最近、夏目漱石の「こころ」を読み直している。
高校生の頃、読んで以来だ。
どうしても逃げられない「人の弱さ」について
考えてみたくなったからだ。
私は、いまは仕事もせずに家で家事をしたり、
勉強をしたりしている。
親は働きに出たり、なにか趣味を持ったほうが良いと
しきりに勧めてくれるのだけど、
夫が許してくれるのをいいことに専業主婦のまま
気楽にしている。
そうして、ゆっくりと過去のことを考え直している。
つもりである・・・。
私が前に勤めていた職場が、かなりモラルハラスメントが
ひどく、なぜか私は標的になっていて、
女性職員からけっこうさまざまな意地悪をされた。
そうすると、必ず便乗する奴がいて、
ある男子職員からも、意地悪をされた。
きっかけはその職員がお客さんに間違った説明をしていたのを
私が訂正したことだったようだ。
・・・男ってプライドがあるから。
四面楚歌の状態の中で、ひとりだけ親切にしてくれた人がいた。
一応上司にあたるそのヒトに、意地悪をされている、
と、相談してみた。
そのヒトは熱心に話を聴いてくれた。
しかし、何のアドバイスも、助けもしてくれず、ただ、
「これからもなにかあったら、俺に話せよ。約束だぞ。」と
言われた。
なんの役にも立たないなあとは、思ったのだけど、
相談しているうちになにか助けてくれるのだろうか、と、
甘い考えでそれからも相談し続けた。
そのヒトは相変わらず、何のアドバイスもくれなかった。
意地悪はだんだんひどくなった。
すっかり元気をなくしていると、そのヒトが
「また相談に乗ってやるから、どこかで食事をしよう。」と
言い出した。それまでは職場でしか話をしてなかったのに、
いきなりそういわれたので、
「いいえ、そこまではいいです。」と断った。
そのヒトの、「食事をしよう。」にはなんだか
裏がありそうだったから、断ったのだけど、
そうしたらそのヒトは、次の日から、ひどい嫌がらせをし始めたのだ。
そのヒトが一人だけの味方だったし、
直属の上司だったから、嫌がらせはことのほか
きつかった。
私の書類には決してOKを出さない、
帳簿は突っ返してくる。など、細かいものまであげたら
きりがない。
いまなら、これって「セクハラ」だろ。とか
言えるんだけど、当時は弱ってたからな~・・。
まあ、そんなこんなでかなり長い間付きまとわれた。
職場で他の人のいないのを見計らって
抱きつかれたり、
実家に電話をかけてきて、
「付き合ってる男はいるのか。」とか
聞いてきたり、
「いま、近くまで来てる。」とか言ったり。
きもちわるいんで、やめてください。
とか言えたらよかったけど、
なんせ上司だし、嫌がらせひどいし、
おびえて暮らすしかなかった。
そのとき、思ったのは、
「男に弱みを見せたらいけない。」
ということだった。
やがて、そのヒトは転勤し、
転勤先でも若い女の子を追い回したらしいことを後から聞いた。
私はといえば、そのヒトがいなくなって、
仕事はやりやすくなり、意地悪をしていた男性職員も
いなくなり、仕事ができるようになったので
女性職員も意地悪をひかえるようになった。
結局、ヒトに頼ろうとしたのがいけなかったのだ。
努力して、仕事をきちんとするようにすれば
なんとかなったことだった。
自分の甘さがストーカーまがいの男を呼び寄せてしまった。
夫と知り合って、悩み事を相談したときには、
いろいろとアドバイスをしてくれて、
「努力して自分に自信をつけること。」と元気付けてくれた。
これが本当だよね~。
悩み事を相談されて、それで弱みを握ったからって
言い寄ってくるなんて
最低・・・。
女性は悩みを聞いてもらっただけで心を許しがち。
きちんとアドバイスをしてくれる人か、
見極めないとひどい目にあうこともある。
夫にはこのストーカーまがいの話はしてある。
なぜなら、いまだにトラウマになっていて、
無言電話やいたずら電話がくると
フラッシュバックを起こして涙が出てきたり、
過去の怖かったことや、嫌な思い出が
頭に充満することがあるからだ。
そんな時は夫に話を聞いてもらう。
夫は「大変だったね・・・。」と、静かに聞いてくれる。
それでどれだけ助かっているか知れない。
いまはかなり恐怖心も薄れてきて、
やっとブログにも書けるようになった。
夫のおかげである。