鳥取市鹿野町末用鬼入道 《移転》
「珈琲 まるたつ」 【1314】

さて「ときわ」を後にして、県道21号線を鳥取へと帰路に着く途中、「鬼入道」の看板に従い右に折れ県道32号線に入り、道なりに約2㌔南下すると、左前方にうらぶれた茶色の外壁の一軒家を確認することが出来ます。

車を脇に停め側道を横切り、玄関へと向かいます。 それこそ外回りには、看板の一つも揚がっていませんので、此処がかの有名な「珈琲焙煎の店」とは、僅かな人しか知りえません(かく言うおやじも、初めは「え~!?」と疑心暗鬼でした)

扉を静かに開けると、小さな看板が立て掛けてあり、その奥に人の気配を感じました(お留守の時も多いです)
元々此処は2階が公民館で、1階は米搗き場であったのを改装され、焙煎工房として使用されています。

メニュー表。
シチュエーションに応じた世界の豆がラインナップされており、それぞれに端的な解説が綴られています。 尚同様のものを、豆を取り扱っている喫茶店やカフェでも見掛けますね。

オーダーを入れると物静かなご主人が、豆を挽いてくれます。

「エチオピア(深煎り)100㌘ 500円」
「ビターチョコの苦味に、完熟フルーツの複雑な香味。 まるで味と香りの万華鏡(まるたつさんの珈琲の横顔より)」

本来はハンドドリップで入れるのがベターですが、今回はフレンチプレスで頂いてみました。
此処の特徴として、先ず驚かされるのがその「芳醇なアロマ」であり、これだけ広がりを持ち、且つ深みのある香りは、他を間違いなく圧倒しています。 勿論味わいもビターな苦みが口中を軽やかに踊り、それでいて嫌味が無くスッと消え、清々しい余韻のみを残してくれ、正に至高の一服と言っても過言ではありません。
但しご主人が直に入れてくださる珈琲は、同じ豆であっても段違いの美味しさがあり、もはや(大げさでもなく)神レベルと言えるでしょう。 また取り扱っているお店を何軒か伺いましたが、全く別物と言っても良いほどの「差異」が其処にはあり、入れ手の技術を選ぶ豆であることも確かです。
見た目に囚われず唯々真髄を極める、そのひたむきな姿勢には感動すら覚え、おやじはこの小さな町で「最高傑作」に出会えた偶然に、感謝で一杯です。