がコールし、
機長は確認後に「チェック(ト)」と返事をします。
-離陸の時には、
『ヴイワン(V1)』-1つのエンジンが壊れても離陸する速度
『ヴイアール(VR)』-頭を持ち上げる速度
『ヴイツー(V2)』-浮き上がる速度
が副操縦士からコールされます。
V1がコールされると、機長はエンジンの装置から手をはずします。
V2の後に『ポジティブ』とコールされますが、
これは『上昇している』ということです。
このコールの後、ギアをアップします。
ちなみに、
今の航空機の性能は抜群で、
たとえ飛行中にエンジンが1つ停止したとしても、
かなりの時間を安全に飛行できます。
・ランウェイ
滑走路のことで磁方位の数字とセットになっています。
「ランウェイ 18(ワンエイト)」の場合は、
「磁方位180度(真南)の滑走路」という意味です。
空港内に同じ向きの滑走路が二つある場合は、
最後に「レフト」「ライト」をつけて区別します。
・ゴーアラウンド
着陸をやめて、一度上昇することです。
視界が悪く、滑走路が見えない状態で進入していく場合、
着陸を行うか、ゴーアラウンドするかは高度(高さ)で決まります。
決められた高さに下がるまでに滑走路や
滑走路への進入方向を教えてくれる誘導灯が見えない場合は、
着陸を中止して、
再び上昇しなければなりません。
『アプローチング・ミニマム』
というコールは、
『着陸を決心する高度に近づいています』
その後の『ミニマム』
というコールは、
『着陸を決心する高度です』
という意味で、
操縦しているパイロットは、
ミニマムまでに着陸をするか、ゴーアラウンドするかを決めます。
天候が良くても、風が強いような場合は
ゴーアラウンドすることがあります。
・クラブ(法)
着陸の際に使うテクニックの一つです。
滑走路に対して横からの風が強いときに、
機体をまっすぐに滑走路へ導くために、
機首を風の方向に向けて、
滑走路へカニ(Crab)のように進入することをさします。
わざと横滑りをさせているような感じです。
風が吹いてくるほうの翼を下げて進入する、
「ウイング ロー」という方法もあり、
この二つを併用することが多いようです。
・ピトー管
-飛行機の速度を計るための装置です。
通常は問題ないのですが、
上空の冷えた空気に当たると、凍結してしまい、
速度が正しく計れなくなることがあります。
もちろん、凍結防止の装置もついているので、
心配する必要はありません。
・バードストライク
-鳥が離陸中や飛行中の飛行機にぶつかってしまうことです。
鳥対策の人や機械がありますが、
残念ながら完璧ではありません。
特にエンジンに鳥を吸い込んだ場合が最悪で、
まず機内全域に焦げた臭いがします。
(エアコンの熱はエンジンから取っています)
一部には「やきとり」と呼ばれますが、
その臭いは不快なもののようです。
その結果、異常がなければ良いのですが、
時としてエンジンが不調になり、
引き返したり、
他の空港に降りたりすることもあります。
・ハイドロプレーニング(現象)
雨が降って、水溜りができるくらいに滑走路が濡れているてときに、
タイヤの溝に、水が楔形(クサビガタ)状に入り込み、
機体を少し浮き上がらせてしまう現象のことで、
「ハイドロ」と略されることが多いです。
車の免許を取るときにも習います。
ハイドロがおきると、
氷の上をすべるような感じとなり、
コントロールが効きません。
ブレーキも効きません。
そこで、
雨の時には
『ドン』
と機体を滑走路に押し付けて着陸し、
ハイドロを防ぐことが多いです。
・エンジンリバース
着陸のときに、
エンジンから出る空気の流れをせき止めて、
逆向きに流れさせることです。
前に進もうとする飛行機の速度を遅くしてくれる、
大事な役目を持っていますが、
止まっている飛行機をバックさせる力はほとんどありません。
ブレーキのアシスタントのような存在です。
エンジンリバースは、
タイヤが地面と触れたとたんに作動させることが多く、
作動中はかなり大きな音がします。
リバース中のエンジンを横から見ると、
その多くが真ん中よりも少し前の辺りから
パッカリと割れているように見えます。
・パイロットの食事
長距離を飛行する場合は、
パイロットも食事をします。
ですが、
安全のためにコックピットで食べます。
目は仕事をしたまま、
服を汚さないように食べるため、
『コックピットで上手く食事ができるようになったら一人前』
と語り継ぐこともあるとか。
ちなみに、
パイロットの食事は全員ばらばらのものが用意されます。
これは、
仮に食中毒が発生した場合、
複数のパイロットが同じものを食べて、
同時にダウンしないための配慮です。
客室編
・客室
-客室のことを『キャビン』と呼びます。
キャビンには『CAさん(キャビンアテンダント)』と、
キャビンの責任者であるパーサーが乗り込みます。
客席の数や機体のドアの数によって、
同乗するキャビンアテンダントの数には下限があります。
-CAさんは接客係と思われているかもしれませんが、
実際には『保安要員』です。
緊急時には、乗客の安全を確保する重要な存在なのです。
緊急時には口調が命令調に変わり、
乗客に対して避難指示を出します。
ちなみに、
飛行中の飛行機の全責任者は機長ですから、
緊急時には機長からも命令されることがあります。
緊急時の機長には警察権があり、
指揮・命令をすることが許されています。
-『ギャレー』は一般で言うキッチンのようなところです。
ただし、安全のために火を使うことはできません。
ギャレーで温められたミール(食事)は、
カートによって各乗客に運ばれます。
(ファーストクラスは手で運ぶ場合が多いようです)
-『エルワン』『アールワン』
「L1」は飛行機の一番前にある、左側のドアのことです。
「R2」は右側2番目のドアです。
二階建ての飛行機の場合には、
「UL(ユーエル)」「UR(ユーアール)」というドアもあります。
これらはCAさんが担当するドア位置のことで、
緊急時には担当のドアから乗客に避難指示を出すことになります。
ちなみに、
L1はチーフパーサーが担当することが多いようです。
管制編
・管制(無線)
-飛行機は管制官の指示がないと飛ぶことができません。
正確には、管制にも色々な担当があって、
地上での誘導をする『グランド』
出発を管理する『デパーチャー』
など、かなりたくさんの管制が行われます。
管制官とパイロットのやり取りは、基本的には
ATC(Air Traffic Control)と呼ばれる専門英語で行われます。
ATCでの数字は、
1から0までを、
ワン トウー トゥリー フォア ファイフ
シックス セブンス アイト ナイナー ジロ
と発音します。
『ワンワンワン デシモル ナイナー』
という場合は、
『周波数 111.9』
という意味になります。
アルファベットも、
アルファ ブラボー チャーリー デルタ
エコー フォックストロット ゴルフ ホテル …
と、通常とは違った読み方をします。
無線でのやり取りですので、
発音の似た記号を間違わないようにするための配慮です。
興味のある方はネットで検索してみてください!
管制の続きですが、
『クリアー フォー テイクオフ』
は、
『離陸してよい』
というようになります。
『クリアー フォー アプローチ』
は、
『着陸のために滑走路に進入してきてよい』
『クリアー フォー ランディング』
は、
『着陸してよい』
となります。
・オールニッポン
-定期便を運行している航空会社の場合は、
無線での呼び出しの際に、
略称で航空会社の区別を行います。
ANAの場合は『オールニッポン』です。
『オールニッポン スリーワンゼロ』
という呼び出しの場合は、
『ANA310便』
という意味になります。
・カンパニー
-飛行中の飛行機から、
現在の空の状況や燃料の状況などを会社に報告する場合、
『カンパニー』と呼ばれます。
ANAの場合は『OCC(オペレーション・コントロール・センター)』
と呼ばれるセクションがあり、
通常の運行を管理するだけでなく、
欠航などの際に、
飛行機と人材を手配します。
カンパニーとの通信は、
通常日本語で行われます。
・整備
-航空機の整備は重要です。
そのため、決められた期間で
必ず点検・整備をするようになっています。
それ以外にも、毎日機体を点検することが義務付けられており、
整備の責任者と機長が同意しなければ、出発することができません。
出発直後の飛行機に手を振っておられる方々の中には、
出発前の点検をした整備士の方もおられるはずです。
教え子に聞いた話ですが、
整備の現場では、モノの紛失が許されないそうです。
たった一つのネジがなくなっただけでも、
全員で、徹底的に探すそうです。
万一、飛行機の大事な部分に入っていた場合、
大事故を招きかねないからです。
しかし、誤解を招くことを承知で書きますと、
完全に整備された状態で飛んでいる飛行機は少ないと思います。
もちろん、安全にかかわる部分は完璧に整備されていますが、
そうではない部分の整備は、
次の機会に持ち越されることもあるのです。
基本的に、
飛行機の設計は、
2重3重のバックアップ・安全対策がされていますので、
出発前の限られた時間で整備するよりも、
あとでゆっくりやるほうが効率がよいのです。
心配しなくても、
間違いなく安全です(笑)。
とまあ、
ざっとこんな感じです。
ちょっと長くなりましたが、
すこしでも『ハッピーフライト』を楽しんでいただける、
お手伝いをできたらな、と。
Have a good flight!
『ハッピーフライト』
を鑑賞してきたことは書きました。
今回は、
急な思いつきで、
覚えている限りで、
『ハッピーフライト』に出てくる航空用語を、
簡単にご説明したいと思います。
専門的には間違っているかもしれませんが、
参考にはなると思います。
もちろん、
内容は書きませんのでご安心ください。
操縦編
・『コーパイ』
-副操縦士(Co-Pilot)のこと。
機長(キャプテン)の補佐と思われがちですが、
操縦資格を持っていますので、
機長の指示で操縦をすることもあります。
機長になるために訓練中の副操縦士は、
機長として操縦することがあります。
通常は副操縦士が右席、
機長が左席に座ります。
ちなみに、
一定以上の高度を飛行しているときに、
片方のパイロットが席を外すときには、
残るパイロットは、
酸素マスクをする決まりになっています。
例えば、トイレに行く場合でも、
一定以上の高度の場合は、
残るパイロットは酸素マスクをします。
これは、
万が一故障や破損が発生して、
機内の気圧が急に低くなったとしても、
残ったパイロットが意識を失わないようにするためです。
・『OJT』
-『On The Job Training』の略で、
「実地訓練」というような意味です。
それまでの訓練を踏まえて、
実際の現場で学ぶということです
・『ディスパッチャー』
-運行管理者のことで、
機体の重さから予想される重量、積み込む燃料の量、
これから飛ぶルートの天候や各地の空港の情報を打ち合わせます。
機長とディスパッチャーが同意した場合に限り出発することができ、
どちらか片方が反対した場合はフライトがキャンセルになります。
・『コックピット』
-飛行機の操縦室のことです。
『ニワトリのオリ』という意味で、
その狭さから命名されたといわれています。
・『ギア』
-飛行機の車輪のことです。
小さなレバーでアップ、ダウンします。
・『フラップ』
-風をたくさんつかまえて、離着陸しやすいようにする装置です。
翼の後ろ側から出てきます。
フラップの角度が大きいほど、
遅い速度で着陸することができます。
・『数字』
-コックピットの中での数字には、
いろいろな意味があります。
『ヘディング310(スリーワンゼロ)』の場合は、
『飛行機の向きを磁方位で310度に向ける』ということになります。
(0度・360度で真北、180度で真南です。)
-離陸時の『エイティ(80)』は速度(単位はノット)のことです。
加速の具合を知るためにも、
通常は副操縦士がコールし、
機長は確認後に「チェック(ト)」と返事をします。
-離陸の時には、
『ヴイワン(V1)』-1つのエンジンが壊れても離陸する速度
『ヴイアール(VR)』-頭を持ち上げる速度
『ヴイツー(V2)』-浮き上がる速度
が副操縦士からコールされます。
V1がコールされると、機長はエンジンの装置から手をはずします。
V2の後に『ポジティブ』とコールされますが、
これは『上昇している』ということです。
このコールの後、ギアをアップします。
ちなみに、
今の航空機の性能は抜群で、
たとえ飛行中にエンジンが1つ停止したとしても、
かなりの時間を安全に飛行できます。
・ランウェイ
滑走路のことで磁方位の数字とセットになっています。
「ランウェイ 18(ワンエイト)」の場合は、
「磁方位180度(真南)の滑走路」という意味です。
空港内に同じ向きの滑走路が二つある場合は、
最後に「レフト」「ライト」をつけて区別します。
・ゴーアラウンド
着陸をやめて、一度上昇することです。
視界が悪く、滑走路が見えない状態で進入していく場合、
着陸を行うか、ゴーアラウンドするかは高度(高さ)で決まります。
決められた高さに下がるまでに滑走路や
滑走路への進入方向を教えてくれる誘導灯が見えない場合は、
着陸を中止して、
再び上昇しなければなりません。
『アプローチング・ミニマム』
というコールは、
『着陸を決心する高度に近づいています』
その後の『ミニマム』
というコールは、
『着陸を決心する高度です』
という意味で、
操縦しているパイロットは、
ミニマムまでに着陸をするか、ゴーアラウンドするかを決めます。
天候が良くても、風が強いような場合は
ゴーアラウンドすることがあります。
・クラブ(法)
着陸の際に使うテクニックの一つです。
滑走路に対して横からの風が強いときに、
機体をまっすぐに滑走路へ導くために、
機首を風の方向に向けて、
滑走路へカニ(Crab)のように進入することをさします。
わざと横滑りをさせているような感じです。
風が吹いてくるほうの翼を下げて進入する、
「ウイング ロー」という方法もあり、
この二つを併用することが多いようです。
・ピトー管
-飛行機の速度を計るための装置です。
通常は問題ないのですが、
上空の冷えた空気に当たると、凍結してしまい、
速度が正しく計れなくなることがあります。
もちろん、凍結防止の装置もついているので、
心配する必要はありません。
・バードストライク
-鳥が離陸中や飛行中の飛行機にぶつかってしまうことです。
鳥対策の人や機械がありますが、
残念ながら完璧ではありません。
特にエンジンに鳥を吸い込んだ場合が最悪で、
まず機内全域に焦げた臭いがします。
(エアコンの熱はエンジンから取っています)
一部には「やきとり」と呼ばれますが、
その臭いは不快なもののようです。
その結果、異常がなければ良いのですが、
時としてエンジンが不調になり、
引き返したり、
他の空港に降りたりすることもあります。
・ハイドロプレーニング(現象)
雨が降って、水溜りができるくらいに滑走路が濡れているてときに、
タイヤの溝に、水が楔形(クサビガタ)状に入り込み、
機体を少し浮き上がらせてしまう現象のことで、
「ハイドロ」と略されることが多いです。
車の免許を取るときにも習います。
ハイドロがおきると、
氷の上をすべるような感じとなり、
コントロールが効きません。
ブレーキも効きません。
そこで、
雨の時には
『ドン』
と機体を滑走路に押し付けて着陸し、
ハイドロを防ぐことが多いです。
・エンジンリバース
着陸のときに、
エンジンから出る空気の流れをせき止めて、
逆向きに流れさせることです。
前に進もうとする飛行機の速度を遅くしてくれる、
大事な役目を持っていますが、
止まっている飛行機をバックさせる力はほとんどありません。
ブレーキのアシスタントのような存在です。
エンジンリバースは、
タイヤが地面と触れたとたんに作動させることが多く、
作動中はかなり大きな音がします。
リバース中のエンジンを横から見ると、
その多くが真ん中よりも少し前の辺りから
パッカリと割れているように見えます。
・パイロットの食事
長距離を飛行する場合は、
パイロットも食事をします。
ですが、
安全のためにコックピットで食べます。
目は仕事をしたまま、
服を汚さないように食べるため、
『コックピットで上手く食事ができるようになったら一人前』
と語り継ぐこともあるとか。
ちなみに、
パイロットの食事は全員ばらばらのものが用意されます。
これは、
仮に食中毒が発生した場合、
複数のパイロットが同じものを食べて、
同時にダウンしないための配慮です。
客室編
・客室
-客室のことを『キャビン』と呼びます。
キャビンには『CAさん(キャビンアテンダント)』と、
キャビンの責任者であるパーサーが乗り込みます。
客席の数や機体のドアの数によって、
同乗するキャビンアテンダントの数には下限があります。
-CAさんは接客係と思われているかもしれませんが、
実際には『保安要員』です。
緊急時には、乗客の安全を確保する重要な存在なのです。
緊急時には口調が命令調に変わり、
乗客に対して避難指示を出します。
ちなみに、
飛行中の飛行機の全責任者は機長ですから、
緊急時には機長からも命令されることがあります。
緊急時の機長には警察権があり、
指揮・命令をすることが許されています。
-『ギャレー』は一般で言うキッチンのようなところです。
ただし、安全のために火を使うことはできません。
ギャレーで温められたミール(食事)は、
カートによって各乗客に運ばれます。
(ファーストクラスは手で運ぶ場合が多いようです)
-『エルワン』『アールワン』
「L1」は飛行機の一番前にある、左側のドアのことです。
「R2」は右側2番目のドアです。
二階建ての飛行機の場合には、
「UL(ユーエル)」「UR(ユーアール)」というドアもあります。
これらはCAさんが担当するドア位置のことで、
緊急時には担当のドアから乗客に避難指示を出すことになります。
ちなみに、
L1はチーフパーサーが担当することが多いようです。
管制編
・管制(無線)
-飛行機は管制官の指示がないと飛ぶことができません。
正確には、管制にも色々な担当があって、
地上での誘導をする『グランド』
出発を管理する『デパーチャー』
など、かなりたくさんの管制が行われます。
管制官とパイロットのやり取りは、基本的には
ATC(Air Traffic Control)と呼ばれる専門英語で行われます。
ATCでの数字は、
1から0までを、
ワン トウー トゥリー フォア ファイフ
シックス セブンス アイト ナイナー ジロ
と発音します。
『ワンワンワン デシモル ナイナー』
という場合は、
『周波数 111.9』
という意味になります。
アルファベットも、
アルファ ブラボー チャーリー デルタ
エコー フォックストロット ゴルフ ホテル …
と、通常とは違った読み方をします。
無線でのやり取りですので、
発音の似た記号を間違わないようにするための配慮です。
興味のある方はネットで検索してみてください!
管制の続きですが、
『クリアー フォー テイクオフ』
は、
『離陸してよい』
というようになります。
『クリアー フォー アプローチ』
は、
『着陸のために滑走路に進入してきてよい』
『クリアー フォー ランディング』
は、
『着陸してよい』
となります。
・オールニッポン
-定期便を運行している航空会社の場合は、
無線での呼び出しの際に、
略称で航空会社の区別を行います。
ANAの場合は『オールニッポン』です。
『オールニッポン スリーワンゼロ』
という呼び出しの場合は、
『ANA310便』
という意味になります。
・カンパニー
-飛行中の飛行機から、
現在の空の状況や燃料の状況などを会社に報告する場合、
『カンパニー』と呼ばれます。
ANAの場合は『OCC(オペレーション・コントロール・センター)』
と呼ばれるセクションがあり、
通常の運行を管理するだけでなく、
欠航などの際に、
飛行機と人材を手配します。
カンパニーとの通信は、
通常日本語で行われます。
・整備
-航空機の整備は重要です。
そのため、決められた期間で
必ず点検・整備をするようになっています。
それ以外にも、毎日機体を点検することが義務付けられており、
整備の責任者と機長が同意しなければ、出発することができません。
出発直後の飛行機に手を振っておられる方々の中には、
出発前の点検をした整備士の方もおられるはずです。
教え子に聞いた話ですが、
整備の現場では、モノの紛失が許されないそうです。
たった一つのネジがなくなっただけでも、
全員で、徹底的に探すそうです。
万一、飛行機の大事な部分に入っていた場合、
大事故を招きかねないからです。
しかし、誤解を招くことを承知で書きますと、
完全に整備された状態で飛んでいる飛行機は少ないと思います。
もちろん、安全にかかわる部分は完璧に整備されていますが、
そうではない部分の整備は、
次の機会に持ち越されることもあるのです。
基本的に、
飛行機の設計は、
2重3重のバックアップ・安全対策がされていますので、
出発前の限られた時間で整備するよりも、
あとでゆっくりやるほうが効率がよいのです。
心配しなくても、
間違いなく安全です(笑)。
とまあ、
ざっとこんな感じです。
ちょっと長くなりましたが、
すこしでも『ハッピーフライト』を楽しんでいただける、
お手伝いをできたらな、と。
Have a good flight!