ケアに関する問題点とその対処法

質の高い介護をしたり、気持ち良く働いたりするために必要なこと

認知症の食事拒否を救う介護職員の視点

2020-06-05 02:15:51 | 日記
「食べないと栄養が取れず衰弱してしまうのに、いくら説明しても食事を拒否する…」「無理やり食べさせようとすると暴れて手におえない…」こういった食事拒否の問題は介護の現場でよく目にします。
その方の症状にもよりますが、自分はもう食事をとったと言い張ったり、異物が入っているという理由だったりする方もいます。
生活リズムを整えて服薬をすることで落ち着いてくれればよいのですが、いつまでも食べないままではいずれ点滴や医療的なケアが必要となり、ADLが低下する大きな原因ともなってしまいます。

考えられる原因としては、嚥下機能の低下に伴いうまく食べられなくなった場合や、食事の内容が気に入らない場合が多くあげられます。
嚥下機能の低下は高齢者、特に脳血管疾患や認知症を抱えた方にはよく見られる症状です。
これは誤嚥や窒息のリスクも出てくるので、可能な限り医師や看護師、言語聴覚士等のリハビリの職員に相談し、早急に対処方法を検討することをお勧めします。
食事の内容が気に入らない場合は、ソフト食や軟菜食などの介護食を食事と認識できずに拒否する、というケースがあります。
この場合は再度嚥下機能を評価し、可能な限りその方にとって「食事」と認識できる形状のものを提供することで改善する場合があります。
中には「おにぎりとみそ汁」の組み合わせで出したところ、喜んで口に運んだという方もいます。

いずれの場合にも他職種との連携が必要不可欠ですが、普段の様子をよく知っている介護職の視点は何より重要です。
食事以外の時間もよく観察し、原因を探っていくことが問題解決の近道かもしれません。
食事介助の際に抑えるべきポイントや、認知症の方への対応など、《http://ninchisho-shokujikaijyo.com》を一読すると、より理解が深められるでしょう。