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のだめの主題曲がベト7になった必然

2009-12-20 21:57:14 | 日記
のだめ見てきた。
感想とかネタバレはおいといて。
おもしろかった。4月も行こう。


さて、それはそれとして、今回はのだめの主題曲についてである。

2006年、のだめカンタービレがドラマ化されるにあたって、
主題曲としてベートーヴェン交響曲第7番が使用された。
この曲はかなりのムーブメントを引き起こし、
その年たまたま同じ曲をやったうちのオケは、
万客御礼というかなりの恩恵を受けたわけだ。
ちなみに、今年も12月25日に鎌倉芸術館(大船)で定期があるようです。
可愛い後輩たちの演奏が楽しみです。

閑話休題。

今日のお題は、「なぜベト7が主題曲に選ばれたか」。これ。

まず注目すべきは、のだめのストーリーである。
Sオケという落ちこぼれを集めたオケが、
シュトレーゼマンと、その弟子にされた千秋と共に、
苦難にぶつかりながらも成長していく、というのが、
この漫画の1つの主軸のストーリーである。

ここで注目すべきは、交響曲の難易度である。
色々な作曲家が作った交響曲にはそれぞれ難易度があるが、
我々アマチュアが時間を掛ければそれなりにできて、
演奏会などでよく選ばれる曲、というのは限られている。
間違っても宗教改革やシェーラザードなんかは難しすぎるし、
(もちろんレベルの高いアマオケでやるオケはあるが)
落ちこぼれの集合、というストーリー上でも、
ここでは演奏が難しい選曲は避けられるべきである。

そうなってくると、必然と曲目は絞られてくる。
英雄(ベートーヴェンの3番)、
運命(ベートーヴェンの5番)、ベートーヴェンの7番、
ブラームスの2番、メンデルスゾーンの3番、
ドヴォルザークの8番、あたりが適当だろう。
うーむ。見事に最近やった曲ばかりだw

さて、この中でどの曲が適当か、ということを考えるとき、
こののだめカンタービレという番組が、ドラマ枠で放映される
ということの意義が重要となってくる。

近年、クラシック音楽界は若い層離れが進んでおり、
(別に近年に限った話でもないかもしれないが。
音楽の多様化が進んだという話だろう)
入り口はのだめでもなんでも、クラシックに興味がある人を
一人でも増やすことが、この番組の使命である。
そうなったとき、主題曲は、耳に残りやすく、
また明るくポップな曲調であることが必要である。

更には、クラシックが一般的に持っているような、
暗い、眠い、敷居が高い、格調とかよくわかんない、
というイメージを取り払わなければならない。

このような曲が、先に述べた条件の交響曲の中には、
ベト7しかない。英雄は重厚と格調そのものだし、運命は短調。
運命で始まるコメディードラマを見たいとは思わないだろう。
ブラ2、メン3は美しいメロディが、ともすると眠く聞こえがちだし、
ドヴォ8に至っては、クラシックを全く知らない人は、
ドヴォルザークという名前さえ知らないだろう。
それだけで敷居が上がる。

ベートーヴェンなら日本人は誰でも知っているし、
(なぜか日本人はベートーヴェンとショパンは誰でも知っている)
彼の音楽は非常に出来が良く、聴衆の心をつかみやすい。

更に、のだめカンタービレの、「群像劇」というストーリー状態が、
「無題」である交響曲第7番に非常にマッチしている。
のだめのストーリーに、テーマはないのである。
運命に打ち克つ暗→明でもなければ、
甘い恋だけの物語でもない。
千秋とのだめ、2人の主人公の活劇に、
このベト7という曲はとてもよくあっている曲なのである。



今から後編が楽しみだ。

クラシックといえば、宇宙戦艦ヤマトも見たが、
あれもなかなか熱い。
エグモントとか、月光とか、皇帝とか、グリーグとか。
興味のある人は見に行くといいよ。
多分僕はもう一回行きます。

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