
1人キャンプの醍醐味?!
『糸糸的サバイバル』糸糸山秋子 講談社 2009年 1400円
いつもの通り、糸糸は、半角の2つの糸で1つの字だが、変換不能ゆえこれで代用。いやあ、この作家さん、以前から車に詳しかったり、男性っぽいなと思っていたのだけれど、キャンプが趣味とは。普通のキャンプなら男女問わずするものだろうけれど、「1人キャンプ」というのが変わっていて面白い。それに極め付けが、ナント、講談社の敷地でもテントを張ってキャンプを決行するのだから、こういうエッセイも誕生するというものだ。
本人が言うように、1人でキャンプをしても家に1人でいるのと同じだろうと思えるが、それが違うのだ。やはり焚き火で癒されるというのもあるし、なぜか毎回のように寒さがつきまとう。(夏に計画しなかったのでしょうか?)驚いたのは、赤城大沼での氷上キャンプ。そこでするのはワカサギ釣りでしょう・・・。大半が著者の地元、群馬で、榛名は2回。ただし2回目はブリザードというおまけつき。ときにはセネガル共和国でも行う(作品の取材がてらだったのだろう)。著者は躁うつ病とのことだが、神流町の神流川では幻聴が聞こえ、あまりの怖さに車中泊に。でもどうも「出た」みたいですね。幽霊が。
桐生市では友人宅の庭でキャンプ。ハプニングもつきものだが、三浦の荒井浜ではバンドエイドがなく、きゅうりで代用。1人キャンプは引越しと同じようなものという。その差はヒマなのか忙しいのかだけだというのも、転勤が多かった経験から出たものだろうか、身軽く生きられる人は羨ましい。旅行でも人の半分しか荷物がないという人に憧れる。
このキャンプ、寒さがなければいいんですが。もしくは虫に刺されるというのがなければ夏でも?ああ、でもエアコンがないのはキツイか。やはり自分には向いていないな。