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赤松敏弘Vibraphone Connection・談話室

昭和のこだわりチキン弁当

チキン弁当をご存知の人は多いでしょう。新幹線のホームとかの売店に棚積みされている定番弁当。少し前まではNER大増が作っていたが、コロナの間留守にしているうちに社名が変わってしまった。そもそもチキン弁当とはチキンライスと唐揚げという組み合わせの洋風弁当という位置。もはや唐揚げは洋食ではないと見なされるけどフライドチキンに似た洋物だった。
 
昭和の子供達(と言っても高度成長期以降)とチキンライスの出合いは「よそ行き」の場だったかもしれない。
僕は三越の食堂の「お子様ランチ」だったような気がする。
三越マークの旗がこんもりと盛られたチキンライスのてっぺんに刺さっていた。富士山型かハート型だったかもしれない。
ともかくてっぺんに刺さっていた。
 
子供の頃、家族旅行の列車の旅でも食堂車でやたらとチキンライス。宇野駅を出発して30分後の岡山駅の手前で「食堂車の準備ができました」のアナウンス。メニューにはハンバーグとかもあったがスプーン一つで食べられるチキンライスが揺れる車内では重宝した。
 
チキン弁当との出合いは高校生になってから。岡山の高校から東京の安倍圭子先生のマリンバのプライベートレッスンに通っていた帰りの新幹線でのお供。その頃の最終の岡山行きは18時台が最後で渋谷の手前でバスが渋滞にハマると19時台の寝台特急瀬戸(ブルートレイン)で帰宅が翌朝になった。それはそれで楽しかったが・・・・その時間帯の駅弁売り場にはほとんど何もなくてチキン弁当があれば御の字、カツサンドで終わりという経験も何度もした。だからチキン弁当は腹ペコの高校生にとってはご馳走だった。
 
そんな時代から馴染みのあるチキンライス。自分の中の極みは東京に出てきた80年代。銀座の資生堂パーラーにわざわざチキンライスを食べに行ったものだ。当時で一皿3800円くらい。下手すれば600円くらいで食べられる時代にそこまでしたのも、チキンライス愛が強かったからだろう。
 
何度か食べに行ってあの味を再現しようとしたくらい。資生堂パーラーのはケチャップを使わずチキンと玉ねぎとマシュルームをトマトソースのスパイスで煮込んで、それをご飯に絡めて焼くものだった。
デパートのチキンライスもこの方法のところがあって、見た目以上に結構手間のかかる料理だったようだ。そのせいか、カレーライス(ライスカレー)、ピラフはメニューに残しているのにチキンライスはほぼ消滅しかけている。まぁ、オムライスの中身としてケチャップライスが代替わりなのかもしれないが。
 
 
さて、このチキン弁当。復刻版らしい。横長の容器に唐揚げとチキンライスが並んでいる現在の容器とは異なってかなり大きい。僕が記憶する容器もこれではなく横並びだった。
 
調理年月日のところが「昭和39年10月発売」とあるのは気の利いたシャレで新幹線開業の時に誕生した証になっている。
箱を開けると、まず唐揚げが飛び出してきた。ポテトチップス入りだ。
 
 
僕の記憶ではここにスモークチーズが入っていた。高校生で腹ペコだった時に何故かその小さなスモークチーズが美味く感じた。
 
さて、その唐揚げの容器の下にチキンライスが入っている。
 
 
これ、よくみるとチキンライスではなくケチャップライスだったんだ。マシュルームとグリーンピース以外に明確な固形物が見当たらない。チキンエキスは入っているのだろうけど。通りで唐揚げのボリュームがあると思った。でも、うまいんだなぁ、これが。
 
まだ東京駅の駅弁が盛り返している時の料理長だった横山勉さんが、「季節の吹き寄せ弁当」などでリーズナブルで美味しい駅弁シリーズの中に、チキン弁当の改革を掲げたんだとか。あのカリカリでジューシィでもないチキンとチキンライスをもっと美味くしようとして満足のゆくものを作ったところ、「あれが食べたい」「あの干からびた噛めば噛むほど味のする唐揚げが食べたい」と大不評だったとか。
 
「なんで、あんなに不味いもんが食べたいのかねぇ」って笑ってた。でも、そういうもんなんですよ、ファン心理は。
 
お約束通りのまるでスルメのような噛み心地の唐揚げ、チキンの見えないチキンライス。
 
 
ああ、これが食べたかった。
多分、今の人にはわからないだろうなぁ(笑)
 
そこ、こだわってるのよ。
昭和のこだわり、「チキン弁当」でした。
 
 
 
 
【期間限定公開/無料動画】
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最新の動画です。2022年11月に栃木県足利市のartspace&cafeで行われた彫刻家藤岡孝一氏の個展BLUEの中の「JAZZ in BLUE」での演奏からダイジェスト。
約27分間の動画です。
写真をクリックするとartspace&cafeのページに飛びます。最初にコマーシャルが入る場合がありますのでご注意ください。
➡︎
演奏:Toshihiro Akamatsu(vibraphone) Hakuei Kim(piano)
 
・Straight, No Chaser......Monk
・Violet Rays.....Toshihiro Akamatsu
・Synonym......Toshihiro Akamatsu
・White Forest......Hakuei Kim
・Beyond the Dream......Toshihiro Akamatsu
・Lake Sagami......Hakuei Kim
・The Gleaner......Toshihuro Akamatsu
enc
・Blue in Green......Miles
 
Nov/13/2022 artspace&cafe @ Ashikaga, Tochigi.
 
 
Coming Soon!
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2023年 2月11日(土)東京・成城学園 「Cafe Beulmans
13:00開場/13:30開演
第三回 望月慎一郎(p) 赤松敏弘(vib) DUO

MC 3300円 + 2 drinks od
問い・予約 03-3484-0047

世田谷区成城6-16-5 カサローザ成城2F

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【プロデュース情報】
 
2023年1月25日発売!
現在の東京のジャズシーンで既にライブでは人を振り向かせる存在となりつつある新人実力派ヴァイビスト・吉野智子。今回そんな彼女のデビュー作のプロデュースを担当しました。
スタンダードもオリジナルも一つ一つ吟味して揃えた瑞々しさに溢れた作品に仕上がっています。試聴された方からはとても新人とは思えない堂々としたプレイに驚きも寄せられています。
メンバーは現在の東京のジャズシーンの若手を代表する精鋭揃い。
是非是非応援宜しくお願い致します。
 
KALEIDOSCOPE / カレイドスコープ
Tomoko Yoshino / 吉野智子
3000円+税
2023年1月25日発売 (WISE RECORD/WR-202301)
 
全国のCDショップ及びネットショップからお手元に。
 
■演奏
Vibraphone : 吉野智子 Tomoko Yoshino
Piano : 雨宮彩葉 Ayaha Amamiya
Bass : 鉄井孝司 Koji Tetsui
Drums : 小田桐和寛 Kazuhiro Odagiri
 
他。
 
■吉野智子WEB
今回は新たな試みとしてCD発売と同時にサブスクでの配信もスタートしました。
 
詳しくはこちらのページから
■Tomoko Yoshino's subscription link
 
皆様、応援宜しくお願い致します!
 
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■赤松敏弘 official site VIBRAPHONE CONNECTION
発売中のCD、ライブ情報、電子書籍やインタビュー掲載誌等、ジャズ、ヴィブラフォン、演奏法、ジャズセオリーと、ジャズやビブラフォンの周りにある様々な疑問も解決するお役立ち情報も満載。
1997年開設以来のユーザーからの様々な質問や情報交換もアーカイブとして保存中。是非一度お立ち寄りください。
( http://www.vibstation.net )



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それでは今日も楽しい一日を!

 


【放送 / ラジオ、テレビ

今週のオンエア (2月1日~2月7日) 
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【テレビ】
東京MX2 (地デジ9ch + ▲up)

番組名『ヒーリングタイム&ヘッドライン・ニュース』

癒しの映像+最新のニュース+最良の音楽。

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■平日(月〜金) 12:10〜12:29 ■金曜 25:35 都知事定例会見終了後 〜27:00
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“路面電車のある風景 - 1”

『NEXT DOOR - NEW LIFE/赤松敏弘』(2020年作)


演奏:赤松敏弘(vib)ハクエイ・キム(p)市原ひかり(tp,flh)酒井麻生代(fl)須川崇志(b)小山太郎(ds)佐々木優樹(g)


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■土曜 17:30〜18:00 ■日曜 17:30〜17:38
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“ねこの足跡”

21年6月、7月、8月、10月ヴィブラフォン部門【Amazon's Choice】選出作品『NEXT DOOR - birth of the swift jazz/赤松敏弘』(2000年作)


演奏:赤松敏弘(vib)ユキ・アリマサ(p)養父貴(g)新澤健一郎(kb)平石カツミ(b)斉藤純(ds)相内勝雪(mnp)他。

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■土曜 5:00〜6:00 ■日曜 5:00〜6:00
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“東京点描 城南1”

『SPARKLING EYES/YUKARI』(2021年プロデュース作)


演奏:YUKARI(vib,mar)飯島瑠衣(p)中林董平(b)森永哲則(ds)guest:赤松敏弘(vib)

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■平日(月〜金) 27:00〜28:00 ■土曜 28:00〜29:00 / 18:00〜19:00 ■日曜 28:00〜29:00
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散歩の風景 夏から秋NEW!

『KALEIDOSCOPE/吉野智子』(2023年プロデュース作)


演奏:吉野智子(vib)雨宮彩葉(p)鉄井孝司(b)小田桐和寛(ds)



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