河北新報の社説である。
あの子は誰だろう。北京五輪の聖火リレーに抗議するチベット難民や支援者が利発そうな坊やの写真を掲げている。テレビのニュース映像にちらりと映った。ロンドンでもサンフランシスコでも、この坊やはパンチェン・ラマ十一世。ダライ・ラマ法王に次ぐチベット仏教の指導者で、亡くなった先代の生まれかわりとして法王から指名を受けた。直後、中国政府に政治犯の容疑で連行された。わずか6歳だった。
以来13年たつのに、少年はなお行方不明のままである。支援者らは少年を「世界最年少の政治囚」と呼んで救出を訴えている。一方、中国当局は自ら選んだ別の少年をパンチェン・ラマに擁立している。こちらは中国の息がかかったいわば操り人形。ダライ・ラマ十四世が亡くなった後に、生まれかわりの「転生者」を探すのは、パンチェン・ラマの仕事になる。中国政府の狙いは明らかだ。
「ある種の文化的ジェノサイド(虐殺)が起きている」。訪米中のダライ・ラマがチベット独自の文化を認めぬ中国を非難した。パンチェンの不明事件もまた文化破壊、宗教弾圧の一例である。パンチェン・ラマの写真はたった1枚、6歳の時の肖像が残されているだけだ。生きていれば来週、19歳の誕生日を迎える。少年を返せ―。チベットの人々の悲憤は察するにあまりある。
と、かなり感情的な社説だが、臆面もなく替え玉にすり替えるとは住民感情を無視している。中共政府が国家として前近代的な体質であることがわかる。気の毒だが、本物のパンチェン・ラマは生きてはいないだろう。
人海戦術で根こそぎ文化を破壊する中共政府の常套手段に対しては、隣国としても無関心ではいられない。
中国とは北朝鮮が50個集まった国家なのである。
(記事)
「ダライ・ラマに指名受けた"パンチェン・ラマ"。6歳で中国が連行し、中国は別の少年を用意…中国の狙いは明らか」…河北新報
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