大田原より愛をこめて

仕事中の現実逃避

世界一の美女の創りかた BYイネス・リグロン

2010年02月24日 | 公開中


とても良い本でした。
この本は何となく知ってた気がするけど、読んでみようと思ったのは、勝間さんの近著「結局、女はキレイが勝ち」で紹介されていた一節に感銘を受けたから。
「日本でいうきれいはprettyであって、beautifulではない」という文章です。

私はこの本を読んで、女としての生き方に迷っていた部分に、骨格をズシン!と嵌め込まれたような気分になった。自分の中の、女としてのアイデンティティにあった迷いみたいなものを完全にふっきってもらえた。

そして、今まで自分のなかにあった、ある種の「気持ち悪さ」の正体も、この本に教えてもらえたと思う。
「気持ち悪さ」というのは、この本のいろんな章で触れられている、女性のメンタリティに対して抑圧的にはたらく日本独特の文化だ。
世界で標準とされている女性の理想的な在りようと、日本でのそれには大きな隔たりがある。
私がぼんやりと不快に感じていたり、あるいは無意識のうちに従ったりしていた日本的行動規範に対し、イネスは容赦なく「こんなの全然だめだわ。世界では通用しないの」と、バッサバッサと斬ってのける。
でも、イネスの言うことはいちいち、正しい。
それは、日本という一種の「ガラパゴス島」にいる時は問題なくても、一歩海外に出れば、「やばい!こりゃまずい!!」という恥ずかしい経験を、私自身が今までにしまくってきたからであろう。

一方で、イネスは日本女性の素晴らしさについても私たち以上によく知っている。だから、海外在住歴が長く、あまりに現地人化してさばけすぎて、日本人の良さを失った女性を見るとがっかりする、とも。
これもよくわかるし、納得できる話だ。
日本人としてのアイデンティティは強く持ちながら、なおかつ世界でも通用する思想、マナーを身につける。これが、いま私たちが目指したい理想的な女性像。

勝間和代さんは日本で「やっと登場した」本物だと思うけど、イネスさんにもやっぱり憧れる。子どもを3人育てて仕事で才能を発揮し、この本の表紙のように自分の娘くらいの歳のミスユニバースたちに囲まれても堂々と魅力的なオーラを放てる女性。
こういう女性は日本では本当に少ないから、目指そうにも目指せなかったかもしれない。実際、私はこの本には10代で出会いたかったって思う。笑

日本人は、古来より節操無く良いものは何でもサッと受け入れる性質があるように思う。
だから、こういう風に日本語で、日本人に対して直接メッセージを送ってくれる外国人の文化人、知識人の存在は、大切にすべきであろう。

この10年で、男も女も考えや行動がずいぶん変わってきた。だから向こう5年、10年でも、やはり変わっていくのだ。
そういうダイナミズムを感じさせるという意味では、日本はまだまだ発展途上でいろんな可能性を秘めた国だ。
コメント (2)
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