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赤松敏弘Vibraphone Connection・談話室

TALES / Bill Evans を聴く

夕方に少しだけ時間があったので前々からタイミングを見計らっていたものを取り出した。
 
 
ちょうど夕暮れ時のこんな時間に聞くにはもってこいだと思う。
Jaz.in誌が新作『MY REAL BOOK - Season 1&2』のインタビューを掲載してくれた号で紹介されていたビル・エバンス・トリオの初の欧州ツアーの録音とされる1964年の音源が復活されたアルバム。
 
 
『TALES/Bill Evans』(1964) Bill Evans:p Chuck Israels:b Larry Bunker:ds
Waltz For Debby
My Foolish Heart
How My Heart Sings
Sweet And Lovely
I Didn't Know What Time It Was
 
最後の曲だけは全く別の時のベースがエティ・ゴメス、ドラムがマーティ・モレルで1969年の録音でおまけ。ビル・エバンスといえばスコット・ラファロ(b)、スコット・ラファロといえばビル・エバンス。この初期のビル・エバンス・トリオが如何に革新的だったのかを今日聞こえてくる大半のピアノトリオに影響が聞き取れるところからも想像できるのだけど、唯一(個人的な感想です)ワクワク感がかけていた。ドキドキやハラハラはたくさんあるのに。一つはドラマーだと分かったのがこのメンバーによる「TRIO 65」を聞いた時だった。ラリー・バンカーはスタジオ・ミュージシャンとして後年引っ張りだことなるパーカッショニストだけど、ヴィブラフォン奏者としてもレコーディングをするほど。実は彼はピアノも上手く、ハーモニーに対する感覚が桁外れに優れていたことをいろんなミュージシャンから聞いていた。
 
ウエストコーストにはそのようなパーカッショニストが多くいたのが特徴でイギリスから来たヴィクター・フェルドマンなどピアニストであるのにヴァイビストでもありパーカッショニストてもあった。ラリー・バンカーも似たように位置にいたプレーヤーで、ゲイリー・バートンとも親交がありいち早くその才能を見抜いてウエストコーストに紹介していたりする。そんなだからビル・エバンスのトリオにベースのチャック・イスラエルと共に参加した途端、ワクワクが聞こえてくるようになった。
 
決定的だったのは、ビル・エバンスが左手でコードのルートの音を弾かないように、ラリー・バンカーのドラムはダウンビートを抜いてそこに誰かの音がハマるように演奏している。つまり一つの楽器で全ての拍を埋め尽くさないで二つ、三つの楽器で一つのグルーヴ感やスイング感を“演出”しているから聞いててワクワクさせられる。
又、ブラシが軽妙でこれもワクワクさせられる要因だと思う。
つまりアンサンブルに徹したドラマーということ。
 
 
久しぶりにジャズで、スイングでワクワクさせられた。
 
アルバムは前半がスタジオで録音されたおそらく放送用のもの。後半がテレビ局のスタジオに観客を入れてライブ録音としたもの。昔の録音はホール的な響きのする場所での録音が綺麗だ。つまり残響の中にプレーヤーが残す余韻が聴こえるからで、のちにリバーブが開発されるとその部分をスタジオでも活かせるようになって録音技術が進化して行った。この時の録音も、ややデッドな前半の録音よりも、多少ライブな後半の方が音楽的な表現まで浮かび上がって聴きやすい。やはり余韻がないと隅々までDigできないな。
 
演奏は他の蔵出しものよりも新鮮で特に攻めに攻めた“Sweet And Lovely”が面白い。こうなるとラリー・バンカーが威力を発揮する。
こういうドラムが好きなのを聴きながら思い出した。
 
しかし・・・・このアルバムのエバンスの顔。
 
いつもの表情とは全然違うのが妙に新鮮だったりする。
 
♪♪♪
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最新インタビュー掲載誌
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ジャズ批評 24年1月号 No.237 (23年12月24日発売)
【インタビュー】P106~109. 赤松敏弘 音と沈黙は背中合わせ『MY REAL BOOK - Season 1&2』リリース
4本マレットを駆使し、美しい音色を奏でる日本を代表するヴィブラフォン奏者の赤松敏弘が自身のレーベルAMS RECORD(アムズ・レコード)を立ち上げ、通算17枚目をリリース。完成度の高いアルバムに仕上がった。タイトルに込めた思い、レーベルを立ち上げのわけなど詳しく語ってくれた / 取材:編集部
【新譜紹介】P160. 驚くべき成熟がここにある。熟成しかつ濃密な音楽。これが現在の赤松敏弘の驚異的とも言える到達点だ / 文:小針俊郎
出版社:ジャズ批評社 発行間隔:隔月刊 発売日:毎隔月24日 サイズ:A5判 参考価格:1.320円
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Jaz.in 24年1月号(23年11月27日発売)
【巻頭】P16~19. 赤松敏弘 世界的ヴィブラフォン奏者が紡ぐインプロヴィゼーションの奇跡。その音楽的原点にあるもの / 取材: 高井信成
【Jazz Record Guide】
P28.『MY REAL BOOK - Season 1&2/赤松敏弘』「2つの異なる世界を1つのアルバムとして作り上げた」、見事にその意図がしっかりと具現化された充実した作品 / 文:小島良太
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JAZZ LIFE 12月号(23年11月14日発売)
【新作インタヴュー】P14~15. 赤松敏弘「通算17枚目のリーダー・アルバムを発表」対局に存在しているふたつのバンドの演奏を収めた僕流のリアルブック / 取材:長門竜也
【Disc Review】P37.『MY REAL BOOK - Season 1&2/赤松敏弘』人生を2シーズンに分け、独自の“リアルブック”を著した作品 / 文:長門竜也
出版社:ジャズライフ 発行間隔:月刊 発売日:毎月14日 サイズ:A4判 参考価格:970円
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新レーベル、AMS RECORD(アムズ・レコード)のサイト
 
 
第一弾は11月22日発売『MY REAL BOOK/赤松敏弘』
(AMS-23001)定価3.000円(税抜)
 
通算17枚目となる赤松敏弘のvibraphoneに、レギュラーメンバーのハクエイ キム(p)市原ひかり(tp,flh,vo)須川崇志(b,cello)小山太郎(ds)によるグループ・インターアクションが6曲(含む赤松&ハクエイDUO1曲)と、話題の望月慎一郎(p)を迎えて酒井麻生代(fl,alt-fl)平石カツミ(b)岡部洋一(perc)と繰り広げた絵画を眺めるようなジャズ。ライナーノーツ:高井信成。
 
動と静、夜と昼、都会と自然、二つの異なる世界を一つのアルバムとして作り上げました。
お求めは全国のCDショップの店頭予約や有名ネットショップで。さらに今回は以下のサブスク・ステーションで世界同時配信。ストリーミング、ダウンロード。そして今回はハイレゾ配信も行っていますのでどうぞご利用ください。ハイレゾは原理的には私たちがスタジオで聴いている音に限りなく近い音質でお届け出来るので嬉しい限りです。ご利用はこちらのリンクから
 
どうぞご利用ください。
 
 
 
 
【期間限定公開/無料動画】
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最新の動画です。2022年11月に栃木県足利市のartspace&cafeで行われた彫刻家藤岡孝一氏の個展BLUEの中の「JAZZ in BLUE」での演奏からダイジェスト。
約27分間の動画です。
写真をクリックするとartspace&cafeのページに飛びます。最初にコマーシャルが入る場合がありますのでご注意ください。
演奏:Toshihiro Akamatsu(vibraphone) Hakuei Kim(piano)
 
・Straight, No Chaser......Monk
・Violet Rays.....Toshihiro Akamatsu
・Synonym......Toshihiro Akamatsu
・White Forest......Hakuei Kim
・Beyond the Dream......Toshihiro Akamatsu
・Lake Sagami......Hakuei Kim
・The Gleaner......Toshihuro Akamatsu
enc
・Blue in Green......Miles
 
Nov/13/2022 artspace&cafe @ Ashikaga, Tochigi.
 
 
Next Show
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Coming Soon !

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【プロデュース・アルバム】
2023年1月25日発売!
KALEIDOSCOPE / カレイドスコープ
Tomoko Yoshino / 吉野智子
3000円+税 (WISE RECORD/WR-202301)
現在東京のジャズシーンで新人実力派のヴァイビスト・吉野智子。今回彼女のデビュー作のプロデュースを担当しました。
■演奏 吉野智子   雨宮彩葉  鉄井孝司  小田桐和寛
■購入・試聴はこちらから
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■赤松敏弘 official site VIBRAPHONE CONNECTION
発売中のCD、ライブ情報、電子書籍やインタビュー掲載誌等、ジャズ、ヴィブラフォン、演奏法、ジャズセオリーと、ジャズやビブラフォンの周りにある様々な疑問も解決するお役立ち情報も満載。
1997年開設以来のユーザーからの様々な質問や情報交換もアーカイブとして保存中。是非一度お立ち寄りください。
( http://www.vibstation.net )



■赤松敏弘 FaceBook ( https://www.facebook.com/akamatsu.toshihiro/ )




■赤松敏弘 Twitter

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【サブスク ヴィブラフォン / VEGA】
 
只今、JAZZ-FUSION Subscription Serviceで、2000年発売のアルバム「Next Door - birth of the “Swift Jazz”」から2020年発売の「Next Door - New Life」まで、VEGAレーベルで発売した10枚のアルバムから人気曲を高音質でお届けしています。
 
 
色んな意味で生活の中で占める音楽の比率がコロナ以降高まりつつあります。
「聴いて」楽しむ音楽!
好きな時間に、お気に入りの場所で、くつろぎながらそこでは無限の想像力が、あなたをお待ちしています。
 
是非どうぞ!

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【放送 / ラジオ、テレビ

今週のオンエア (1月15日〜22日) 
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【テレビ】
東京MX2 (地デジ9ch + ▲up)

番組名『ヒーリングタイム&ヘッドライン・ニュース』

癒しの映像+最新のニュース+最良の音楽。

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■月曜〜金曜 28:00〜29:00 (火曜〜土曜 午前4時から) ※水曜のみ28:30〜 ■土曜 16:30〜16:38 / 27:00〜27:30 ■日曜 16:50〜17:00  

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🆕 “工場夜景クルーズ”

『MY REAL BOOK - Season 1 & 2 / 赤松敏弘』(2023年作)


演奏:赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)市原ひかり(tp,flh,vo)酒井麻生代(fl,alt-fl)須川崇志(b,cello)小山太郎(ds)望月慎一郎(p)平石カツミ(b)岡部洋一(perc)

 

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■月曜〜金曜 16:20〜17:00 (東京シティ競馬中継の時はお休み) ■金曜 25:35 都知事定例会見終了後 〜27:00 ■日曜 24:00〜25:00

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“路面電車のある風景 - 1”

『NEXT DOOR - NEW LIFE/赤松敏弘』(2020年作)


演奏:赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)市原ひかり(tp,flh)酒井麻生代(fl)須川崇志(b)小山太郎(ds)佐々木優樹(g)

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■日曜 23:00〜23:30 

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“東京点描 城南1”

『SPARKLING EYES/YUKARI』(2021年プロデュース作)


演奏:YUKARI(vib,mar)飯島瑠衣(p)中林董平(b)森永哲則(ds)guest:赤松敏弘(vib)

←首都圏以外の方はパソコンやスマホでこちらのエムキャスでお楽しみいただけます。

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CDで、サブスクで、テレビで、ライブでお楽しみください。


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