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赤松敏弘Vibraphone Connection・談話室

昭和の面影のデミグラスソースの洋食屋に偶然皆既月食の日に巡り合う

あの442年振りの皆既月食+天王星食の日。前の週末のイベントから松山の実家に滞在中で、さて、どこかで夕飯を・・・・
実家は繁華街にあるけど、ちょっと冒険で普段は行かない店で食べてみたいな、と。失敗しても帳消しにする店はたくさんあるし。電車通り、表通りから一歩入るとこちら側は完全な住宅街。それもあって普段は行かないわけだけど。
 
明治時代のこの街は、あらぬ事かこの狭い松山平野に私鉄が3社も競合するという異様な状態で、それぞれの鉄道の客取り合戦が史実に残っているくらい。そもそも日本鉄道(現・JR東日本)、阪堺鉄道(現・南海電鉄)に続いて三番目の開業が現存する伊予鉄道。私鉄では二番目に古く、社名でいえば一番古い(これはあまり意味がないけど)という、こんな四国の片田舎にあり得ない文明の力が事業展開していたわけです。
 
 
子供の頃から、通学路や友達の家に行ったりするときに、通常町中の道というのは交差点以外は基本はまっすぐなはずなのに、なぜこの道は意味もなく緩〜いカーブを描いているんだろう? とか、突然街の形と無関係に斜めに道が縦断しているんだろう? と思う事がありました。やがて街の歴史に触れるようになると、それらが明治時代の鉄道の線路跡だと知りワクワクしたものです。自転車で想像しながら走ったりして。
 
で、実家の近所も今は伊予鉄道が統合した路線が道路の真ん中を路面電車として走っているのですが、街の形として妙な道があるのです。
 
上の国土地理院の地図の左下。
 
主要地方道「440」号線のマークのところから斜め右上に向かって走る道があります。この入口の右側の井出ビル1階はライブハウス「Y's Cafe」、歩行町の町の辺りには「JAZZ IN GRETSCH」とジャズ系の店が並んでいますが、この道は明治時代の松山電気軌道(まつでん)の線路跡。ちなみに競合していた道後鉄道の線路跡も勝山町と書かれた現在の黄色い勝山通りの右側に緩いカーブを描いて北(上)に走る道として残る。鉄分多めに育っても仕方のない環境ですね。
 
当事者の伊予鉄道のホームページに一目でわかるマップがあったので引用します。
 
 
鉄道というのは先に開通した路線が優先で、後で開業する路線は跨線橋を作って上を走らなければならないというルールがありました。なのでこんな住宅地の真ん中に跨線橋があったというのは凄いなぁ、と。(現在は跡形もなく消えています)
 
さて、その松電の線路跡に入ってみようとJAZZ IN GRETSCHの先まで来たときです。
あらま!
ここにこんなお店があったんだ 🙂
 
 
小中学生の頃は学校がこの先にあったから頻繁に通ったけど、そこからはこちらに赴く用事もない事からJAZZ IN GRETSCH止まりでした。その数歩先!?
 
何もなければこの先で勝山通りと合流するところにこの街では名の知れた「蕎麦屋」があるのでそこでいいか、と思っていたのだけど、一気に予定変更。
 
それにしても午後7時半すぎ。住宅街とはいえ、真っ暗だ。
電車通りを渡ると夜はこんなに違うのか。酔っ払いの大声と各種サイレンが朝まで鳴り響く実家界隈とは別世界だわ。この街で商売をする人が「電車通りはせいぜい50mだけど、そこを越えると1kmの距離が空くのと同じ」と言っていたが、商売の点では確かにそうか。
ともあれ、期待と不安に包まれながらドアを開ける。
 
「いらっしゃいませ」
 
広いカウンター席のオープンキッチン。厨房は丸見えだ。
迎え入れてくれたおばちゃん、奥には三人のコックさん。
もう、懐かしい感じ。こういうお店、本当に見かけなくなった。
 
基本でしょう、とハンバーグを注文。
 
電話がしきりとかかっている。どうやらテイクアウトの注文。なんかいい感じ。先客は二組。僕も含めて店内に「ヤング」はいない。でも、それがなんかいい。
 
三人のコックさんがそれぞれ手分けして一気に作業、もとい、調理完了。
「ハンバーグ、おまたせしました」とおばちゃんが運んでくれる。
 
 
ヲイヲイ! 銀の皿だよ 🙂
かつてどの洋食屋でも、食堂車でも見かけた銀の皿。ステンレスの食器。今ではほとんど見かけなくなった。東京府中の免許センターでも絶対的に美味しかったカツカレーの時代はこの銀の器だった。普通の皿になってからはなんか味が変わってしまった。
 
で、早速フォークとナイフで。
 
ああ・・・・これだ!
このデミグラスソース。
 
 
今ではいろんなデミグラスソースがあるが、昔の、例えばドライブインとか、駅の食堂とか、街の洋食屋さんとか、絶対的にこの味だったデミグラスソース。
デミといえばこの色とこの味だった。
 
うーーーん、久しぶり!
 
いつだったか、この味を探して国道11号線を走って桜三里を越えてドライブイン「りんりんパークー」まで行ったな。片道30km。
 
どうしてこれがなくなっているんだろう?
十分おいしいと思うのだけど。
まぁ、トマトソースとか、チーズインとか、ハンバーグ側も変わっているからね。
 
いやー、懐かしい味が、実家のこんな近くにあったとは!
 
今度帰ったらカレー、行くぞ!
なに? ロイヤルオムライス? 気になる〜。
 
ご馳走様でした。
 
そのまま「松電」跡を上がった先にあるスーパーABCで飲み物を買って路面電車で帰ろうと電車みちが大通りと合流した時に!?
 
 
あの、皆既月食と遭遇したわけ。
最初は右側の工事現場の赤いランプを見つけて「な〜んだ!」と思ったのだけど、目を凝らすと、、、、
 
 
ヲイヲイ、左側に見えたのは・・・・あの皆既月食だったというわけです。
不思議な夜の記憶。昭和の面影のデミグラスソースな夜でした。
 
 
 
今週末は栃木・足利で、音と彫刻のコラボレーション!
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■22'秋のコラボ企画 その2
芸術の秋に彫刻と音楽のスペシャル・コラボ
藤岡孝一展 BLUE スペシャル イベントJAZZ in BLUE
◾️2022年11月13日(日)14:00- 栃木 足利 artspace & cafe
〒326-0814 栃木県足利市通2丁目2658
 
出演 : 赤松敏弘(vibes) ハクエイ・キム(p) Duo

一昨年好評を博した藤岡孝一氏の木彫の展覧会を開催します。前回にもまして意欲的な作品が多数出品されます。期間中の11月13日(日)には藤岡氏と親交のある日本を代表するヴィブラフォン奏者赤松敏弘氏と人気ピアニスト ハクエイ・キム氏によるデュオと藤岡氏の作品とのコラボをお楽しみいただくイベントを開催致します。どうぞご期待下さい。

【イベント料金】2.500円 (1ドリンク付き/要予約)
 ※先着30名様限定とさせていただきます。 現在(11月8日時点)ほぼ定員に達しましたが、会場から増席対応可能との情報が入りましたので、御予定されていた方はどうぞお早めにお問い合わせの上お越しください。

【お申し込み、連絡先】
 栃木県足利市通2丁目2658
 artspace & cafe ☎ 0284-82-9172

https://artspace-and-cafe-ashikaga.com/

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■2022年11月19日(土)東京・成城 CAFE BEULMANS
開場 19:30 開演 20:00

第二回(8月延期分)望月慎一郎(p)赤松敏弘(vibes)Duo

  • MC=3700円 +2drinks order
  • 問い・予約 03-3484-0047
  • 東京都世田谷区成城6-16-5カサローザ成城2F

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■2022年11月30日(水)神奈川 茅ヶ崎 Storyville
開場 18:30 開演 19:00

赤松敏弘(vibes)×酒井麻生代(flute)Duo

  • MC:3.850円(別途要オーダー)
  • 問い・予約0467-91-9604
  • 〒253-0056 神奈川県茅ケ崎市共恵1-8-19 中島ビル1F

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■赤松敏弘 official site VIBRAPHONE CONNECTION
発売中のCD、ライブ情報、電子書籍やインタビュー掲載誌等、ジャズ、ヴィブラフォン、演奏法、ジャズセオリーと、ジャズやビブラフォンの周りにある様々な疑問も解決するお役立ち情報も満載。
1997年開設以来のユーザーからの様々な質問や情報交換もアーカイブとして保存中。是非一度お立ち寄りください。
( http://www.vibstation.net )



■赤松敏弘 FaceBook ( https://www.facebook.com/akamatsu.toshihiro/ )




■赤松敏弘 Twitter




それでは今日も楽しい一日を!

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【放送】

今週のオンエア (11月10日~11月16日)
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【テレビ】
東京MX2 (地デジ9ch + ▲up)

番組名『ヒーリングタイム&ヘッドライン・ニュース』

癒しの映像+最新のニュース+最良の音楽。


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■月〜金曜 放送時間 17:00〜18:00 (東京シティ競馬中継の時はお休み) ■土曜 27:00〜28:00 ■日曜 15:44〜16:00
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“ねこの足跡”

21年6月、7月、8月、10月ヴィブラフォン部門【Amazon's Choice】選出作品『NEXT DOOR - birth of the swift jazz/赤松敏弘』(2000年作)


演奏:赤松敏弘(vib)ユキ・アリマサ(p)養父貴(g)新澤健一郎(kb)平石カツミ(b)斉藤純(ds)相内勝雪(mnp)他。

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■月〜金曜 15:20〜15:30 (東京シティ競馬中継の時はお休み) ■金曜 25:35 都知事定例会見終了後 〜27:00 ■土曜 17:30〜18:30 / 25:00〜26:00  ■日曜 17:30〜17:38 / 25:00〜25:35 / 25:35〜26:35  ■祝日 12:00〜12:16

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“路面電車のある風景 - 1”

『NEXT DOOR - NEW LIFE/赤松敏弘』(2020年作)


演奏:赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)市原ひかり(tp,flh)酒井麻生代(fl)須川崇志(b)小山太郎(ds)佐々木優樹(g)

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■土曜 18:30〜19:00 ■日曜 18:30〜19:00 / 24:00〜25:00 
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“猫の足跡 看板猫”

22年1月、ビブラフォン ジャズ部門【Amazon's Choice】選出作品
『TIDE GPAPH/赤松敏弘』(2007年作)

演奏:赤松敏弘(vib, mar)ユキ・アリマサ(p)松島美紀(mar)

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■月曜〜金曜 20:00〜20:09 (東京シティ競馬中継の時はお休み) ■土曜 16:52〜17:00 ■日曜 16:52〜17:00 / 28:00〜29:00
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“東京点描 城南1”

『SPARKLING EYES/YUKARI』(2021年プロデュース作)


演奏:YUKARI(vib,mar)飯島瑠衣(p)中林董平(b)森永哲則(ds)guest:赤松敏弘(vib)


首都圏以外の方はこちらの「エムキャス」で全国からスマホやパソコンでリアルタイムにお楽しみいただけます。
★エムキャス→https://mcas.jp/c/mx2.html
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