移動の道すがら・・・

おそらく愛媛県と広島県の人には衝撃の店名ではないでしょうか。関東一円に展開する大手スーパーマーケット。

上京した1980年から近所にあったのでよくお世話になっているスーパーですが、その店名が「稲毛屋」からきているとわかるまで“すごい”店名だなぁ、と思っていました。ひらがなにするからそうなるんですよね。カタカナだとイナゲヤ。まぁ、印象的にはちょっとぎこちない感じなのでひらがなの方がいいんですが・・・。

引っ越してしばらくすると両親が偵察に来た。海のものとも山のものともわからないジャズの世界に潜り込もうと上京して行った息子がどんなところに住んでいるのか、ちゃんとご飯は食べているのだろうか、と、父親の仕事のタイミングに合わせて二人でやって来た。

こう言う時、母親はやっぱり食事が一番気になるようで、ちゃんと栄養のあるものを食べているのかしきりに心配な様子。部屋に来るなり冷蔵庫の中を繁々と眺めて「明日は何か栄養のあるものを作ってあげるから買い物にゆきましょう」と。

まぁ、扉を開けると、ドアポケットにずらりと並ぶコーラ、当時まだ出たばかりのアルミ容器に入ったキンレイの冷凍鍋焼きうどん、適当な野菜、卵にベーコン・・・外食の比率が高かったのもあるが、20代前半の独身男子的冷蔵庫そのものだった。まだベーコンがあるだけマシか。

父親の仕事の都合もあるが狭いだろうからと二人とも都心のホテルに泊まって息子の部屋まで通っ来るので、ちょうど父親も立ち寄れた日に三人で「近くのスーパー」に買い物に・・・・

早速母親が店の看板を見つけて「あら、まぁ!?」続いて父親も「な、な、なんと」・・・

二人とも店名を見て唖然としている。(予想通り、実はウケると思ってここに連れて来たのだった)

“いなげや”

愛媛県と広島県の一部では「いなげ」と言うのは、妙な、とか風変わりな、とかという意味の方言でどちらかと言うとあまりいい意味では使われない言葉だったのです。

個人的な推測ですが否(いな)気、辺りから来ているのかも?

それが堂々と店名で、しかも生鮮や日用品を売るスーパーマーケットとなると、。。。ねぇ。

いなげ+や。

「いなげやなぁ」(変やなぁ)

または

「いなげ+屋」(変な店)

二人の脳裏にはこの解釈しかなかっただろう。僕も最初はそうだったけど、そのおかしさを分かち合う相手もいなかったので慣れてしまった。

そうそう、お金はないけどアイデアは有り余るほどある息子は、何か二人が喜びそうなものはないか、と考えて、この時テレビの人気番組「笑っていいとも!」の観覧券をゲットして二人にプレゼントした。翌日のお昼、新宿のアルタスタジオからの生中継に嬉しそうに映る二人の姿がチラリと映ったのは言うまでもない。テレビ世代の両親へのプレゼントでも結構上位に入っていたと思う。ちゃんと予約録画で録っていたと言うから・・・さすがテレビ世代!

今でも使う“いなげや”。

この大きなひらがなの看板を見る度に、あの日の二人の驚きようを思い出してついニヤッとしてしまう。

思い出深い「いなげや」さんです。

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最新の動画です。2022年11月に栃木県足利市のartspace&cafeで行われた彫刻家藤岡孝一氏の個展BLUEの中の「JAZZ in BLUE」での演奏からダイジェスト。

約27分間の動画です。

写真をクリックするとartspace&cafeのページに飛びます。最初にコマーシャルが入る場合がありますのでご注意ください。

➡︎

演奏:Toshihiro Akamatsu(vibraphone) Hakuei Kim(piano)

・Straight, No Chaser......Monk

・Violet Rays.....Toshihiro Akamatsu

・Synonym......Toshihiro Akamatsu

・White Forest......Hakuei Kim

・Beyond the Dream......Toshihiro Akamatsu

・Lake Sagami......Hakuei Kim

・The Gleaner......Toshihuro Akamatsu

enc

・Blue in Green......Miles

Nov/13/2022 artspace&cafe @ Ashikaga, Tochigi.

Next Show

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