マイケル・ムーアインタビューから
《つまり民主主義と資本主義は両立しないという考えですか。》
民主主義と資本主義は正反対なんだよ。資本主義は少数が利益を得るように設定されている。対して民主主義はすべての人の利益を考える。経済活動がどう行われるべきかという問題に対し、民主主義者として僕らにどのくらい発言権がある?社会の中で最も重要な経済についての発言権もないのに、民主主義とは呼ばないだろう?
枠組みを超えて
《社会主義についてはどう思いますか。》
ロシアで起こったことが原因で、社会主義に悪名がついたのは残念なことだ。だからといって、資本主義は良くないから、じゃあ社会主義に向かおうということではない。今までの枠組みを超えて考えるべきだ。 もう21世紀なんだし、僕らは僕らの時代に合ったやり方をみつけなければいけないんじゃないか。
《資本主義社会で、かつ民主主義が機能している国もありますね。》
僕は、起業してお金をもうけること自体が悪いと思っているわけじゃない。でも、他者を搾取したり、利益を不公平な形で分配したりしたら、それは一線を越えている。かつては民主的な資本主義があったかもしれない。しかし100年、150年前の姿を使って資本主義を定義することはできないんだよ。
《自由競争だったのが、何か違うものに変化したと?》
その昔は、どの町にもそれぞれ町の靴屋とかアイスクリーム屋があったよね。資本主義を信奉する人たちはそもそも自由なんか信じていないし、競争を欲していない。彼らがむしろ一番求めていない競争だ。利益を独占したいんだよ。
《資本主義の基本は欲望の充足にあります。そして欲望は人間の特性でもありますが。》
そりゃ、目の前にチョコチップ・クッキーの皿が置かれたら、できるだけ多く食べようとするさ(笑い)。健康面で良くないことが分かっていてもね。でも、10枚のクッキーがあったとして、僕が9枚、最後の1枚を残りの9人が分け合うのは、果たして良いといえるかい?それが今の状況なんだ。
《米国人はそんな資本主義を容認しているようにも見えます。》
そうなんだ。無知を強いるシステムの中で育てられたからね。ほとんどの米国人はイラクがどこにあるか知らないんだよ。位置もわからない国に侵攻し、後で調べればいいと思う国なんだ。そんな国が世界のナンバーワン・パワーを持っていていいと思う?僕があなたの国の人間だったら怖いと思うけどね。
「夢」こそ危険
《米国の問題は、実は「アメリカン・ドリーム」に内在するものではないですか。》
答えは、イエスだ。夢っていうところが危険なんだ。いつか金持ちになれるって、鼻先にニンジンをぶら下げるようなものだ。君たちの国では「君もいつか大金持ちになれる!」なんて子どもを育てたりはしないだろう?「何それ、冗談も大概にしとけよ」で終わるよね(笑い)。
《日本人にとって、米国は長い間、あこがれの存在でしたが。》
確かにいいところもあるよ。しかし、米国のようになってしまう、と言いたいんだ。ジャズやジーンズの話をしているんじゃない。米国化が進めば、暴力も増えるし、銃の数も増え、アホな人々が増えてしまうんだよ。今すぐ止めないと(笑い)。
《米国の好きなところはどんなところでしょうか。》
まず言いたいことを言えるところだね。米国人の明るい人柄も好きだし、
…
(後略)
《つまり民主主義と資本主義は両立しないという考えですか。》
民主主義と資本主義は正反対なんだよ。資本主義は少数が利益を得るように設定されている。対して民主主義はすべての人の利益を考える。経済活動がどう行われるべきかという問題に対し、民主主義者として僕らにどのくらい発言権がある?社会の中で最も重要な経済についての発言権もないのに、民主主義とは呼ばないだろう?
枠組みを超えて
《社会主義についてはどう思いますか。》
ロシアで起こったことが原因で、社会主義に悪名がついたのは残念なことだ。だからといって、資本主義は良くないから、じゃあ社会主義に向かおうということではない。今までの枠組みを超えて考えるべきだ。 もう21世紀なんだし、僕らは僕らの時代に合ったやり方をみつけなければいけないんじゃないか。
《資本主義社会で、かつ民主主義が機能している国もありますね。》
僕は、起業してお金をもうけること自体が悪いと思っているわけじゃない。でも、他者を搾取したり、利益を不公平な形で分配したりしたら、それは一線を越えている。かつては民主的な資本主義があったかもしれない。しかし100年、150年前の姿を使って資本主義を定義することはできないんだよ。
《自由競争だったのが、何か違うものに変化したと?》
その昔は、どの町にもそれぞれ町の靴屋とかアイスクリーム屋があったよね。資本主義を信奉する人たちはそもそも自由なんか信じていないし、競争を欲していない。彼らがむしろ一番求めていない競争だ。利益を独占したいんだよ。
《資本主義の基本は欲望の充足にあります。そして欲望は人間の特性でもありますが。》
そりゃ、目の前にチョコチップ・クッキーの皿が置かれたら、できるだけ多く食べようとするさ(笑い)。健康面で良くないことが分かっていてもね。でも、10枚のクッキーがあったとして、僕が9枚、最後の1枚を残りの9人が分け合うのは、果たして良いといえるかい?それが今の状況なんだ。
《米国人はそんな資本主義を容認しているようにも見えます。》
そうなんだ。無知を強いるシステムの中で育てられたからね。ほとんどの米国人はイラクがどこにあるか知らないんだよ。位置もわからない国に侵攻し、後で調べればいいと思う国なんだ。そんな国が世界のナンバーワン・パワーを持っていていいと思う?僕があなたの国の人間だったら怖いと思うけどね。
「夢」こそ危険
《米国の問題は、実は「アメリカン・ドリーム」に内在するものではないですか。》
答えは、イエスだ。夢っていうところが危険なんだ。いつか金持ちになれるって、鼻先にニンジンをぶら下げるようなものだ。君たちの国では「君もいつか大金持ちになれる!」なんて子どもを育てたりはしないだろう?「何それ、冗談も大概にしとけよ」で終わるよね(笑い)。
《日本人にとって、米国は長い間、あこがれの存在でしたが。》
確かにいいところもあるよ。しかし、米国のようになってしまう、と言いたいんだ。ジャズやジーンズの話をしているんじゃない。米国化が進めば、暴力も増えるし、銃の数も増え、アホな人々が増えてしまうんだよ。今すぐ止めないと(笑い)。
《米国の好きなところはどんなところでしょうか。》
まず言いたいことを言えるところだね。米国人の明るい人柄も好きだし、
…
(後略)