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赤松敏弘Vibraphone Connection・談話室

週末のロニー・リストン・スミス

まるでフェアのようだけど、元々は後ろのLP一枚しか持ってなかったロニー・リストン・スミス。
少し風にも秋の気配が漂う晩夏になると不思議と聴きたくなるのがこの人の音楽。



CDの時代になり、ボックスで昔は簡単に手に入らなかったアルバムがポチるだけで届く時代。ネットで見つけたボックスを買ったら・・・



そもそも、ロニー・リストン・スミスの名前をどこで知ったのかというと、なんと御大マイルス・デイビスの73年の来日公演のチラシ。あの頃のマイルス・デイビスの先進的なアルバム『On The Corner』や『In Concert』では、ラーガ(インド古典音楽の旋法)にボリリズムを用いて、そこにファンクとポリコードが三位一体となって輻輳するという壮大なものでしたが、目立たないながらもキーボードは重要な役割を果たしていました。いわゆる「アガパン・バンド(75年の来日メンバーの俗称)」となる前のバンドで、チケットのチラシにはカルロス・ガーネット(ss)やロニー・リストン・スミス(kb)の名前が載っていたものが、オルガンを御大自身が弾き、主要メンバー(レジー・ルーカス/g マイケル・ヘンダーソン/b アル・フォスター/ds)以外は全然違うメンバーでの来日となったのです。
なので、ロニー・リストン・スミスは見えずじまい。



アガパン・バンドの2度目の来日の直後に、たまたまレコード店でレコードの「Visions of a New World」を見つけて買ってみたら、なんだかファラオ・サンダースっぽい世界も含む心地よい響きが気に入ってよく聞いていました。
この人の音楽はきっとコルトレーンやファラオ・サンダースの影響を濃く受けているんだろうなぁ、と予測していただけに、ボックスで時系列に並べて聞いてみたら、最初のアルバムが正にそこにありました。



『Astral Traveling』(Flying Dutchman/1973年)



いわゆる、この後人気を博すロニー・リストン・スミス&ザ・コズミック・エコーズの原点は、(かなり勝手な想像ですよ)コードを覚えたてのジャズ研生にも似た、直感的な表現でファラオ・サンダースの世界に飛びついた感じ(実際にはもっと高度なものであるのはいうまでもないが)。ピアノという楽器でどうやればあの世界に到達できるのかを試しているところがそう感じさせます。
実は似たような体験を同じような時期に自分でも経験していたので、これを聞いて思わずその頃に一緒にやっていたアルトサックスの大村泰之にこの音源を聞かせて「これ、やっちゃんそのままや!」と伝えると、本人も納得のようでした。



そのエネルギー迸る第一作を21世紀の今になって聞けて、なんだかとても充実した時間を過ごせました。
あのまま、その路線を突っ走っていたら・・・・今頃どうなっていたのか?
いや、なんでも飛び込んで、とことん楽しめたからこそだ、と納得させるしかないでしょう。
ロニー・リストン・スミスのアルバムを聴いていると、青春時代の甘酸っぱいところにキュンとくる曲がどのアルバムにも必ずあるのは、自分の中の埋もれている意識に届くからなのかもしれないですね。

音楽はこれだからやめられない。




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*9月のこちらのライブ、予約が始まりました。どうぞお楽しみください。

ご予約もこちらから↓
■9月7日(水) 池袋・Absolute Blue
【Majestic Colors Trio】
【出演】赤松敏弘(vib) ハクエイ・キム(p) 市原ひかり(tp)
【内容】2014年のアルバム「Majestic Colors」から最新作まで三枚のアルバムのフロント3人だけでお届けするここだけのトリオロジー!
【時間】open 19:00 / 1st 19:30-20:30 / 2nd 21:00-22:00
【チャージ】¥3,600 / 学割¥2,600 (別途1ドリンクオーダー)
【ご予約】リンクページ下部で人数を「決定」後、表示される「予約を進める」をクリックし、ご予約ください。
※「会員登録」をすると、次回以降の予約で入力の手間が省けて便利です。また、予約履歴の確認やキャンセルができます。会員登録なしでも、「連絡先を直接入力する」でご予約いただけます。


それでは今日も楽しい一日を!





【放送】


今週のオンエア (8月28日~9月4日)
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【テレビ】
東京MX2 (地デジ9ch + ▲up)番組名『ヒーリングタイム&ヘッドライン・ニュース』癒しの映像+最新のニュース+最良の音楽。
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火曜〜土曜 放送時間 4:00~5:00
土曜 26:30〜27:00 日曜 26:05~26:35
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“ねこの足跡”21年6月、7月、8月、10月ヴィブラフォン部門【Amazon's Choice】選出作品『NEXT DOOR - birth of the swift jazz/赤松敏弘』(2000年作)
演奏:赤松敏弘(vib)ユキ・アリマサ(p)養父貴(g)新澤健一郎(kb)平石カツミ(b)斉藤純(ds)相内勝雪(mnp)他。

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金曜 放送時間 25:35 都知事定例会見後 ~27:00
土曜 18:00〜19:00 日曜 18:30〜19:00
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“路面電車のある風景 - 1”『NEXT DOOR - NEW LIFE/赤松敏弘』(2020年作)
演奏:赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)市原ひかり(tp,flh)酒井麻生代(fl)須川崇志(b)小山太郎(ds)佐々木優樹(g)

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日曜 15:00~15:20(プロ野球中継の時はお休み)
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“猫の足跡 看板猫”22年1月、ビブラフォン ジャズ部門【Amazon's Choice】選出作品
『TIDE GPAPH/赤松敏弘』(2007年作)

演奏:赤松敏弘(vib, mar)ユキ・アリマサ(p)松島美紀(mar)

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土曜 5:00~6:00
日曜 5:00~6:00 24:00〜24:30
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“東京点描 城南1”『SPARKLING EYES/YUKARI』(2021年プロデュース作)
演奏:YUKARI(vib,mar)飯島瑠衣(p)中林董平(b)森永哲則(ds)guest:赤松敏弘(vib)


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変わらずのんびりとやっております。


 


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